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令和五年五月十日提出
質問第六〇号

医薬品の販売制度に関する検討会が議題とする「処方箋を必要としない薬局医薬品」の取り扱いに関する再質問主意書

提出者  早稲田ゆき




医薬品の販売制度に関する検討会が議題とする「処方箋を必要としない薬局医薬品」の取り扱いに関する再質問主意書


 内閣衆質二一一第四六号「衆議院議員早稲田ゆき君提出医薬品の販売制度に関する検討会が議題とする「処方箋を必要としない薬局医薬品」の取り扱いに関する質問に対する答弁書」を令和五年四月十八日に受領したが、当方の理解不足もあってちぐはぐなやりとりとなってしまったので、質問の意図をあらためてあきらかにした上で再び質問する。
 医薬品の販売制度に関する検討会において、非処方箋医薬品(令和五年二月二十二日開催「第一回医薬品の販売制度に関する検討会」資料2の三頁において「処方箋医薬品以外の医療用医薬品」と分類されたもの)の薬局における販売について、販売規制を前提とした議論がされていると承知している。しかし、厚生労働省が非処方箋医薬品に分類される成分を含む医薬品の販売を規制する必要があると判断するほどに当該成分が危険であるならば、処方箋医薬品に再分類すればよいだけのことであり、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、薬機法)が処方箋不要としている非処方箋医薬品の販売について、行政の裁量によって新たな規制等を設けることは行政権の濫用でしかなく、非処方箋医薬品の販売規制をするならば、薬機法を改正して行うべきである。
 そもそも非処方箋医薬品の薬局における販売にあっては、医薬品の専門家として、大学教育が六年制に移行し、臨床能力が大幅に強化された薬剤師による対面販売が原則である。これを規制するということは、つまり薬剤師には、問題解決のためのコミュニケーション能力や、目の前の生活者の訴える問題を解決する能力が不足しているという判断を厚生労働省がしていることになり、幅広い教養、患者とのコミュニケーション能力、問題発見・解決型能力、倫理観などをやしなうべく、薬剤師養成教育を六年制に教育年限を延長したことと整合性がとれない。薬剤師の専門性が十分でないと判断するのであれば、薬剤師養成教育を担う大学教育、また、薬剤師生涯学習の質の改善が問題ということであり、まずは教育の質の向上について政策転換をはかるのが筋である。
 もし万一、薬剤師としての職務を果たすことなく漫然と医薬品を販売し、公衆衛生の向上及び増進に寄与することを忘れ、国民の健康な生活を確保できないような悪質な販売事例が確認されているのであれば、医道審議会薬剤師分科会薬剤師倫理部会にてその処分を審理するべきである。そのためには、審理に必要となる事実を収集する必要があり、薬剤師が販売に関与しながらも職務を遂行することなく漫然と販売し続けた結果として有害事象に至ったような事例を、事実として確認できるようなしくみを作る必要があると考える。医薬品の有害事象・副作用報告制度は存在するものの、こうした細かな調査ができていない。政府は、立法事実や実態把握なしに、行政の裁量をもって対症療法的な規制強化を繰り返すのではなく、まずは不適切、違法な販売事例の実態把握に努めるべきであって、非処方箋医薬品にかかる不適切な販売について議論をするのであれば、薬局にて販売された非処方箋医薬品に起因した有害事象等の報告があるのかどうかについて調査しあきらかにした上で、どうしても規制が必要であれば立法府に法案を提出し、審査を求めることこそ、自由主義、民主主義国家の政府として行うべきことである。
 以上のような観点から、以下あらためて質問する。

一 非処方箋医薬品の販売の在り方について検討するにあっては、これまでの行政裁量による薬局における販売規制を繰り返すのではなく、広く実地に非処方箋医薬品の販売に従事する者やその恩恵に被る国民の意見も聴取するとともに、非処方箋医薬品をもっぱら販売する薬局等の医薬品販売者の販売実績及び販売方法等の実態、こうした事実関係を徹底的に調査し、その問題点と解決方法を検討した上で、薬機法等関係法の改正に着手するべきと考えるが、第一回検討会の資料や議論では全く不十分である。さらなる非処方箋医薬品販売事業者への精緻な意見聴取及び非処方箋医薬品の販売実態調査の必要性と、本件にかかる薬機法の改正の可能性と必要性について、政府の見解をあきらかにされたい。
二 薬剤師養成教育を六年制にしたにもかかわらず、薬剤師には非処方箋医薬品を薬局で販売することにおいて、十分な臨床知識が備わっていないと考えているのか、政府の見解をあきらかにされたい。
三 十分な臨床知識が備わっていないと考えるのであれば、薬剤師養成教育を六年制にした経緯についてあきらかにされたい。
四 政府の考える薬剤師の臨床能力というのは、具体的にどのようなことを臨床現場で想定して習得させるものなのかあきらかにされたい。そして、そのような臨床能力は、処方箋に基づく調剤業務のみで活用されるものと政府は考えているのかについてもあきらかにされたい。
五 政府は、薬局において処方箋なしに販売された非処方箋医薬品によって発生した有害事象の実例について把握しているのか。把握していないのであれば、把握するべきと考えるが、その予定の有無についてあきらかにされたい。

 右質問する。

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