衆議院

メインへスキップ



答弁本文情報

経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成十五年一月十七日受領
答弁第四〇号

  内閣衆質一五五第四〇号
  平成十五年一月十七日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 綿貫民輔 殿

衆議院議員北川れん子君提出台湾向け原子力発電設備の輸出許可に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員北川れん子君提出台湾向け原子力発電設備の輸出許可に関する質問に対する答弁書



一について

 衆議院議員大島令子君提出台湾向け原子力発電設備の輸出許可に関する質問に対する答弁書(平成十四年八月二十七日内閣衆質一五四第一七二号。以下「先の答弁書」という。)二についてで述べたとおり、原子力発電施設の安全確保については、当該施設を保有する国又は地域(以下「国等」という。)の責務であると国際的に認識されているものと理解している。
 なお、我が国は、御指摘の「一九六〇年七月二十九日の原子力の分野における第三者に対する責任に関する条約(パリ条約)」の締約国ではなく、同条約に拘束されることはないが、同条約には、「事故発生が、輸出国の原子力発電施設の設計、使用された資機材、製造ミスなどに起因していて、保有、運転国が責任を負えない場合、損害賠償義務は当然輸出国にある」という趣旨の規定はないものと承知している。

二について

 先の答弁書二についてで述べたとおり、原子力発電施設の安全確保については当該施設を保有する国等の責務であると国際的に認識されているものと理解しており、我が国からの原子力設備の輸出に当たって、輸出先における原子力発電施設の安全性が外国為替及び外国貿易法(昭和二十四年法律第二百二十八号)に基づく輸出の許可の審査要件とされていないことに特段の問題があるとは考えていない。
 他方、政府としては、先の答弁書三についてで述べたとおり、原子力設備の輸出者及び製造者が当該設備を輸出する際に考慮すべきものとして「安全のワンセット供給」という考え方の普及に努めているところであり、このような取組は、輸出先の国等の原子力発電の安全水準の向上に資する有意義なものであると考えている。

三及び四について

 先の答弁書二についてで述べたとおり、原子力発電施設の安全確保については当該施設を保有する国等の責務であると国際的に認識されているものと理解しており、台湾電力龍門原子力発電所(以下「台湾第四原発」という。)の安全確保についても、台湾第四原発向けとして株式会社日立製作所及び株式会社東芝による輸出を許可した原子炉一次冷却水循環ポンプ電源装置、原子炉一次冷却水循環ポンプ、原子炉制御棒駆動装置及び原子炉圧力容器の四件の原子力設備(以下「本件原子力設備」という。)を含む原子力発電施設全体について、いかなる材質が用いられた原子力設備を使用することにより安全性を確保するのかを含め、台湾当局が責任を持って判断すべきものと考えている。

五について

 核兵器の不拡散に関する条約(昭和五十一年条約第六号。以下「核兵器不拡散条約」という。)において、核兵器不拡散条約の各締約国は、特殊核分裂性物質の使用等のために特に設計され又は作成された設備等を非核兵器国に供給するに当たって当該特殊核分裂性物質に国際原子力機関による保障措置が適用されることを条件とすることを義務付けられているが、供給する設備等の詳細を明らかにすることは義務付けられていない。本件原子力設備が特殊核分裂性物質の使用等のために特に設計され又は作成された設備であることは本件原子力設備の詳細を開示しなくても明らかであり、核兵器不拡散条約上、我が国は、本件原子力設備の輸出に当たって、台湾第四原発における使用等に係る特殊核分裂性物質に国際原子力機関による保障措置が適用されることを条件とする義務を負うこととなる。政府としては、六についてで述べるとおり台湾当局が管理する地域にあるすべての核物質に対して国際原子力機関による保障措置が適用されることを確認しており、本件原子力設備の詳細を開示しないことについて、核兵器不拡散条約上、特段の問題はない。

六について

 平成十年一月二十六日にアメリカ合衆国(以下「米国」という。)国務省から在アメリカ合衆国日本国大使館に発出された口上書(以下「米国口上書」という。)の(2)においては、台湾当局が管理する地域にあるすべての核物質に対して国際原子力機関による保障措置が適用されるということを確認した上で、万が一、何らかの理由により本件原子力設備等に対して国際原子力機関による保障措置が適用されない場合に、米国政府が我が国政府と協議を行い、同保障措置に代替する保障措置が本件原子力設備等に対して適用されるようにすることとしている。
 米国口上書の(4)においては、本件原子力設備等が台湾当局が管理する地域以外へ移転又は再移転される場合、本件原子力設備等の移転先又は再移転先から所要の保証が得られる場合に限り、米国政府は台湾当局に対して本件原子力設備等の移転又は再移転を許可することとした上で、本件原子力設備等の移転又は再移転に関し、万が一、何らかの問題がある場合に備え、我が国政府の要請に応じて米国政府が我が国政府と協議を行い、相互に受け入れることのできる解決を図ることとしているものである。
 したがって、御指摘の米国口上書の文言は、米国政府が本件原子力設備等に対する保障措置の確保に関して責任を負わないことを表現したものではなく、米国政府として台湾当局が管理する地域にあるすべての核物質に対して国際原子力機関による保障措置が適用されることを確認する等の意図を我が国政府に対して公式に表明したものである。

七について

 原子力を含むエネルギー政策については、基本的に、各国等がそのエネルギー事情や環境問題への対応等の観点から、自らの責任において判断していくべきものと認識している。
 政府としては、各国等が自らの判断において原子力発電施設の導入を決定した場合、その要請に応じて、より安全な原子力発電が行われるよう、高品質の原子力設備を輸出するとともに、優れた運転管理技術等を併せて提供していくことが、輸出先の原子力に関する安全性の向上に資するものと考える。



経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © 2014 Shugiin All Rights Reserved.