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令和五年十二月七日提出
質問第九九号

自賠責保険に関する質問主意書

提出者  神津たけし




自賠責保険に関する質問主意書


一 自動車損害賠償責任保険又は自動車損害賠償責任共済(以下両者を併せて「自賠責保険」という。)は、自動車の運行によって他人の生命又は身体が害された場合における損害賠償を保障するものであり、全ての自動車について契約が義務付けられている。被害者保護を目的とした強制保険で、社会政策的な側面を持つものであることから、利潤や損失が生じないようにするノーロス・ノープロフィットの原則に従って、基準料率を定めることとされている。基準料率は、損害保険料率算出機構が算出するもので、保険金の支払いに充てられる純保険料率と保険会社の必要経費等に充てられる付加保険料率からなっており、現状、基本的に自賠責保険の保険料は基準料率に基づいている。基準料率の決定に当たっては、金融庁の適合性審査、金融庁自動車損害賠償責任保険審議会の審議、国土交通大臣の同意を経ることとされている。また、利害関係人は基準料率の算出に係る基礎資料を閲覧することができ、基準料率については、一定の公開性・透明性の確保が図られていることは承知している。しかしながら、特に付加保険料率については、保険会社の保険事業に必要な経費である営業費や代理店手数料等に対応するものであるため、費用を負担する自動車ユーザーの理解を醸成し、自賠責保険制度への信頼を確保する観点から、その妥当性の検証に必要な情報を提供することが不可欠であると考える。自賠責保険の基準料率の算出に用いられているデータ、計算式等の算出根拠を明らかにすべきと考えるが、政府の見解を問う。
二 損害に応じて支払われる自賠責保険の保険金には支払限度額が設定されており、例えば、常時介護を要する後遺障害の場合でも四千万円が限度とされている。保険金の支払対象となる損害のなかでも、特に逸失利益は高額になり得るものであるため、その金額のみで支払限度額を超えてしまうことも少なくない。また、支払限度額は、平成十四年四月に改定されて以降、二十年以上にわたって据え置かれており、その間の消費者物価や賃金の変化を十分に踏まえた水準となっていない可能性もある。自賠責保険が損害の全額を補償するための制度ではないことは承知しているが、実態との乖離が大きくなるほど社会政策的な側面を満たしているのかという懸念が生じる。このほか、裁判により、後遺障害等級認定等が変わることで、支払保険金の額が大幅に増加することがあるといわれており、実態として、弁護士費用等を負担する余裕のある者に有利なものとなっている可能性もある。そこで、
 1 保険金の支払限度額を現在の水準とした根拠を明らかにされたい。また、支払限度額を引き上げる必要があると考えるが、政府の見解を問う。
 2 裁判の結果、支払保険金の額が大幅に増加することがあるといわれている状況に対する政府の認識を問う。

 右質問する。

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