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平成十二年十一月二十四日受領
答弁第一七号

  内閣衆質一五〇第一七号
  平成十二年十一月二十四日
内閣総理大臣臨時代理
国務大臣 福田康夫
       衆議院議長 綿貫民輔 殿

衆議院議員鍵田節哉君提出初等中等教育におけるものづくり教育の振興に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員鍵田節哉君提出初等中等教育におけるものづくり教育の振興に関する質問に対する答弁書



1について

 ものづくり基盤技術振興基本法(平成十一年法律第二号)の意義は、同法第一条に規定されているとおり、「ものづくり基盤技術が国民経済において果たすべき重要な役割にかんがみ、近年における経済の多様かつ構造的な変化に適切に対処するため、ものづくり基盤技術の振興に関する施策の基本となる事項を定め、ものづくり基盤技術の振興に関する施策を総合的かつ計画的に推進することにより、ものづくり基盤技術の水準の維持及び向上を図り、もって国民経済の健全な発展に資すること」にあると考えている。
 政府としては、文部省、通商産業省及び労働省が共同で開催した「ものづくり基盤技術基本計画懇談会」における有識者の意見等を踏まえつつ、平成十二年九月に、同法第九条の規定に基づき、ものづくり基盤技術の振興に関する基本的な方針、ものづくり基盤技術に係る学習の振興に関する事項等を内容とするものづくり基盤技術の振興に関する基本的な計画(以下「ものづくり基盤技術基本計画」という。)を策定し、国会に報告したところである。その上で、現在、ものづくり基盤技術基本計画に基づき、ものづくり基盤技術の振興に関する施策を推進しており、同法の誠実な執行が図られていると考えている。

2について

 文部省においては、義務教育段階のものづくり基盤技術に係る教育(以下「ものづくり教育」という。)の振興に関する事務について、関係各課がそれぞれの所掌事務に応じて行っているが、初等中等教育局職業教育課が当該事務の取りまとめを行っている。
 また、文部科学省においては、義務教育段階のものづくり教育の振興に関する事務について、関係各課等がそれぞれの所掌事務に応じて行うが、初等中等教育局参事官が当該事務の取りまとめを行うこととしている。

3について

 小学校学習指導要領(平成十年文部省告示第百七十五号)においては、例えば、教科「理科」において、物を作ることを通して、物の性質や働きについての見方や考え方を養う学習、教科「図画工作」において、厚紙、板材などの材料や小刀、のこぎりなどの用具を手を働かせて使い、創造的な工作の能力を伸ばす学習等を行うこととしている。また、中学校学習指導要領(平成十年文部省告示第百七十六号)においては、例えば、教科「美術」において、地域の身近な材料や用具のいかし方を工夫しながら、作ることを通して、豊かに発想し構想する能力や自分の表現方法を創意工夫し、創造的に表現する能力を伸ばす学習、教科「技術・家庭」において、木材、金属などを使用した製作品の部品加工、組立て、仕上げを通して、工具、機器の使用方法やそれらによる加工技術を習得する学習等を行うこととしている。

4について

 小学校の教科「社会」や中学校及び高等学校の特別活動などにおいて、職場見学や職場体験など体験的な学習が積極的に取り入れられるものと考えているが、それぞれの学校の具体的な実施計画については承知していない。政府としては、職場体験等に関する情報の普及を図るとともに地域における学校と産業界等との連携体制の構築を支援するなど、学校教育において職場見学や職場体験などの実施が促進されるよう努めているところである。

5について

 小学校の教科「図画工作」においては、工作などに授業時数を適切に配当するようにし、教科全体を通して、手を十分に働かせ、作り出す能力など造形的な創造活動の基礎的な能力を育成することとしており、御指摘のようなことはないものと考えている。
 なお、平成十四年度から全面実施される小学校学習指導要領においては、「つくりたいものをつくることや工作に表すことの内容に配当する授業時数が、絵や立体に表す内容に配当する授業時数とおよそ等しくなるよう計画すること」を明記するなど、小学校における工作の指導の一層の充実を図ったところである。

6について

 中学校の教科「技術・家庭」は、昭和三十三年に改正された学校教育法施行規則(昭和二十二年文部省令第十一号)及びこれに基づく中学校学習指導要領(昭和三十三年文部省告示第八十一号)において、創設されたものであるが、これまでの学校教育法施行規則及び中学校学習指導要領においては、家庭に関する内容に相当する部分と技術に関する内容に相当する部分の授業時数を分けて示していない。
 なお、学校教育法施行規則及び中学校学習指導要領における中学校の総授業時数、教科「技術・家庭」の授業時数及び中学校の総授業時数に占める教科「技術・家庭」の授業時数の比率の推移は、別表第一のとおりである。
 中学校の総授業時数に占める教科「技術・家庭」の授業時数の比率が低下しているのは、教科「技術・家庭」を含む必修教科に充てる授業時数が、選択教科等に充てる授業時数の増加、総合的な学習の時間の創設に伴って減少したことなどによるものである。

