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答弁本文情報

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平成十三年七月十日受領
答弁第一二一号

  内閣衆質一五一第一二一号
  平成十三年七月十日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 綿貫民輔 殿

衆議院議員辻元清美君提出内閣総理大臣の公的な資格での靖国神社への参拝等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員辻元清美君提出内閣総理大臣の公的な資格での靖国神社への参拝等に関する質問に対する答弁書



一について

 御指摘の質問主意書に対する答弁書等において「国民や遺族の多くが、靖国神社を我が国における戦没者追悼の中心的施設であるとし」ていると述べたのは、靖国神社に合祀されている先の大戦による戦没者が極めて多数に上っていること、各界・各層にわたる有識者によって構成された「閣僚の靖国神社参拝問題に関する懇談会」が昭和六十年八月九日に当時の藤波内閣官房長官に対して提出した報告書において「国民や遺族の多くは、戦後四十年に当たる今日まで、靖国神社を、その沿革や規模から見て、依然として我が国における戦没者追悼の中心的施設であるとして」いるとされていること等を踏まえてのものである。

二について

 政府としては、靖国神社を「我が国における戦没者追悼の中心的施設」であると位置付けているわけではない。

三について

 現在、小泉内閣総理大臣において、公的な資格で靖国神社への参拝を行うか否かについて、お尋ねのような点を含め、諸般の事情を総合的に考慮し慎重に検討しているところであると承知している。

四について

 極東国際軍事裁判所において被告人が極東国際軍事裁判所条例第五条第二項(a)に規定する平和に対する罪等を犯したとして有罪判決を受けたことは事実である。そして、政府としては、日本国との平和条約(昭和二十七年条約第五号。以下「平和条約」という。)第十一条により、極東国際軍事裁判所の裁判を受諾している。

五について

 平和条約第十一条は、前段の前半部分において、日本国が極東国際軍事裁判所等の裁判を受諾することを規定しており、これを前提として、その余の部分において、日本国において拘禁されている戦争犯罪人について日本国が刑の執行の任に当たること等を規定しているところである。

六について

 我が国の法律には「A級戦犯」という用語を用いた規定は存在しない。
 なお、昭和二十八年当時、平和条約第十一条による刑の執行及び赦免等に関する法律(昭和二十七年法律第百三号)に基づき、平和条約第十一条による極東国際軍事裁判所及びその他の連合国戦争犯罪法廷が刑を科した者について、その刑の執行が巣鴨刑務所において行われるとともに、当該刑を科せられた者に対する赦免、刑の軽減及び仮出所が行われていた事実はあるが、その刑は、我が国の国内法に基づいて言い渡された刑ではない。

七について

 内閣総理大臣の靖国神社への公的な資格での参拝は、専ら戦没者一般への追悼を目的としてそれにふさわしい方式等で行うものであるから、これを行うことが、御指摘のようないわゆるA級戦犯の名誉回復等につながるものではないと認識している。

八について

 いわゆる戦没者追悼施設には様々なものがあり、これらを一概に比較することは困難である。例えば、お尋ねのアメリカ合衆国(以下「米国」という。)のアーリントン墓地については戦没者等が埋葬された米国政府の施設であると承知しているところ、靖国神社については戦没者等を祭神として祭る宗教法人に属する施設であり、千鳥ヶ淵戦没者墓苑については遺族に引き渡すことができない戦没者の遺骨を納めるための国の施設であると理解しており、これらは同じ性格のものではないと認識している。
 靖国神社及び千鳥ヶ淵戦没者墓苑の性格については、右に述べたとおりであり、いずれもいわゆる戦没者追悼施設として重要なものとされていて、戦没者の追悼を行う上でいずれか一方がより適切なものであるとは言い難いと考えている。

九について

 昭和五十年五月のグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国エリザベス女王の来日の際に靖国神社参拝が予定されていた事実はない。
 また、米国ニクソン大統領にあっては、米国大統領在任中に訪日している事実はないと承知している。

十について

 昭和三十六年十二月にアルゼンティン共和国フロンディシ大統領が訪問している事例がある。

十一について

 「内政干渉」という用語は必ずしも一義的ではなく、また、お尋ねの批判の個別具体的な内容も明らかではないので、それが「内部干渉」に当たるか否かを一概に述べることは困難であると考えている。



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