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平成十四年八月二十七日受領
答弁第一五七号

  内閣衆質一五四第一五七号
  平成十四年八月二十七日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 綿貫民輔 殿

衆議院議員小沢和秋君外一名提出諫早湾干拓事業の開門調査に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員小沢和秋君外一名提出諫早湾干拓事業の開門調査に関する再質問に対する答弁書



(一)について

 国営諫早湾土地改良事業(以下「本事業」という。)については、環境への一層の配慮を盛り込んだ見直し後の事業計画に沿って、工事を円滑に実施することにより、平成十八年度中に完了するよう、その推進を図ることとしている。そして、本年六月には、土地改良法(昭和二十四年法律第百九十五号)に基づく土地改良事業計画(以下「事業計画」という。)の変更手続を了したところである。
 他方、農林水産省有明海ノリ不作等対策関係調査検討委員会(以下「委員会」という。)から昨年十二月十九日に「諫早湾干拓地排水門の開門調査に関する見解」(以下「見解」という。)が発表され、そこでは本事業が有明海の環境に影響を及ぼしていると指摘されている水質浄化機能の喪失等六事項を挙げ、これらが開門調査で検証できるかどうかについてまとめた上で、有明海の環境悪化の原因についての情報を得る手段の一つとしての開門調査の進め方についての考え方が示されたが、見解を受けての対応については、行政において総合的に判断すべきものと考えている。
 農林水産省においては、見解の趣旨等を踏まえ、有明海の再生に向けた総合的な調査の一環として、短期の開門調査を含む開門総合調査を行っているところであり、これにより本事業による有明海の環境への影響をできる限り量的に把握することとしている。

(二)について

 お尋ねの長期調査の実施については、現在進められている有明海を再生するための新法制定の動き、短期の開門調査で得られた成果及び当該調査自体による影響、その他の有明海の環境改善のための各種調査の動向、ノリ作期との関係等の観点を踏まえ総合的な検討を行った上で、新たに平成十四年度中に設ける有明海の再生方策を総合的に検討する場での議論を経て、今後、農林水産省において判断することとしており、現時点で本事業との関連については、お答えできない。

(三)について

 開門総合調査については、排水門を開けることによって生ずる被害を防止するための有効な対策を講ずることができること、早期に成果を得るという観点からみて適切な調査手法であること及び有明海の環境に影響を及ぼしているとされる様々な要因の調査と連携が保てることの三つの要件を満たす方法として、短期の開門調査、諫早干潟に類似した現存干潟における実証調査及びこれらの調査により得られた情報も活用したコンピュータによる解析調査の三つの手法を総合的に組み合わせた手法を採用している。
 農林水産省としては、この開門総合調査を通じて本事業による有明海の環境への影響をできる限り量的に把握することとしている。
 中・長期の開門調査の実施については、(二)についてで述べたとおり、総合的な検討を行った上で、新たに平成十四年度中に設ける有明海の再生方策を総合的に検討する場での議論を経て、農林水産省において判断することとしている。

(四)について

 中・長期の開門調査の実施については、(二)についてで述べたとおり、総合的な検討を行った上で、新たに平成十四年度中に設ける有明海の再生方策を総合的に検討する場での議論を経て、農林水産省において判断することとしていることから、有明海及び八代海における環境の保全及び改善並びに水産資源の回復を目的としている新法制定の動きについても踏まえていく必要があると考えている。
 また、お尋ねの有明海の環境改善のための各種調査については、有明海の生物生息環境の解明や海象メカニズムの分析等を目的とした総合的な調査を関係各県及び関係省庁がそれぞれ相互に連携を図りつつ実施しているところであり、これらの結果は、開門総合調査の結果と併せて、有明海の再生方策を総合的に検討する場に供していくこととしている。
 なお、委員会には、開門総合調査の結果を報告することとしている。

(五)について

 本年四月十五日の農林水産大臣と長崎県知事、長崎県議会議長、長崎県漁業協同組合連合会会長、佐賀県有明海漁業協同組合連合会会長、福岡県有明海漁業協同組合連合会会長、熊本県漁業協同組合連合会会長等との会談において、「短期の開門調査を実施し、平成十八年度に事業を完了させる」との農林水産省の方針について理解が示され、現在、この方針に沿って、開門総合調査を実施するとともに、本事業については、変更後の事業計画に沿って、その推進に努めているところである。
 なお、農林水産省においては、本事業について相互の理解を深める観点から、秩序ある要請の申入れに対しては、適切に対応してきている。

(六)について

 本事業の洪水に対する防災機能は、潮受堤防で諫早湾の一部を締め切り、調整池の水位を標高マイナス一メートルとなるよう管理することにより発揮されるものであり、伊勢湾台風級の台風による高潮と諫早大水害級の洪水が本事業の実施地区周辺で同時に発生した場合においても、潮汐の直接的な影響を受けることなく河川、排水路等からの排水を安全に流下させることが可能となるものである。
 大雨時には、調整池の水が背後地に逆流する可能性があるが、既設樋門の適切な操作・管理等によりこれを制御できるものであり、また、潮受堤防の締切り以降は、大雨時でも洪水被害の軽減が図られるなど、既に本事業の防災機能が発揮されており、防災上の欠陥があるとは考えていない。
 御指摘の報道は、短期の開門調査を行うに当たって、農林水産省が長崎県等に対して説明した内容を指すものと考えるが、これは、塩水化した調整池の水位が降雨時に一時的に上昇した場合、フラップゲートが故障している樋門においては潮遊池等に塩水が逆流し、これらの施設から取水している農地に塩害が発生するおそれがあるため、これを防止するためのフラップゲートの補修などの対策を行う必要があることを説明したものである。短期の開門調査に当たっては、塩水が潮遊池等に浸入することのないよう樋門ごとに万全な対策を講じた結果、塩害が発生することなく、海水導入を終了することができたところである。

(七)について

 諫早湾周辺地域は、極端な低平地であることから、これまで幾度となく高潮・洪水の被害を受け、また潮汐の影響及び既存堤防の排水樋門の前面におけるガタ土の堆積によるミオ筋(流路)の埋没によって円滑な排水に支障が生じていた。
 このため、本事業は、潮受堤防で諫早湾の一部を締め切り、内部堤防との間に設ける調整池の水位を標高マイナス一メートルとなるよう管理することにより、高潮、洪水、常時の排水不良等に対する防災機能を強化することを目的に実施しているものであり、潮汐の直接的な影響を受けなくなるとともに、既存堤防の排水樋門の前面におけるガタ土の堆積が解消され、ミオ筋の確保が容易となったことから、既に防災機能が発揮されて、湛水に関しても地元から、その程度が大幅に軽減されたと高い評価を得ているところである。
 また、諫早湾干拓事業の見直しと「防災」機能等に関する質問に対する答弁書(平成十三年十二月七日内閣衆質一五三第二一号)(六)についてにおいては、諫早湾周辺低平地における排水不良対策を一層強化するためには、本事業の防災機能を前提として、今後とも関係機関が連携を図りながら、調整池への排水が円滑に行われるよう排水路の整備等を順次実施していく必要があることを述べたものであり、本事業の果たすべき防災機能についての見解は変わっていない。



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