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答弁本文情報

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平成十四年九月十日受領
答弁第一六六号

  内閣衆質一五四第一六六号
  平成十四年九月十日
内閣総理大臣臨時代理     
国務大臣 福田康夫

       衆議院議長 綿貫民輔 殿

衆議院議員北川れん子君提出青森県六ヶ所村を国際熱核融合実験炉(ITER)の候補地とする政府決定に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員北川れん子君提出青森県六ヶ所村を国際熱核融合実験炉(ITER)の候補地とする政府決定に関する質問に対する答弁書



一の(一)について

 原子力発電から発生する使用済燃料の再処理やプルトニウム利用に関する考え方は、それぞれの国又は地域のエネルギー情勢を取り巻く経済的、社会的な事情等により異なっており、現在、フランス、ロシア等においては、使用済燃料の再処理やプルトニウム利用を行っている。エネルギー資源に乏しい我が国では、原子力発電のエネルギー供給システムに対する貢献を一層確かなものにするため、使用済燃料を再処理し、回収されるプルトニウム、ウラン等を有効に利用していくことを基本的な考え方としており、このため、諸外国における使用済燃料の再処理やプルトニウム利用に関する考え方等を踏まえつつ、技術的知見を有する国等と、原子力研究開発機関間の国際共同研究等の国際協力を適切に進めていくこととしている。

一の(二)について

 青森県六ヶ所村にある日本原燃株式会社の再処理施設の安全性については、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号。以下「原子炉等規制法」という。)第四十四条第一項の規定により再処理事業の事業指定を行う際に、原子力安全委員会が定めた再処理施設安全審査指針に照らし、再処理施設の基本的な設計において多重防護の考え方が適切に採用され、所要の安全確保対策が講じられていること、なお念のために異常事象が発生した場合を想定し、その場合における一般公衆への影響が適切に評価されていること等を確認している。具体的には、火災、爆発等の各種異常事象のうち一般公衆の放射線被ばくが最大となる臨界事象においても、その評価値は約〇・五七ミリシーベルトであって、一般公衆の著しい放射線被ばくのリスクの有無を判断する上での目安とされている五ミリシーベルトを下回っていることを確認しており、再処理施設が試運転を開始した後においても安全規制等に万全を期することとしている。また、再処理事業に要する資金の確保や放射性廃棄物の対策については、事業者が自らの責任において行うことが原則であると考えている。
 国際熱核融合実験炉(以下「ITER」という。)により核融合エネルギーの科学的及び技術的実現可能性の実証を行う計画(以下「ITER計画」という。)では、詳細な工学設計を行うとともに、主要な機器については実機大の試作を行うなどしており、建設コストの見積りを行っている。また、ITERから発生する低レベル放射性廃棄物は、「RI・研究所等廃棄物処理処分の基本的考え方について」(平成十年五月二十八日原子力委員会原子力バックエンド対策専門部会報告書)等に示された方針に基づいて、現在の技術によって処分することが可能であると考えている。

二の(一)について

 「ITERの安全規制のあり方について」(平成十四年六月三日原子力安全委員会決定)においては、核融合反応が、核分裂のような連鎖反応ではなく、プラズマの粒子密度や圧力の限界を超えたり不純物が混入したりすると反応が終息する性質があり、核的暴走の危険がないことや、反応生成物として核分裂生成物のような高放射性物質が生まれないため放射性物質の崩壊熱の密度は小さいことなどを考慮して、ITERの安全確保を考えるに当たって、原子力災害対策特別措置法(平成十一年法律第百五十六号)第二条第一号に規定する原子力災害のような事態を想定する必要はないと考えるとしたものである。
 いずれにせよ原子力安全委員会は、ITERに係る事故等に関する検討を十分に行い、前述の決定に至ったものであり、従来の政府の考え方を覆すものではない。

二の(二)について

 ITERに係る安全確保については、「ITER最終設計報告書」(平成十三年七月ITER理事会承認)に載せられている事例についても参考の上、トリチウムが環境中に放出される場合の影響等についての評価・検討を行っているが、放射性物質を除去又は低減する影響緩和施設の機能の維持等その具体的な内容については、今後詳細に評価・検討することとしている。

