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令和四年六月九日提出
質問第一一八号

旧優生保護法並びに旧優生保護法一時金支給法に関する質問主意書

提出者  阿部知子




旧優生保護法並びに旧優生保護法一時金支給法に関する質問主意書


 旧優生保護法における強制不妊手術に関して、いわゆる旧優生保護法一時金支給法第二十一条はその実態調査を行うことを定めている。これに従い、令和四年三月十四日には衆議院調査局厚生労働調査室長・参議院厚生労働調査室長の連名により、「旧優生保護法一時金支給法第二十一条に基づく医療機関・福祉施設調査について(依頼)」(以後調査)が出されている。これは、令和四年六月三十日を期限として、医療機関・福祉施設の長に対し、優生手術申請関係書類に加え、診療記録(カルテ等)を調査対象とし、残存状況の回答を求めるものである。この調査により、当該医療記録を残している医療機関の概数を把握することが見込まれている。
 しかし調査は、留意事項として「診療記録(カルテ等)やケース記録の洗い出し等の網羅的な確認をお願いするものではなく、調査時点において、各医療機関・福祉施設が保有を確認している関連資料等について、回答・提出を求めるもの」とされ、対応は医療機関の自主性に任されている実態がある。仮に古い診療記録などが医療機関の中に残されていてもそれらをきちんと精査しないまま廃棄することも可能である。
 一方、厚生労働省もこうした診療録等の重要性に鑑み、平成三十年四月二十五日に「医療機関、障害者施設等における旧優生保護法に関連した資料の保全について(依頼)」の通知(以後通知)を出し、各医療機関その他に保有している資料や記録を「保存期限を問わず当分の間廃棄せず、保存を継続すること。」としている。しかし、本通知はやはり強制力のないものであり、この間にも医療機関は診療記録を廃棄していたケースもあると考えられる。
 このことを踏まえ、以下、質問する。

一 政府は通知に対する都道府県各々の対応状況について把握しているか。また、医療機関などにおいて調査の趣旨がどの程度理解され、順守されていると認識しているか。
二 愛知県は通知に先立ち、平成三十年四月十八日に優生手術該当者のカルテの有無について、県内の医療機関に対し、独自に調査を実施している。この結果、十医療機関に二十二名分のカルテが保存されていることが判明したとされている。政府は愛知県以外に同様の調査が行われた自治体を承知しているか。
三 古い紙の診療記録等は一旦廃棄されたら復元は不可能である。旧優生保護法一時金支給法第二十一条が定める調査を遂行するためには、上記通知を一時的であるにせよ、より強制力を伴ったものにする必要がある。少なくとも国公立医療機関にはこうした通知の徹底した順守を求めるべきでないか。政府の見解を求める。
四 上記通知の徹底に際しては、古い紙の診療記録の保管のため医療機関側には特に場所の確保が重要となるが、医療機関側のこうした負担増に対しては、公費で支弁すべきものと考える。この点について政府の見解を求める。

 右質問する。

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