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令和五年六月十六日提出質問第一四二号
介護職の処遇改善、介護離職者対策に関する質問主意書
提出者 緑川貴士
介護職の処遇改善、介護離職者対策に関する質問主意書
介護施設・事業所は、電気代・ガス代をはじめとする物価の高騰や新型コロナウイルス対策の影響などにより厳しい状況に追い込まれている。他方、高齢化とともに介護サービスの需要は高まる中、親の介護問題を抱えている企業勤めの従業員も多く、仕事と介護の両立に困難を抱えている。
一 従来、国による処遇改善等の対策が講じられてきたが、令和四年賃金構造基本統計調査によれば、介護分野の職員月額二十九・三万円、全産業平均で月額三十六・一万円であり、その額には依然として大きな開きがある。介護事業所の現場では日常の業務に加え、新型コロナ感染者の対応や感染症対策に追われる中、電気・ガス代も高騰する等、かつてなく厳しい経営状況となっている。国の公定価格で経営する介護施設・事業所は、その改定を待たなければ賃金を上げられず、それが介護業界からの人材の流出を招いていると考える。介護職も一般企業と同程度以上の賃上げが可能となるよう、令和五年度における緊急的な措置や令和六年度の介護報酬改定における対応を実施することについて、政府の見解を伺う。
二 親の介護問題を抱えている企業勤めの従業員は多い。「親の介護は自分がしなければならない」との責任感や義務感の反面、仕事と介護の両立に不安を抱えている。介護離職対策としては介護休業制度があり、介護休業の取得可能日数を増やす企業が増えている一方、現場の管理職が周囲の社員に配慮し、介護休業に難色を示すケースもあると聞く。人事部門や労務部門が事情を把握しても、適切なアドバイスもできない所が多いという課題もある。休業となればキャリアの中断や減収となるほか、企業にとっては業務の担い手の休業は打撃となる場合がある。従業員が抱える老後の諸問題について相談できる専門の窓口設置など企業の取り組みや、短時間勤務や在宅勤務の導入など、一人ひとりの従業員の要望、ライフスタイルに可能な限り対応した働き方ができる仕組みづくりを政府として支援し、社内全体で理解を深める必要があると考えるが、政府の見解を伺う。
右質問する。