二の(三)について

 ITERに係る安全確保の具体的内容については、航空機がITERの建屋に墜落又は激突した場合における技術的な安全性の考慮も含めて、ITERの立地場所の状況等に応じ、今後詳細に評価・検討されるものと考えている。

二の(四)について

 日本原燃株式会社の再処理施設については、原子炉等規制法等に基づく安全審査により、技術的見地からは起こるとは考えられない事故の発生を仮想しても、使用済燃料等による災害の防止上支障がないものであると確認したものであるため、厳正に安全確保が図られているところであり、ITERの候補地の検討に当たっては、この点を考慮した。
 なお、EPZは、万一に備え、原子力施設において異常事態が発生した場合を仮定し、その影響の及ぶ可能性のある範囲を技術的見地から十分な余裕を持たせつつ、あらかじめ防災対策を重点的に充実すべき地域の範囲として定めるものであるが、その目安を原子力安全委員会が示しているものである。

三の(一)について

 文部科学省においては、ITERサイト適地調査専門家会合を開催し、ITER誘致候補地それぞれについて、地質構造及び過去の地震の発生状況等について評価を行ったところである。その結果、青森県六ヶ所村の調査地点では、@地盤の支持力については、第三紀岩盤(鷹架層)に岩着支持や杭基礎支持が可能であることから、サイト条件における長期面圧を十分な裕度をもって充足できると判断される、A地震に対する地盤安定性については、支持地盤が第三紀岩盤であり、過去の地震記録に基づくと震度五を大きく上回る大きな地震の発生する可能性は小さく、付近に顕著な活断層も発見されていないことから、想定される地震動に対して地盤安定性は十分に確保できると判断される、と評価している。

三の(二)について

 ITERから発生する低レベル放射性廃棄物の処分場については、青森県は県内で当該放射性廃棄物の処分を行うとしているが、その場所は現段階では未定である。

三の(三)について

 ITERに係る安全確保の具体的内容については、地震が発生した場合における技術的な安全性の考慮も含めて、今後詳細に評価・検討されるものと考えている。

四の(一)について

 長寿命核種を含む放射性廃棄物の処分費用については、現在政府間において協議中である。

四の(二)について

 約七千億円との額は、平成十二年に行われた非公式政府間協議における考え方に基づき我が国にITERを誘致する場合の試算であり、実際のITER計画における費用負担は今後の政府間協議により決定する。
 この試算には、国が行うこととされているサイト整備に係る費用は含まれているが、ITER施設までの送電線の整備に係る費用等ITERの誘致を希望した青森県が負担を提案した費用については含まれていない。

四の(三)について

 ITER計画については、政府全体でその推進に取り組むとともに、所要経費については、「科学技術基本計画」(平成十三年三月三十日閣議決定)を踏まえつつ、他の科学技術上の重要政策に影響を及ぼすことがないよう、既存の施策の重点化、効率化を図り、原子力分野の予算の範囲内で確保することとしている。

五の(一)について

 総合科学技術会議は、「ITERの安全確保について」(平成十三年八月六日原子力安全委員会決定)において「安全を確保することは技術的に可能と判断できる」とされていること及び放射性廃棄物の処理等の過程において費用負担や管理責任等が生じることを勘案した上で、「国際熱核融合実験炉(ITER)計画について」(平成十四年五月二十九日総合科学技術会議決定)において、ITERを誘致する場合には、「安全性の確保と放射化物の処理について、周辺住民への説明や放射化物の処理費用の必要十分な積立ても含め、十全に対応すること」に留意する必要があるとした。ITERの誘致に関する「国際熱核融合実験炉(ITER)計画について」(平成十四年五月三十一日閣議了解)は、これを踏まえたものである。

五の(二)について

 ITER計画に関して不測の事態が生じた場合における費用の負担等については、現在政府間において協議中である。

五の(三)について

 一の(二)についてで述べたとおり、ITERから発生する低レベル放射性廃棄物については、「RI・研究所等廃棄物処理処分の基本的考え方について」等に示された方針に基づいて、現在の技術によって適切に処分することができるものと考えている。



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