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答弁本文情報

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平成十四年八月二十七日受領
答弁第一六九号

  内閣衆質一五四第一六九号
  平成十四年八月二十七日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 綿貫民輔 殿

衆議院議員北川れん子君提出内閣府企画による小冊子及びビデオ「ハンセン病を知っていますか?」に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員北川れん子君提出内閣府企画による小冊子及びビデオ「ハンセン病を知っていますか?」に関する質問に対する答弁書



一について

 ハンセン病は古くから差別や偏見の対象とされ、現在でもいまだハンセン病の患者及び元患者(以下「ハンセン病患者等」という。)に対する社会的な差別や偏見が存在していることから、ハンセン病患者等に対する差別や偏見を取り除くことを目的に、様々な方法により幅広く広報や啓発を行ってきている。
 お尋ねの小冊子(以下「小冊子」という。)及びお尋ねのビデオ(以下「ビデオ」という。)(以下「小冊子等」と総称する。)についても、このための啓発資料の一つとして制作したものであり、ハンセン病患者等に対する差別や偏見を取り除くためには、国民が正しい知識を持つことが有効であることから、ハンセン病の医学的又は歴史的な側面について説明することとしたものである。

二について

 小冊子等は、広く国民一般を対象として企画し、制作したものである。

三から五までについて

 小冊子を四万七千五百五部、ビデオを二千二百十五部制作し、都道府県及び市区町村の広報主管課及び疾病対策主管課、全国の公立図書館等に配布したが、これに要した経費は約一千五百万円である。
 これら以外に社団法人日本広報協会が独自に販売しているものについては、主に保健所が購入していると承知している。

六について

 お尋ねの「重大な法律上の問題点」とは、平成十三年五月二十五日に発表した政府声明及び「ハンセン病問題の早期かつ全面的解決に向けての内閣総理大臣談話」(以下「総理大臣談話」という。)の中で述べているとおり、同月十一日熊本地方裁判所判決(「らい予防法」違憲国家賠償請求事件)に、国家賠償法(昭和二十二年法律第百二十五号)及び民法(明治二十九年法律第八十九号)の解釈の根幹にかかわる法律上の問題点があることである。
 また、これを小冊子に記述していないのは、ハンセン病の医学的又は歴史的な側面について説明するという小冊子の制作の趣旨になじまないと判断したためである。
 なお、前述の問題点については、政府広報に総理大臣談話を掲載し、広く国民に対して広報しているところである。

七から九までについて

 御指摘の事項について小冊子又はビデオで説明していないのは、ハンセン病の医学的又は歴史的な側面について説明するという小冊子等の制作の趣旨になじまないと判断したためである。
 なお、政府としては、国の政策の誤りによってハンセン病患者等に苦難と苦痛を与えたことに対して謝罪するとともに、政府広報等により、広く国民に対してその旨を広報しているところである。

十について

 お尋ねの説明は、ハンセン病が遺伝病ではなく、極めて感染力の弱い感染症で感染する機会も少ないことを述べているものであり、国民のハンセン病についての誤った知識に基づく誤解を解消するために必要なものであることから、説明を改める必要はないと考えている。

十一について

 お尋ねの記述については、我が国に限らず他の国においても、ハンセン病が流行疾病の一種としか考えられておらず、ハンセン病患者等を隔離する方法が採られた時期が過去にあり、そうした時期を「当時」と述べたものであると理解しており、我が国の隔離政策を正当化する趣旨のものではないことから、当該記述を改める必要はないと考えている。
 また、ハンセン病患者等に対する隔離政策が続けられた原因などについては、多方面から科学的かつ歴史的に検証を行うために、検証会議を設置することとしており、その中で明らかにされるものと考えている。

十二について

 お尋ねの説明は、現在のハンセン病の治療方法が、WHO(世界保健機関)の提唱もあって、複数の治療薬を組み合わせた多剤併用療法が主流であること及びハンセン病は有効な治療薬を一定期間服用することにより外来治療でも治癒する病気になったことを、単に事実として説明したものであり、誤りはないと考えている。
 また、当該説明は現在の状況について説明したものであること及び御指摘の日本らい学会の見解(以下「見解」という。)も、有効な治療薬が無かった時代には、外来治療か否かを問わず、ハンセン病を効果的に治療できる方法がなかったことを否定するものではないと考えられることから、当該説明と見解は矛盾するものではないと考えている。

十三について

 ハンセン病患者等に対する差別や偏見は、ハンセン病に対する誤った知識に基づく誤解が原因の一つである。ハンセン病が遺伝病であるという誤解は古くからあり、このような誤解を解消し、ハンセン病について正しい知識を普及させるためには、御指摘の説明も必要なものであると考えている。
 また、御指摘の説明はハンセン病の説明の一つとして記述しているに過ぎず、遺伝性疾患の患者等への差別につながるものではないと考えている。

十四について

 ハンセン病患者等に対する差別や偏見が生じた原因の一つとして、人々が、ハンセン病患者等に接した場合、容易に自分もハンセン病に感染するのではないかという誤解を持っていることがあると考えている。
 このため、ハンセン病が極めて感染力の弱い感染症であることを繰り返し説明することは、ハンセン病についての正しい知識を普及させ、差別や偏見を無くすために必要なことであると考えている。

十五について

 高松宮記念ハンセン病資料館(以下「資料館」という。)について、お尋ねの部分において正式な名称を使用していないのは、一般的に用いられている略称を使用した方が分かりやすいと考えたためである。
 また、資料館の運営については、政府としても、ハンセン病に関する啓発活動の必要性から、一定の責任を有すると考えるが、必ずしも直接行う必要はないと考えている。

十六について

 小冊子では、様々な形でハンセン病問題に取り組んだ代表的な人物を紹介しており、医学又は宗教の関係者に限定して選定したものではない。

十七について

 ビデオでらい予防法(昭和二十八年法律第二百十四号)の内容、施行の実態及び廃止理由について説明していないのは、ハンセン病の医学的又は歴史的な側面について説明するというビデオの制作の趣旨になじまないと判断したためである。

十八について

 小冊子等については、その目的や内容に関して問題があるとは考えておらず、回収し、作成し直す必要はないと考えている。
 なお、ハンセン病患者等に対する差別や偏見の解消のための啓発活動については、厚生労働省とハンセン病患者等との協議の場であるハンセン病問題対策協議会においても取り上げられているところであり、今後もこうした場を通じて、関係者の意見も伺いながら、適切に対応してまいりたい。



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