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令和五年十一月十五日提出
質問第四五号

西九州新幹線等に関する質問主意書

提出者  原口一博




西九州新幹線等に関する質問主意書


 令和四年九月に武雄温泉駅と長崎駅の間を結ぶ西九州新幹線が開業した。同線は、新幹線と在来線を直通し走行が可能であるフリーゲージトレインの開発を前提とした計画であったが、フリーゲージトレインの開発が頓挫したため、武雄温泉駅において新幹線と在来線の乗り換えが必要となる、利用者に不便を強いる形での運行が行われている。
 一方、佐賀県の在来線のままである区間の新幹線整備の在り方については、現在も国と佐賀県の間で協議(「幅広い協議」)が続けられている。
 このような状況を踏まえ、以下質問する。

一 現在、武雄温泉駅において乗り換えが必要である状況を招いた原因は、導入が予定されていたフリーゲージトレインの開発が頓挫してしまったことにあると考えるが、開発を推進していた政府としては、このような状況を招いたことについての責任をどう考えるか。
二 政府は、幅広い協議で、佐賀県内の新鳥栖駅と武雄温泉駅間についてフル規格での検討の方向性を打ち出しているが、佐賀県は財政負担等を理由にフル規格に難色を示している。フリーゲージトレインの開発の頓挫によって生じた、乗り換えが必要である利便性の低い現状の解消を、フル規格での整備という自治体の財政負担を伴う方法で行おうとすることは、結果的に、フリーゲージトレインについて何らの責任を有していない自治体に、理由がない財政負担を押し付けることに他ならず、筋違いではないかと考えるが、政府の見解を伺いたい。
三 政府は、幅広い協議の中で、佐賀市北部を通る北回りルート、佐賀駅を通るアセスルート、佐賀空港を経由する南回りルートをそれぞれフル規格で整備した場合の比較・検証の結果を示している。この中で政府が示した概算建設費を、整備延長で除して得られるキロメートルあたりの建設費は、いずれのルートも百億円を超えており、非常に高額と思える。この概算建設費については、新幹線の類似の条件を参考にした値と聞いており、更なる精査により縮減できる可能性があると考えるが、政府の見解を伺いたい。
四 佐賀県は、西九州新幹線のルートを考えるに当たっては、長期的な未来を見据え、佐賀県だけではなく九州全体で、新幹線がどう活かされて地域が発展していくのかという検討が必要との立場であり、本年九月に山口佐賀県知事が、佐賀空港と連携する南回りルートについて「議論の余地がある」と述べたのはこのような認識に基づくものと理解している。
 一方、三で言及したように、政府は幅広い協議において、南回りルートを含む三案の検討結果を示しているが、それはコストや技術的な話が中心で、そのような観点の比較では、南回りルートはアセスルートに劣後するとの結果となった。
 しかし、九州全体の将来的な発展という観点で考えた場合、空港と連携可能な南回りルートは一定の合理性を有すると考えられ、政府においても、九州全体の発展という観点で南回りルートについて再度熟考すべきと考えるが、見解を伺いたい。
五 西九州新幹線について考えるに当たっては、四で述べたように九州地域全体の発展を考える必要があるとの認識であるが、三の三案の比較・検証において、空港が関係する南回りルートの検証に当たっては、鉄道と航空で行政の所管が別になっていることで、検証内容が高速鉄道に関する観点からのものに限定されてしまい、航空等の他の分野を加味した広い観点からのものにならなかったことはないか。
 より広い観点からの検証のためには、長距離の旅客運送という共通項を持つ、高速鉄道と航空の行政を結びつける必要があると考えるが、政府の見解を伺いたい。

 右質問する。

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