7について

 各国において、技術に関する教育に含まれる内容等が異なるため、中学校段階の総授業時間に占める技術に関する教育の授業時間の割合を単純に比較することは困難であるが、経済協力開発機構が平成十二年に公表した「図表でみる教育」と題する報告書によれば、主要国首脳会議参加国のうち、イギリス(イングランド又はスコットランド)、フランス、ドイツ、イタリア、日本及びアメリカ合衆国の当該割合は別表第二のとおりである。なお、カナダ及びロシアについては承知していない。

8について

 教育職員免許法(昭和二十四年法律第百四十七号)附則第二項においては、ある教科の教授を担任する教員を採用することができない場合に、都道府県の教育委員会が当該教科についての免許状を有しない教諭に当該教科の担任を許可するいわゆる免許外教科担任が定められているところであり、中学校の免許外教科担任の昭和四十五年度から五年ごとの各教科ごとの許可件数は別表第三のとおりである。
 また、同法第五条第五項においては、普通免許状を有する者を採用することができない場合に限り、教育職員検定に合格した者に臨時免許状が授与されることが定められているところであり、中学校の臨時免許状の昭和四十五年度から五年ごとの各教科ごとの授与件数は別表第四のとおりである。
 御指摘の技術科における教員の充足率が何を指すか明らかではないが、政府としては、免許外教科担任の解消に努めるとともに、ものづくりに関する体験的な活動を積極的に推進するなどものづくり教育の振興を図っているところである。

9について

 高等学校においては、義務教育の基礎の上に、家庭、工芸、物理などに関する学習を通して、生徒がものづくりなどに関する知識と技術を身に付けるとともに、創造的な表現力、科学的に探求する能力と態度などを育成することとしている。

10について

 技術に関する教育を通して、児童生徒がものづくりなどに関する基礎的な知識と技術を習得し、技術が果たす役割について理解を深め、それらを適切に活用する能力や態度を育成するとともに、実践的な態度、望ましい勤労観や職業観、協調する態度などを醸成することは重要であると考えている。

11について

 総合的な学習の時間は、児童生徒が横断的な課題、総合的な課題などについて体験的な学習、問題解決的な学習を行い、自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質や能力を育てるとともに、学び方やものの考え方を身に付け、各教科等で得た知識や技能が相互に関連付けられ、総合的に働くようにすることを目指すものである。この中で、ものづくりや生産活動などの学習を行うことは、ものづくり教育を振興する上で重要な役割を果たすものと考える。

12について

 平成十一年度の小学校、中学校及び高等学校のそれぞれにおける工作、木工などものづくりに関する教育を行う特別非常勤講師の届出数及びその全届出数に占める割合は別表第五のとおりである。これらによる授業の時間数及び内容については、承知していない。
 また、過去五年間の特別非常勤講師の配置に関する予算額は別表第六のとおりである。
 政府としては、ものづくり基盤技術振興基本法の趣旨も踏まえ、ものづくり教育の分野を含めた学校現場における社会人活用を図る観点から、特別非常勤講師のより一層の活用を推進してまいりたい。

13について

 学校教育において、児童生徒が積極的に学習しようとする意欲や態度を身に付けることが重要であり、このため、平成十年度に改定された新しい小学校学習指導要領、中学校学習指導要領及び高等学校学習指導要領(平成十一年文部省告示第五十八号)において、児童生徒に基礎的、基本的な知識や技能等が確実に定着することを図るとともに、体験的な学習を積極的に取り入れることにより、知的好奇心、探求心をもって、自ら学ぶ意欲や主体的に学ぶ力などを身に付けさせるよう改善を図ったところである。

14について

 中学校、高等学校において、生徒が自らの進路を選択し、決定するために職業に関する適性などについて学習することは重要なことと考えている。このため、生徒が実際に企業において自らの学習内容や将来の進路に関連した就業体験を行う機会を積極的に設けるなど主体的な職業選択能力や高い職業意識を身に付けさせる教育の充実に努めることとしている。

15について

 国立教育研究所においては、文部省との連携体制を一層強化し、複雑かつ多様な教育行政上の諸課題に適切に対応することが必要となっている。このような観点から、平成十三年一月の中央省庁等改革の一環として、その名称を「国立教育政策研究所」に変更するとともに、教育行政上の諸課題に対応して研究組織を再編することとしており、ものづくり教育についても関係する部等において研究を行うことが可能となっている。


