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平成十三年十二月二十五日受領
答弁第四五号

  内閣衆質一五三第四五号
  平成十三年十二月二十五日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 綿貫民輔 殿

衆議院議員川田悦子君提出国内狂牛病三頭発生における問題と中間報告に対する肉骨粉などの狂牛病対策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員川田悦子君提出国内狂牛病三頭発生における問題と中間報告に対する肉骨粉などの狂牛病対策に関する質問に対する答弁書



一について

 農林水産省においては、牛用飼料のほか豚・鶏用等の飼料も製造している配合飼料工場において牛用飼料へ豚・鶏用等の飼料が現実に混入する危険性は低いものと考えていたが、欧州において牛海綿状脳症の発生が拡大したこと等を踏まえ、本年六月に反すう動物用飼料への反すう動物等由来のたん白質の混入防止に関する管理方針を定めたガイドラインを作成し、配合飼料の製造業者に対し混入防止の指導を行ってきたところである。そして、独立行政法人肥飼料検査所(以下「肥飼料検査所」という。)が同ガイドラインの実施状況を確認するため、全国の配合飼料の製造業者に対して、報告を徴取するほか、その職員に立入検査を行わせてきたところである。

二及び三について

 本年八月以前においては、我が国では牛海綿状脳症の発生がなかったこと、平成八年三月から指定検疫物に係る輸入検疫証明書の交付をしないこととする措置により牛海綿状脳症の発生国である英国からの肉骨粉の輸入を停止していたこと及び牛用飼料への肉骨粉の使用がほとんどなかったことから、国内における肉骨粉が含まれる牛用飼料の製造、流通及び使用については、法的規制によらず行政指導で対応していた。また、欧州連合の加盟国のうち牛海綿状脳症の発生の事実がある国で製造される肉骨粉については、昨年までは国際獣疫事務局の基準と同等の又はそれ以上に厳しい加熱処理条件を満たしたもののみ輸入を認めてきたところであるが、これは防疫上有効な対応措置であると考えられていたためである。

四について

 牛海綿状脳症の患畜の確認以降、農林水産省と厚生労働省は、連携して、と畜場でとさつし、解体するすべての牛を対象とした牛海綿状脳症の検査を行うことにより、安全性が確認された牛肉だけがと畜場から出回る体制を確立したところであり、また、現在、生産者、関係業者等牛海綿状脳症の発生によりその経営に影響を受けた者等に対する支援措置を講じているほか、引き続き牛海綿状脳症の感染経路の究明等に努めているところである。政府としては、今後とも、食肉等の安全性の確保等について全力を挙げて取り組むことが、何よりも重要であると考えている。

五について

 お尋ねのイタリアからの肉骨粉の輸入については、現地調査において適切な加熱処理がされずに輸入された可能性があることが判明したことから、現在、その具体的な加熱処理方法について引き続き調査中である。
 また、牛海綿状脳症に感染した牛の脳材料を実験的に豚や鶏に経口投与しても牛海綿状脳症の感染が認められなかったこと、豚や鶏では異常プリオンにより起こるプリオン病が確認された報告がないこと等が世界保健機関から報告されている。また、フランスの原子力委員会の研究によると、魚にはプリオンがないか、仮にあるとしてもほ乳類のものと異なるためプリオン病に感染することがないと聞いているところである。
 このため、豚、鶏及び魚を動物用飼料として牛に給与したとしても牛海綿状脳症に感染しないと考えているところであるが、消費者の不安を解消するため、飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律(昭和二十八年法律第三十五号。以下「飼料安全法」という。)第二条の二第一項の規定に基づく飼料及び飼料添加物の成分規格等に関する省令(昭和五十一年農林省令第三十五号。以下「成分規格等省令」という。)を本年十月十五日に改正し、ほ乳動物、家きん等に由来するたん白質を飼料として使用することを禁止したところである。
 しかしながら、生産者、飼料の製造業者、消費者、学識経験者等からなる「BSE対策検討会」における意見を踏まえて、十一月一日に成分規格等省令を改正し、肥飼料検査所の職員による立入検査を実施して、製造工程が分離され牛由来の肉骨粉の混入の防止が確保されていると確認された工場に限り、豚又は鶏に由来する血液製品、チキンミール等を豚・鶏用等の飼料として使用すること等を認めたところである。また、ペットフードについては、豚又は鶏に由来する肉骨粉等に限り使用すること等を、肥料については、豚又は鶏に由来する肉骨粉等と国内に保管されている牛由来を含む肉骨粉等のうち一定の条件で蒸製したものに限り使用すること等を指導しているところである。

