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令和五年十一月十五日提出
質問第四三号

防衛装備品の選定に関する費用対効果の相対比較に関する質問主意書

提出者  原口一博




防衛装備品の選定に関する費用対効果の相対比較に関する質問主意書


 元自衛艦隊司令の香田洋二氏は、本年四月二十八日の衆議院財務金融委員会安全保障委員会連合審査会に参考人として出席し、次のように述べた。
 「私たちが若いときにやっていたのは相対比率なんです。例えば、陸上配備のときが一とすると、新しい構想の、海上型にするとコストは一・二になりパフォーマンスは〇・八になるから、それを総合的に評価すると〇・九でこれは駄目よとかいう評価ができるんです。一切、防衛の秘密とか関係ないです。性能とか関係なく、相対比率で、相対表示でできるんですよ。そんな中学生でもできるようなことをなぜ防衛省がやらないか。国民に対する責任の放棄ですよ。」
 この費用対効果の相対比較は、同氏の著書「防衛省に告ぐ」五十九ページ以下でも次のように説明されており、過去実際に対大蔵省説明でとられた手法とのことである。
 「ここで最後まで大蔵省が徹底的に詰めたことは、防衛効率の問題だ。どれくらいの予算を投入したら、どれくらいの効果が得られるか、ということである。防空能力を高めるためにイージス艦に替えて従来のミサイル護衛艦の増勢ではだめなのか。あるいは戦闘機の追加購入で洋上防空能力は上がらないのか、といったことを厳しく問われた。国会審議で追及された際には、当然ながら世間一般が納得できる説明が求められる。
 例えば、イージス艦は当時一隻千五百億円だとして、二隻購入すれば三千億円になる。F一五戦闘機は一機百億円だから、イージス艦二隻分の三千億円を費やせば三十機になる。そのF一五を配備して防空体制をとるとして、二か月くらい作戦を行えばどうなるか。F一五の作戦効率を一とすれば、イージス艦は一・二になる。これに加えて維持経費などを考えると、F一五の全経費を一とした場合にイージス艦は〇・七で済むというような、事の性格上公表ができない性能に関わる秘密情報には触れない形でイージス艦導入の正当性を、主として費用対効果の相対比較結果で示すことにした。そこに我々の知恵があった。
 こうしたことをよどみなく証明できるデータをまとめるために、延々と作業を行った。」
 防衛装備関係では、事柄の性質上公表できないこともあるのは理解するが、これを前提としても、防衛省の国会及び国民に対する情報提供はあまりに不十分である。香田氏の紹介する手法は、防衛省の情報提供の手法のひとつとして興味深い。

一 防衛装備品の選定について、「費用対効果の相対比較」を数値化して行う手法(以下「当該手法」という。)が、過去実際に防衛庁の対大蔵省説明でとられていたというのは、事実か。
二 仮に過去当該手法がとられていたか確認できない、あるいは確認はできてもノウハウの詳細が伝わっていないのであれば、当時を知る香田氏に確認する意思はあるか。
 なお、当該手法については、本年六月八日参議院財政金融委員会外交防衛委員会連合審査会で高良鉄美議員が質問されているが、当該手法の眼目である数値化について触れられていない答弁となっている。質問の趣旨が政府によく理解されていなかったのかもしれないが、本質問では香田氏の議論を長く引用したので、当該手法についてよく理解し、特に当該手法においては数値化が眼目であることを踏まえた上、答弁されたい。

 右質問する。

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