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平成十五年八月五日受領
答弁第一二六号

  内閣衆質一五六第一二六号
  平成十五年八月五日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 綿貫民輔 殿

衆議院議員長妻昭君提出電気毛布等の小児白血病・脳腫瘍発症への影響に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員長妻昭君提出電気毛布等の小児白血病・脳腫瘍発症への影響に関する質問に対する答弁書



一について

 御指摘の「生活環境中電磁界による小児の健康リスク評価に関する研究」(以下「本研究」という。)の成果報告書に記載されている小児急性リンパ性白血病及び小児脳腫瘍の患者と対照者の「電気毛布・ふとん」の使用状況に関するデータは、本研究の目的である高圧送電線等に由来する商用周波領域の電磁界と小児白血病及び小児脳腫瘍との関係の科学的な評価を行う上で、交絡要因としての影響を除去するために取得されたデータであり、本研究においては、「電気毛布・ふとん」の使用自体に対する健康リスク評価は行われていない。このため、「電気毛布・ふとん」の使用が、小児急性リンパ性白血病及び小児脳腫瘍の発症に影響を及ぼしているか否かについては、本研究においては明らかにされていない。

二について

 本研究においては、子供部屋の平均磁界レベルが〇・四マイクロテスラ以上の場合のみで小児急性リンパ性白血病の発症のリスクが上昇すること等が示唆されているが、平成十四年度に、文部科学省の科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会研究評価部会において、本研究に係る目標の達成度、研究成果の価値等についての事後評価が行われ、比較的高い強度の超低周波電磁界に係る対象者の割合が低いこと等を踏まえて考えれば全体の症例数が少な過ぎること、他の交絡要因の影響の除去が適切であるかどうか不明であること等の理由から、「本研究の結果が一般化できるとは判断できない」と評価されたところである。

三について

 本研究については、一定のデータの集積はなされたものの、研究課題の採択時に策定される研究実施計画において設定された所期の目標を達成することができていないこと等の理由により、「優れた研究ではなかった」との評価がなされたところである。本研究のように公募によって研究実施課題を選定する際には、有識者により構成される委員会において事前評価を行うとともに、研究の開始後においても中間評価の際に、研究の方向性等に関する適切な助言がなされるようにする等の対応が行われているところであり、より良い研究成果が得られるよう、今後ともこれらの評価の一層の充実を図ってまいりたい。
 また、本年六月に公開された本研究の成果報告書においては、同年一月に事後評価結果が公開された時点と比べて研究全体の評価に影響するような内容の変更はなく、改めて評価を行う必要はないものと考えている。

四について

 一についてで述べたとおり、「電気毛布・ふとん」の使用が、小児急性リンパ性白血病及び小児脳腫瘍の発症に影響を及ぼしているか否かについては、本研究においては明らかにされておらず、本研究の結果が、消費者に注意喚起を呼び掛けたり、注意書を添付する等の措置を求める根拠とはならないものと考えている。
 一方、現在、世界保健機関(以下「WHO」という。)において、国際がん研究機関が行った超低周波電磁界の人体に対する発がん性の評価等を踏まえ、居住環境における超低周波電磁界へのばく露に係る住民の健康リスク評価に関する検討が行われているところであり、政府としては、当該検討の状況も注視してまいりたい。

五について

 政府としては、WHOにおける検討の状況を注視するとともに、従前から、家電製品から発生するものを含む電磁波の人体に対する影響等について、国内外の情報の収集、各種調査研究、これらの成果に係る情報の提供等に取り組んできているところであり、引き続きその着実な実施に努めてまいりたい。



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