六について

 お尋ねの死亡牛の検査については、「牛海綿状脳症検査対応マニュアル」(平成十三年十月十八日付け農林水産省生産局畜産部長通知。以下「マニュアル」という。)に沿って、中枢神経症状を示して死亡したすべての牛及び二十四月齢以上の死亡牛のうち年間四千五百頭を対象として、都道府県の家畜保健衛生所において牛海綿状脳症検査を実施しているところである。なお、検査終了後の死亡牛については、都道府県の家畜保健衛生所等において焼却されているところである。
 今後、死亡牛の検査頭数の増加に向けて取り組むこととしており、現在、検査体制の在り方等について都道府県等とともに検討を進めているところである。
 また、現在、マニュアルに沿った検査対象牛以外の死亡牛についても、直接に焼却され又はレンダリング処理後に肉骨粉として焼却されており、飼料原料として出回ることはない。

七について

 今回の牛海綿状脳症の発生を踏まえ、本年十月十八日から、と畜場でとさつし、解体するすべての牛を対象とした牛海綿状脳症の検査を行うことにより、安全性が確認された牛肉だけがと畜場から出回る体制を確立するとともに、すべての国から肉骨粉の輸入を停止し、動物由来たん白質を飼料として製造及び出荷することを成分規格等省令の改正により禁止する等、牛海綿状脳症の感染経路を遮断する体制を整備したところである。さらに、食肉等の一層の安全性の確保を図る観点から、農場段階での監視のための検査体制の強化、牛の個体識別番号の導入等を支援しているところである。
 また、畜産農家の経営の安定を図る観点から、肉用牛生産農家等への緊急融資、肉用牛肥育農家の大幅な収益の悪化を機動的に補てんするための措置、牛肉価格の安定のための調整保管等の措置を講じているところである。
 今後とも、国民に対して迅速かつ的確な情報提供等を行うとともに、畜産農家の経営の安定等を図ってまいりたい。

八について

 本年十一月二十一日、衆議院決算行政監視委員会において、農林水産省生産局畜産部長の答弁で示した高橋委員の同僚とは、日本大学生物資源科学部助教授早川治氏である。
 農林水産省において同氏に事実関係を確認したところによると、平成四年二月に社団法人日本畜産副産物協会主催の研修会において、「欧米における畜産副生物需給の状況」と題する講演を行い、当時の最新の牛海綿状脳症に関する知見を説明するとともに、動物検疫の強化の必要性についても提案したとのことである。そして、その講演の翌日に、農林水産省動物検疫所所長(以下「動物検疫所所長」という。)と名乗る者から、「牛海綿状脳症は、原因も分からないし、治療法もなく、牛海綿状脳症問題について話すことは社会的な反響が大きいので、しばらく話さない方が良い。」と電話で連絡があったとのことである。
 一方、当時の動物検疫所所長によれば、「同研修会に出席したことはなく、また、そのような電話をした記憶も全くない。」とのことであり、主催者である社団法人日本畜産副産物協会の説明によれば、「農林水産省動物検疫所には、出席の案内を出しておらず、動物検疫所所長は出席していない。」とのことである。
 なお、早川氏によれば、「動物検疫所所長と名乗る者からの電話については、圧力を受けたとの認識はなく、そのような考えもあるのかと思った程度の認識であった。」とのことである。

九について

 本年十二月二日に開催された「牛海綿状脳症の検査に係る専門家会議」において、牛海綿状脳症の感染性等に関する科学的データを我が国においても蓄積することが重要であるとの観点から、牛海綿状脳症にり患した牛の脳、眼、せき髄及び回腸遠位部を含む部位の一部を研究用材料として使用できないかという意見があった。
 これを受けて、厚生労働省においては、我が国における牛海綿状脳症に関する知見を得、今後の牛海綿状脳症対策に資するため、「牛に係る学術研究用材料の取扱いについて」(平成十三年十二月十四日付け食発第三百七十四号厚生労働省医薬局食品保健部長通知)により、本年度は、「牛海綿状脳症(BSE)に係る研究」(平成十三年度厚生科学研究特別研究事業)によって行われる研究に限り、当該部位を研究用材料として使用しても差し支えない旨を示したところである。本研究の研究期間は平成十四年三月末日までとされており、その研究成果については研究年度の終了後に報告書により厚生労働省に提出される予定であり、当該報告書は公開することとしている。また、本研究において使用する場合の研究用材料の使用の申請、保管、研究終了後の焼却の確認等に係る手続については、同通知において示したところであり、使用された部位の管理に万全を期しているところである。