別表第一

学校教育法施行規則
中学校学習指導要領
中学校の総授業時数 教科「技術・家庭」の授業時数 中学校の総授業時数に占める教科「技術・家庭」の授業時数の比率(パーセント)
改正年 実施年度
昭和三三年 昭和三七年度 三、三六〇 三一五 九・四
昭和四四年 昭和四七年度 三、五三五 三一五 八・九
昭和五二年 昭和五六年度 三、一五〇 二四五 七・八
平成元年 平成五年度 三、一五〇 二一〇〜二四五 六・七〜七・八
平成一〇年 平成一四年度 二、九四〇 一七五 六・〇
備考
 一 昭和三十三年の授業時数は、最低授業時数を示している。
 二 授業時数の一単位時間は、五十分である。
 三 教科「技術・家庭」の授業時数は、必修に係るものである。

別表第二

国名等 中学校段階の総授業時間に占める技術に関する教育の授業時間の割合(パーセント)
イングランド
一二
フランス
ドイツ
イタリア
日本
スコットランド
一〇
アメリカ合衆国
備考
 一 この調査は、経済協力開発機構の加盟国のうち二十六の国と地域を対象とした平成十年のものであり、これらの国と地域の中学校段階の総授業時間に占める技術に関する教育の授業時間の割合の平均は、五パーセントである。
 二 総授業時間は、十二歳から十四歳の三年間の法令等で定められている授業時間の合計である。
 三 技術に関する教育の授業時間は、技術(情報技術を含む。)への入門指導、コンピュータ、建物・測量、電気、製図・設計、家庭科、キーボード・ワープロ技能及び工作・デザイン技術の授業時間である。ただし、ドイツについては、技術、宗教、職業技能及び古典語の授業時間である。
 四 授業時間が法令等で定められていないイングランド及びアメリカ合衆国については、抽出調査による。

別表第三

年度 昭和四五年度 昭和五〇年度 昭和五五年度 昭和六〇年度 平成二年度 平成七年度 平成一〇年度
国語
七、五五八
七、四二五
六、三三五
五、五四三
五、四七七
二、七〇四
一、七三七
社会
三、五六一
三、六四四
三、三五八
二、九二九
三、〇二四
一、九三五
一、四二八
数学
九、四二四
六、八〇八
六、〇一一
五、九〇五
五、七五九
三、三〇五
二、一七三
理科
三、六七〇
三、〇四四
二、二二〇
一、八二九
一、九五九
一、〇一四
六六四
音楽
二、六五三
一、九三七
一、五四六
一、四五四
一、二八二
五四二
三二九
美術
五、三一八
五、三〇五
五、二〇五
五、四七三
五、五二二
三、二三二
二、四三八
保健体育
九、六三四
八、一一八
六、三六二
五、八四三
五、一三〇
二、九二〇
二、〇七〇
保健
二、一五五
二、六二八
九七七
四三三
三二四
一〇四
二〇
技術
三、九〇〇
四、三五四
四、〇九七
五、〇五七
五、七三四
三、九三一
二、八三八
家庭
二、四一四
三、二〇四
三、七七二
四、四一四
四、九三二
三、三九二
二、七四四
外国語
三、八二一
二、九八七
二、五六四
二、一三七
二、一六四
一、六六六
八九〇
その他
二四八
七八
三五
四四
二六
三三
一四
備考
 一 その他は、職業、職業指導、職業実習及び宗教である。
 二 平成十一年度以降はいまだ集計していないことから、平成十年度の件数を示している。

別表第四

年度 昭和四五年度 昭和五〇年度 昭和五五年度 昭和六〇年度 平成二年度 平成七年度 平成一〇年度
国語
二一三
二三八
二一二
二九五
三五〇
二一八
一七〇
社会
一三一
二〇一
一九八
一九七
一七七
一七四
一四五
数学
三一九
三七三
三〇一
四九二
四六〇
四九四
三四九
理科
一五八
二二七
一八〇
一九八
二〇七
一八三
一八七
音楽
一〇六
一〇六
七九
一一七
九五
五八
三八
美術
一一四
九四
一〇八
一二六
二一四
一九三
一六八
保健体育
一八五
一七七
一三四
二〇五
二二六
一六一
一四六
保健
一六
一三
技術
一〇七
一五〇
一六七
二〇二
二三〇
一九一
二一四
家庭
一〇二
一三五
一三二
二〇四
三一一
二四三
二〇四
外国語
一六一
一二六
一二六
一六四
二三四
二二〇
一五二
その他
二四
三六
一四
一〇
一五
一五
一八
備考
 一 その他は、職業、職業指導、職業実習及び宗教である。
 二 平成十一年度以降はいまだ集計していないことから、平成十年度の件数を示している。

別表第五

事項 小学校 中学校 高等学校
工作、木工などものづくりに関する教育を行う特別非常勤講師の届出数 二五四
二〇六
三七四
全届出数に占める割合(パーセント) 一一・九 一二・八 七・八

別表第六

年度 予算額(千円)
平成七年度
一九、六九三
平成八年度
一九、八八一
平成九年度
九一、四二四
平成一〇年度
一二〇、六二〇
平成一一年度
一五七、四八一
備考 ものづくり教育に関するもの以外のものを含む。


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