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令和五年三月二十八日提出
質問第三九号

岸田内閣における予備費の在り方に関する質問主意書

提出者  原口一博




岸田内閣における予備費の在り方に関する質問主意書


 日本国憲法第八十三条は、「国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。」と財政民主主義の原則を明示しており、また、第八十五条は「国費を支出し、又は国が債務を負担するには、国会の議決に基くことを必要とする。」と定め、同主義を支出面から具体化したものであるとされている。
 一方で、第八十七条第一項は、「予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基いて予備費を設け、内閣の責任でこれを支出することができる。」と定めており、この場合に限定して内閣の責任で予備費を使用することを認めている。これは、財政民主主義の観点から、予備費の使用は災害などの真に緊急性の要するものなどに限定されるべきであり、必要な施策は、できる限り補正予算を編成し、国会による事前の議決を経て支出することが望ましい趣旨であることは何度も指摘しているところである。
 そうした中で、岸田内閣は、令和四年度当初予算では、一般会計の一般予備費を五千億円、一般会計予算総則で使用範囲が規定された「新型コロナウイルス感染症対策予備費」を五兆円計上した。しかし、通常国会が開会中である年度当初の令和四年四月には、早くも、一般予備費のうち約四千億円の使用を閣議決定し、翌五月の第一次補正予算において、一般予備費の四千億円の増額を行い、合計九千億円とし、また、使用範囲を拡大し「新型コロナウイルス感染症及び原油価格・物価高騰対策予備費」として、一兆千二百億円の増額を行っている。その後の第二次補正予算では、同予備費をさらに三兆七千四百億円増額し、合計九兆八千六百億円とした上で、この予備費とは別に「ウクライナ情勢経済緊急対応予備費」を一兆円計上した。
 また、岸田内閣は、令和五年度一般会計予算において、またしても、一般予備費を五千億円、「新型コロナウイルス感染症及び原油価格・物価高騰対策予備費」を四兆円、「ウクライナ情勢経済緊急対応予備費」を一兆円という多額かつ複数の予備費を計上している。
 この一連の経緯について、以下、質問する。

一 一般会計予算総則において使用範囲が規定された予備費が計上されたことは、近年では、リーマン・ショック後の経済危機に対応するための「経済危機対応・地域活性化予備費」等や「東日本大震災復旧・復興予備費」「熊本地震復旧等予備費」などがあったことは承知しているが、それらはいずれも計上額及び使用額は一兆円以下であったものと理解している。これらの予備費と比較しても桁違いの予備費を複数必要とするということは、岸田内閣の政権運営能力の限界をまさしく象徴するものであると考えるが、政府の見解を示されたい。
二 岸田内閣における、このような多額かつ複数の予備費の計上は、政府における予算編成を無意義なものとし、財政運営の規律を失わせるものになると考えるが、政府の見解を示されたい。

 右質問する。

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