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令和五年三月二十三日提出
質問第三五号

子宮頸がん検診の方法に関する質問主意書

提出者  森山浩行




子宮頸がん検診の方法に関する質問主意書


 子宮頸がんは、子宮の入り口である子宮頸部にできるがんで、日本では毎年一万人以上が新たに子宮頸がんと診断され、年間三千人近くが亡くなっている。
 厚生労働省は、平成二十五年から約九年にわたって差し控えられていたヒトパピローマウイルス(以下、「HPV」という。)ワクチン定期接種の積極的な接種勧奨を、令和四年四月から再開した。同時に令和四年四月から、定期接種の機会を逃した方を対象に、公費助成でHPVワクチンの接種が受けられる「キャッチアップ接種」を実施している。これらについては意義があるものの、検診については不十分と考える。
 子宮頸がんは、早期に発見できれば、命や子宮を守ることができる。就労や結婚、出産、子育てなど、女性にとって大きなライフイベントを迎える時期での発症率が高いため、十代からのHPVワクチン接種による予防とともに、二十歳からは定期的な子宮頸がん検診(二年に一回)を受け早期発見につなげることが非常に重要である。しかしながら、子宮頸がん検診において行われるのはほとんどが細胞診の検査であり、ウイルス検査まで行われることが少ないと思われる。これは、国ががん検診として子宮頸部細胞診を推奨しているためであり、「HPV検査を含む方法(HPV検査単独・HPV検査と細胞診の同時併用法・HPV検査陽性者への細胞診トリアージ法)は死亡率減少効果の有無を判断する証拠が不十分であるため、対策型検診(住民検診)として実施することは勧められていません」(国立がん研究センターのホームページより)と示されている。
 最近の調査によると、「細胞診」が陰性の中にも一部、前がん病変が潜んでいることが分かってきた。このため、「HPV検査」も併せて受診すればより子宮頸がんのリスクを低下させることができる。アメリカの子宮がん検診では、三十歳以上の女性に「細胞診」と「HPV検査」の併用が積極的に推奨されていると承知している。
 日本でも日本産科婦人科学会、日本婦人科がん検診学会等の学術団体や日本産婦人科医会などの検診を実行している団体では、子宮頸がん検診はHPV検査併用検診を強く推奨している。
 右を踏まえて、以下質問する。

一 現在、各自治体の行う子宮頸がん検診について、細胞診だけのもの、細胞診にHPV検査を含むものの比率はどの程度か。政府の把握しているところを示されたい。
二 国立がん研究センターのホームページに示されている「HPV検査を含む方法(HPV検査単独・HPV検査と細胞診の同時併用法・HPV検査陽性者への細胞診トリアージ法)は死亡率減少効果の有無を判断する証拠が不十分であるため、対策型検診(住民検診)として実施することは勧められていません」との見解について、政府の所見如何。
三 アメリカの子宮がん検診では、三十歳以上の女性に「細胞診」と「HPV検査」の併用が積極的に推奨されているが、これについての政府の所見如何。
四 日本産科婦人科学会、日本婦人科がん検診学会等の学術団体や日本産婦人科医会などの検診を実行している団体では、子宮頸がん検診はHPV検査併用検診を強く推奨しているが、これについての政府の所見如何。
五 関係学会からもHPV検査併用検診が強く推奨されている現在、「HPV検査を含む方法(HPV検査単独・HPV検査と細胞診の同時併用法・HPV検査陽性者への細胞診トリアージ法)は死亡率減少効果の有無を判断する証拠が不十分である」とはもはや言えないのであり、この従来の見解を変更すべきではないか。政府の見解如何。
六 五に関連して、現在、政府内で関係学会の見解を受け、従来の見解の見直し作業などに着手している事実はあるか。
七 子宮頸がん検診については、政府は、関係学会などの現時点の知見に基づいて、従来の見解を修正し、細胞診に加えてHPV検査の併用検診に公費助成の範囲を拡大して、これを行うべきである。政府の見解如何。

 右質問する。

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