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答弁本文情報

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平成十五年十月十日受領
答弁第二〇号

  内閣衆質一五七第二〇号
  平成十五年十月十日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 綿貫民輔 殿

衆議院議員北川れん子君提出国民の保護と自衛隊員に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員北川れん子君提出国民の保護と自衛隊員に関する質問に対する答弁書



一について

 自衛官の職務の遂行に当たっては、捕虜の待遇に関する千九百四十九年八月十二日のジュネーヴ条約(昭和二十八年条約第二十五号。以下「ジュネーヴ第三条約」という。)等の国際人道法に関する知識を有することが不可欠であることから、自衛官並びに防衛大学校及び防衛医科大学校において幹部自衛官となるために教育訓練を受けている学生(以下「学生」という。)に対し、ジュネーヴ第三条約等の国際人道法に規定する捕虜の待遇について必要な教育を行っているところであり、お尋ねの教育プログラム(教育計画)、時間数、内容、進め方(教育実施要領)等については、別表のとおりである。

二の@について

 武力攻撃事態等(武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律(平成十五年法律第七十九号)第一条の武力攻撃事態等をいう。以下同じ。)においては、武力攻撃から国民の生命、身体及び財産を保護するための避難等の措置並びに武力攻撃を排除するために必要な自衛隊が実施する武力の行使、部隊等の展開その他の行動が、適切かつ効果的に実施される必要がある。このような考え方に立ち、これらの措置や行動を調整するための必要な措置が講ぜられるよう個別法制を検討しているところである。

二のAについて

 お尋ねの「基準」の意味が必ずしも明らかではないが、自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第七十六条第一項の規定により自衛隊が防衛出動を命ぜられた場合であっても、当該自衛隊の用に供する物資、施設、役務等については、平素と同様、契約等により調達することが基本であり、同法第百三条の定めるところに従って実施する場合に限り、物資を使用若しくは収用し、施設を管理し、又は医療等を業とする者に対して業務に従事することを命ずることができる。

二のBについて

 今後整備される国民の保護のための法制においては、武力攻撃事態等において、都道府県に都道府県国民保護対策本部を設置し、都道府県知事である対策本部長に、当該都道府県の地域において都道府県(警察を含む。)、市町村(消防を含む。以下同じ。)、指定公共機関等の行う国民の保護のための措置を総合調整する権限を与え、当該都道府県の地域における国民の保護のための措置を総合的に推進することができるようにすることを想定している。
 また、市町村については、避難住民の誘導、応急措置の実施等の市町村の活動を警察及び海上保安庁並びに自衛隊が補完することを想定している。特に、関係機関の連携が必要な避難住民の誘導に当たっては、市町村長を中心に、各機関との間で必要な調整を行う仕組みを設けることを検討している。

二のCについて

 武力攻撃事態等において、自衛隊は、避難住民の誘導、応急措置の実施等の市町村の活動を補完することから、自衛官の職務の遂行に当たっては、今後整備される国民の保護のための法制に関する知識を有することが不可欠であり、お尋ねの教育プログラム等については、今後整備される国民の保護のための法制の内容に則して検討してまいりたい。

二のDについて

 今後整備される国民の保護のための法制においては、武力攻撃事態等において、市町村が行う避難住民の誘導等の対処措置の実施に際し、自衛隊がこれを補完することを想定しているところであり、自衛隊が行う活動の具体的な要領及びこれについて国民の理解を得るための措置の必要性については、今後検討していくこととしている。

二のE及びFについて

 自衛隊員は、法令に従い、誠実にその職務を遂行する義務を負っており、憲法及び一についてで述べたような国際人道法を理解するための教育も受けているのであって、「国際人道法や憲法に明らかに反する」命令を発することはおよそ想定し難いが、一般論として申し上げれば、当該職務上の命令が憲法や国際人道法に反し無効である場合には、当該命令を受けた自衛隊員は、これに従う義務はないと考える。

二のGについて

 お尋ねについては、上官の命令への当該自衛隊員の不服従の態様により異なるが、一般論として申し上げれば、当該不服従が刑事罰の対象となり得る場合には、自衛隊法第九十六条の規定に基づき、自衛隊法施行令(昭和二十九年政令第百七十九号)第百九条に規定する警務官等が、刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)の手続にのっとり、捜査を行うこととなる。
 このほか、懲戒処分やこれに対する不服申立ての手続の中で、当該隊員の規律違反の事実関係が調査され、上官の命令に従わなかった当該隊員の行為が規律違反に該当するか否かについて判断される。


別表 1/5


別表 2/5


別表 3/5


別表 4/5


別表 5/5


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