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平成十五年七月十五日受領
答弁第一二一号

  内閣衆質一五六第一二一号
  平成十五年七月十五日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 綿貫民輔 殿

衆議院議員長妻昭君提出イラク復興特別措置法案における自衛隊の活動範囲等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員長妻昭君提出イラク復興特別措置法案における自衛隊の活動範囲等に関する質問に対する答弁書



一について

 イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法案(以下「法案」という。)第二条第一項に規定する対応措置を実施する自衛隊の部隊等(自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第八条に規定する部隊等をいう。以下同じ。)の規模、派遣場所及び具体的業務については、今後、現地調査の結果、現地情勢の進展並びに関係国及び関係国際機関との協議を踏まえて、具体的に検討していく予定であり、現時点で確定的に申し上げることは困難である。

二及び三について

 派遣される自衛隊の部隊等の安全の確保については、政府全体として、基本計画(法案第四条第一項に規定する基本計画をいう。以下同じ。)に定める対応措置に関する基本方針の策定から対応措置の実施に至るまで、最大限の配慮を行う考えであり、自衛隊の部隊等の安全の確保に配慮しなければならないことは、法案第九条においても明示されているところである。
 このため、実施区域(法案第八条第三項に規定する実施区域をいう。以下同じ。)を指定するに当たっては、「現に戦闘行為(国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為をいう。以下同じ。)が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる」(法案第二条第三項)という要件を満たすことは当然のこととして、自衛隊の部隊等の安全の確保にも配慮することとしている。
 万一お尋ねのような「自衛隊の近くで活動する他国軍に対する襲撃」又は「自衛隊の近くで活動するNGO関係者に対する襲撃」といった事態が生起した場合に、自衛隊の部隊等がどのような行動をとることが可能であるかについては、個別具体的な状況に応じて判断すべきものであり、あらかじめ定型的類型的にお答えすることは困難であるが、お尋ねの「他国軍」の者又は「NGO関係者」が法案第十七条第一項に規定する「自己と共に現場に所在する…その職務を行うに伴い自己の管理の下に入った者」に該当し、同条に規定する要件を満たす場合には、自衛隊の部隊等の自衛官が武器を使用することも排除されない。

四について

 派遣される自衛隊の部隊等の安全の確保については、政府全体として、基本計画に定める対応措置に関する基本方針の策定から対応措置の実施に至るまで、最大限の配慮を行う考えであり、自衛隊の部隊等の安全の確保に配慮しなければならないことは、法案第九条においても明示されているところである。
 このため、実施区域を指定するに当たっては、「現に戦闘行為(国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為をいう。以下同じ。)が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる」(法案第二条第三項)という要件を満たすことは当然のこととして、自衛隊の部隊等の安全の確保にも配慮することとしている。
 万一お尋ねのような「自衛隊員の誘拐」が現になされた場合には、自衛隊の部隊等は、対応措置を的確に実施する上で必要となる組織としての維持管理機能の一環としても、当該自衛隊員の生命及び身体の安全を確保するため、当該自衛隊員の捜索や誘拐を行った者に対する説得を行う等、可能な限りの努力を行うこととなる。
 こうした努力を行っている際に、不測の事態に遭遇し、法案第十七条に規定する要件を満たす場合には、自衛隊の部隊等の自衛官が武器を使用することも排除されない。

五について

 お尋ねのような「NGO関係者の誘拐」といった事態が生起した場合に、自衛隊の部隊等が当該NGO関係者の救出活動を行うことは、予定されていない。

六について

 お尋ねのような「自衛隊が行っている業務に対する妨害行為」といった事態が生起した場合に、自衛隊の部隊等がどのような行動をとることが可能であるかについては、個別具体的な状況に応じて判断すべきものであり、あらかじめ定型的類型的にお答えすることは困難であるが、法案第十七条又は自衛隊法第九十五条に規定する要件を満たす場合には、自衛隊の部隊等の自衛官が武器を使用することも排除されない。

七について

 お尋ねの「NGO関係者」が法案第十七条第一項に規定する「自己と共に現場に所在する…その職務を行うに伴い自己の管理の下に入った者」に該当し、同条に規定する要件を満たす場合には、自衛隊の部隊等の自衛官が武器を使用することも排除されない。

八について

 対応措置を実施する自衛隊の部隊等が宿営地を設置し、その警備を行うことは、組織としての維持管理機能の一環として当然に可能である。この場合において、当該宿営地の状況によっては、例えば、自衛隊の部隊等の宿営地と他国軍の宿営地とが同一の区域に設置され、かつ、自衛隊の部隊等の宿営地の警備と当該他国軍の宿営地の警備とが不可分であるようなケースもあり得ないわけではない。そのようなときには、結果的に当該他国軍の宿営地の警備をも行うことも排除されない。

九について

 お尋ねのような「自衛隊の部隊等によるNGO関係者の身の安全を守る活動」については、例えば、当該NGO関係者が対応措置を実施する自衛隊の部隊等の宿営地内に在る場合には、行われることとなる。なお、当該NGO関係者が法案第十七条第一項に規定する「自己と共に現場に所在する…その職務を行うに伴い自己の管理の下に入った者」に該当し、同条に規定する要件を満たす場合には、自衛隊の部隊等の自衛官が武器を使用することも排除されない。

十について

 自衛隊が実施する対応措置については、「現に戦闘行為(国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為をいう。以下同じ。)が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる」地域で実施することとされており(法案第二条第三項)、また、自衛隊の部隊等の長又はその指定する者は、当該活動を実施している場所の近傍において、戦闘行為が行われるに至った場合又は付近の状況等に照らして戦闘行為が行われることが予測される場合には、当該活動の実施を一時休止し又は避難するなどして当該戦闘行為による危険を回避しつつ、防衛庁長官による実施区域の指定の変更等の措置を待つものとされている(法案第八条第五項)。
 なお、お尋ねのような事態が生起した場合であって、「他国軍」の者が法案第十七条第一項に規定する「自己と共に現場に所在する…その職務を行うに伴い自己の管理の下に入った者」に該当し、同条に規定する要件を満たすときは、自衛隊の部隊等の自衛官が武器を使用することも排除されない。

十一について

 自衛隊が対応措置を実施するに当たっては、その内容、実施区域の指定に関する考え方等について、可能な限り詳細に、関係国等に周知するよう努めてまいりたい。



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