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答弁本文情報

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平成十五年七月二十九日受領
答弁第九八号

  内閣衆質一五六第九八号
  平成十五年七月二十九日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 綿貫民輔 殿

衆議院議員山内惠子君提出「国立の大学及び研究機関等における非常勤職員の雇い止め問題」に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員山内惠子君提出「国立の大学及び研究機関等における非常勤職員の雇い止め問題」に関する質問に対する答弁書

一について

 国立大学及び大学共同利用機関(以下「国立大学等」という。)の非常勤職員の任命権は、一般に、人事に関する権限の委任等に関する規程(平成十三年文部科学省訓令第三号)第三条第一項及び第五項に基づき、各国立大学等の長に委任されており、文部科学省において、いわゆる日々雇用職員の任用については長期にわたる雇用とならないように指導しているが、個々の非常勤職員の任用については、各国立大学等の長の判断において行っているものである。
 平成十四年七月一日現在の国立大学等の非常勤職員の総数、勤務形態及び勤務形態別の人数並びに平成十四年度末の任期満了後に任用の更新を行わなかった非常勤職員の総数及び勤務形態別の人数は、別表のとおりである。

二並びに三の(一)及び(二)について

 大学共同利用機関である国立情報学研究所(以下「研究所」という。)を含め、国立大学等においては、臨時的、補助的又は代替的職務に従事させるために必要な場合に、非常勤職員を任用することによって業務を適正に処理しているところであり、任期満了後に任用の更新を行ってきたことにより長期にわたって雇用されることとなる非常勤職員も存在するが、任用の更新については、任命権者である各国立大学等の長が、予算、業務の必要性、当該非常勤職員の能力、事務・事業の合理化推進の必要性等諸般の事情を総合的に勘案して決定しているものである。

三の(三)について

 研究所においては、任期満了後に任用を更新しない非常勤職員に対しては、本人の申出を受け、可能な範囲で、再就職についての支援を行ったところである。

三の(四)について

 研究所においては、平成十五年度から、目録所在情報サービス運営補助業務及び情報検索サービス等データベース構築補助業務を民間に委託することとしたところである。目録所在情報サービス運営補助業務については、任期満了後に任用の更新を行わず退職した非常勤職員で同業務と同種のものに従事していたものに係る平成十四年度の給与支払実績は、八百二十五万千五百九十二円であり、平成十五年度の同業務の委託経費の予算額は、千三百十二万五千円である。また、情報検索サービス等データベース構築補助業務については、任期満了後に任用の更新を行わず退職した非常勤職員で同業務と同種のものに従事していたものに係る平成十四年度の給与支払実績は、六百八十九万千七百一円であり、平成十五年度の同業務の委託経費の予算額は、千百四十九万七千五百円である。なお、民間に委託した業務は、これらの退職した非常勤職員が従事していた業務と全く同一のものではなく、より高度かつ広範な業務となっているものである。

三の(五)について

 平成十二年四月に学術情報センターが廃止され、それに替わり研究所が設置されることとなったが、その際、平成十二年度以降の非常勤職員の任用について、平成十一年三月に説明会を開催し、非常勤職員が従事しているすべての業務がそのまま継承されることはかなり難しいこと、業務補助が必要となる場合は非常勤職員に依頼する業務内容等を整理した上で予算の許す範囲内で改めて募集すること等について説明し、また、同年十二月には、研究所における非常勤職員の任用期間については原則として一年とし、研究所と本人が合意すれば更に一年ごとに更新することができるが、その場合でも任用期間は原則として最長三年間とすることを、非常勤職員の所属する課の課長が非常勤職員に対して口頭で説明したところである。非常勤職員の任用に関して研究所が採ったこのような措置について、特段の問題はなかったものと考えている。

三の(六)について

 いわゆる時間雇用職員であった者で、三年を超えて引き続き勤務することを研究所側に申し入れているものが所属していた部署においては、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号)第二条第二号に規定する派遣労働者を受け入れている事実はない。

四について

 研究所においては、平成十二年度以降の非常勤職員の任用期間については、三の(五)についてで述べたとおりその原則的な扱いを定めたところであるが、この原則に従うと、平成十四年度末に多くの非常勤職員が任用期間満了となり、業務遂行上、著しい支障が生じることが危惧される。
 そこで、
1 早急に代替措置を採ることが困難である業務に従事する非常勤職員が相当数同時に退職することにより、当該業務に支障が生じる場合
2 常勤職員のすべてが異動することとなる業務に従事する非常勤職員が退職することにより円滑な業務の引継ぎ等が担保されず、当該業務に支障が生じる場合
3 常勤職員の欠員に伴う経過措置として一時的に常勤職員の従事していた業務の一部を担当している非常勤職員が退職することにより、常勤職員の早急な補充が困難であるために、円滑な業務の遂行に支障が生じる場合
において、業務を遂行する上で真に必要と認められる場合に、例外的に更に一年間の任用更新を行うものとしたところである。非常勤職員の任用更新に当たっては、これらの基準に照らして厳正かつ公平に行っており、御指摘は当たらないものと考えている。

五について

 研究所における非常勤職員の任用に係る取扱いは、この答弁書においてこれまで述べたとおりであり、これらについては所長の判断によって業務の見直しを行った結果であるが、いずれにせよ「非常勤職員に不利益な扱いを行っていた」ものとは考えていない。
 また、文部科学省においては、国立大学法人法(平成十五年法律第百十二号)に基づき設立される国立大学法人及び大学共同利用機関法人とそれらの被雇用者が良好な労使関係を構築することは極めて重要であると認識しており、法人化に際しては、各国立大学等は非常勤職員に対して労働条件の変更について十分に説明を行うなど適切に対応するものと考えている。


別表


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