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平成十四年五月十日受領
答弁第五〇号

  内閣衆質一五四第五〇号
  平成十四年五月十日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 綿貫民輔 殿

衆議院議員小沢和秋君外一名提出九州新幹線工事と第三セクター経営に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員小沢和秋君外一名提出九州新幹線工事と第三セクター経営に関する質問に対する答弁書



一について

 整備新幹線の並行在来線については、従来から、新幹線の開業時に旅客鉄道株式会社(以下「JR」という。)の経営から分離することとされており、その具体的な分離区間については、全国新幹線鉄道整備法(昭和四十五年法律第七十一号。以下「法」という。)に基づく新幹線の工事実施計画の認可前に、新幹線沿線の地方公共団体とJRとが合意した上で確定されているところである。
 お尋ねの九州新幹線(鹿児島ルート)新八代・西鹿児島間の並行在来線については、当該区間に係る法に基づく工事実施計画の認可前に、熊本県、鹿児島県及び九州旅客鉄道株式会社(以下「JR九州」という。)の三者間において、JR九州から経営を分離する区間等並行在来線の取扱いについて十分に協議した結果、鹿児島線八代・川内間をJR九州の経営から分離し、両県が中心となって設立する第三セクターにより運営することについて、合意がなされたものと承知している。

二について

 御指摘の経過については、平成十三年四月に公表された熊本県及び鹿児島県が独自に行った収支試算では、鹿児島線八代・川内間を引き継ぐこととされる第三セクターは将来にわたって赤字となる見通しとされたが、国土交通省から両県に対し、JR九州からの支援措置を含めた収支試算に係る助言を行ったところ、同年八月、鹿児島県がこの助言を考慮して再度収支試算を行い、その結果について鹿児島市を含めた関係市町に対し十分に説明を行った結果、同年十一月、第三セクターによる同区間における鉄道の維持の方針が決定されるに至ったものと承知している。

三について

 総務省(旧自治省)では、地方公共団体に対し平成十一年五月に「第三セクターに関する指針」を通知し、第三セクターの事業や公的関与の内容について、積極的な情報開示に努める必要があることを示して適切な対処を要請しているところである。
 鹿児島線八代・川内間の第三セクターによる運営については、熊本県及び鹿児島県が中心となって対処すべき問題であり、今後、第三セクターの設立に当たり、同指針に沿って両県において適切に情報公開がなされるものと考えている。

四及び五について

 お尋ねの収支試算の方法については、国土交通省から熊本県及び鹿児島県に対し助言を行った経緯はあるが、御指摘の「当初」の試算は両県が独自に行ったものであり、両県が「なぜ当初の試算で、実態調査による計算を採用しなかったのか」、「なぜ当初からこの仕組みにしなかったのか」については、承知していない。

六から八までについて

 鹿児島県が再度行った収支試算においては、開業後十年間はJR九州から第三セクターに出向する職員を八十一名とし、当該職員に対する人件費について、第三セクターの負担額を一人当たり年間二百五十万円とすることとしていると承知しているが、JR九州の具体的な負担額については承知していない。また、当該収支試算において、開業後十一年目以降は、JR九州による支援を考慮していないため、赤字になると承知している。いずれにしても、開業十一年目以降の具体的な運営要員の確保及び人件費負担などの収支予測については、今後、熊本県及び鹿児島県において適切に検討がなされるものと考えている。
 なお、減価償却の取扱いについても、今後、両県において第三セクターの経営計画全体の中で適切に検討がなされるものと考えている。

九について

 JR九州は、旧日本国有鉄道と異なり、民営化された株式会社であることから、国がJR九州に対して、その資産の無償譲渡を求めることは適切ではないと考えられる。
 なお、整備新幹線の並行在来線を第三セクターにより運営する場合には、JRから第三セクターへ譲渡される鉄道の用に供される資産について、固定資産税等で税制上の優遇措置が講ぜられている。

十について

 出水市及び川内市における新幹線駅の建設に伴う駅前広場や周辺の道路の整備については、JR九州が費用の一部を負担することとなっているものと承知しており、また、国は地元地方公共団体の要望に基づき国庫補助事業によりこれらの整備を支援しているところである。

十一について

 新幹線建設のトンネル工事に伴う渇水による地域住民の生活環境に係る損害に対し、日本鉄道建設公団(以下「公団」という。)は、他の公共事業の場合と同様に、「公共事業に係る工事の施行に起因する水枯渇等により生ずる損害等に係る事務処理について」(昭和五十九年九月十九日中央用地対策連絡協議会理事会決定)により、井戸等水利施設の新設及び改造に要する費用や維持管理費の増加分等を負担することとしている。このうち、維持管理費の増加分については、費用負担対象期間(おおむね十五年間)における各年の維持管理費の増加分につき、過去一定期間の金利水準を考慮して複利現価法によって割り引いて得られた額の合計額を最初の年に一括して支払うこととしており、費用負担対象期間における維持管理費に係る財源は確保されるものと考えている。
 なお、新幹線建設工事に係る損失に対する費用負担については、建設主体である公団が行うこととなっており、地方公共団体が別途費用負担する仕組みにはなっていないことから、地方交付税措置を講ずることは困難である。

十二について

 新幹線鉄道の列車の走行に伴う騒音及び振動については、公団及びJR九州において、防音壁の設置やバラストマットの敷設等の騒音・振動対策を実施しているところである。
 お尋ねの新幹線沿線地域の側道や緑地・公園の整備については、公団及びJR九州が騒音・振動対策として行うことは困難であるが、地方公共団体等において、必要に応じ検討されることとなるものと考えている。なお、これらの整備については、土地区画整理事業、都市公園事業等において、それぞれ補助制度が設けられている。

十三及び十四について

 九州新幹線(長崎ルート)については、現在、武雄温泉・長崎間について公団から法に基づく工事実施計画の認可の申請がなされた段階であり、今後、着工するまでの間に、「整備新幹線の取扱いについて」(平成十二年十二月十八日政府・与党申合せ)に基づき、その収支採算性、投資効果等の検証を行うとともに、並行在来線の経営分離についての沿線地方公共団体の同意の取付けの確認を行うこととしている。

十五について

 長崎県の広報誌「ながさき情報通信」(平成十四年三月一日号)に掲載された九州新幹線(長崎ルート)の利用予測の根拠については承知していないが、十三及び十四についてで述べたとおり、収支採算性、投資効果等の検証は、今後、着工するまでの間に検討すべき問題と考えている。



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