十について

 欧州連合の統計によれば、千九百九十年以降、英国から三百三十三トンの肉骨粉が我が国に輸出されたとの記録があったが、我が国の貿易統計等では輸入実績がないため、英国政府に対し、統計の再精査を依頼するとともに、英国政府の担当部局と協議を行わせるため、農林水産省の担当官を英国に派遣したところである。その結果、英国から我が国に対して輸出されたとされる肉骨粉の三百三十三トンについては、我が国に輸出されたものは百六十六トンであり、そのうち百三十二トンについては、フェザーミール(羽毛粉)、鶏の臓器及び血液を成分とする飼料であることが明らかとなり、残りの三十四トンについては、家きんのミール等ほ乳類由来以外のものである可能性が高いとの回答を、英国政府から得たところである。
 さらに、三百三十三トンと百六十六トンとの差である百六十七トンについて、英国政府に改めて再精査を依頼したところ、先般、千九百九十一年の六十二・四トン及び千九百九十四年の四十三トンについてはインドネシア向けに輸出された家きんのミールであったこと、千九百九十二年の二十九・五トン、千九百九十三年の十一・一二トン及び千九百九十四年の二十一トンについては我が国向けに輸出された家きんのミールであったこと等の回答を、英国政府から得たところである。

十一について

 肉骨粉を摂取したとされる牛の頭数は、本年九月十二日から都道府県の家畜保健衛生所の職員が緊急に行った管内のすべての牛飼養農家に対する飼養牛全頭を対象とした牛海綿状脳症に関する聞き取り調査の結果に基づき、農林水産省が集計したものである。
 魚粉については、全国の飼料用の魚粉製造業者に対して肥飼料検査所の職員が飼料安全法に基づく立入検査を実施し、原料帳簿等を確認してきたところであるが、魚粉製造段階で肉骨粉を原料として使用していた事例は確認されなかった。また、本年十月十五日以降は、成分規格等省令に基づき、製造工程が分離され、動物由来の肉骨粉の混入の防止が確保されている工場の製造に係る魚粉に限って飼料として使用すること等を認めているところである。
 なお、飼料に用いられる魚粉は、そのたん白量を調整している場合に一般に「調製魚粉」と呼ばれているものと承知しているが、動物由来の肉骨粉を用いて調製された魚粉を牛用飼料に使用することは認められていないところであり、現在、牛用飼料への肉骨粉の混入防止の徹底を図るため、肥飼料検査所が魚粉製造業者に対して改めて立入検査を実施しているところである。
 また、平成十二年度において、肉骨粉は国内で約四十万トンが生産されていると推計され、一方、我が国の貿易統計によれば約十七万トンが輸入されている。さらに、配合飼料の製造業者からの聞き取り調査によれば、肉骨粉は、同年度において、配合飼料用には四十一万九千トン程度利用され、このうち鶏用配合飼料に三十三万五千トン、豚用配合飼料に八万三千トン、その他の配合飼料に六百トン程度利用されており、牛用配合飼料には利用されていない。なお、牛由来の肉骨粉が補助飼料等として、極わずかではあるが農家において使用されていたことが確認されているが、このことから牛に与えられた肉骨粉の総量を推計することは困難である。

十二について

 我が国では厚生労働省において、牛由来原材料を使用して製造又は加工された食品については、業界団体を通じ、その製造者及び加工者に対し、十二月齢以上の牛の脳、眼及びせき髄並びにすべての牛の回腸遠位部(以下「特定危険部位」という。)の使用又は混入の有無の自主点検並びに特定危険部位の使用又は混入が認められた場合等の当該加工食品の販売中止等の指導の措置を講じたところである。
 なお、乳については、国際獣疫事務局の基準に照らし、牛海綿状脳症に関し安全性には問題がないものと考えている。



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