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平成十六年三月五日受領
答弁第二六号

  内閣衆質一五九第二六号
  平成十六年三月五日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員末松義規君提出賃金支払体系の多様化に応じた規制緩和の必要性に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員末松義規君提出賃金支払体系の多様化に応じた規制緩和の必要性に関する質問に対する答弁書



一について

 お尋ねの「「労働者の同意があれば、雇用主以外の第三者からも給与支払いが可能」となるような規制緩和」の意味するところが必ずしも明らかではないが、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第二十四条に規定する賃金の直接払いの原則は、労務を提供をした労働者本人に労働の対価である賃金全額が完全かつ確実に支払われることを目的とするものであり、賃金が使用者から直接労働者に支払われないことは、仮に本人の同意があったとしても、賃金の代理受領による中間搾取や賃金の支払を代行する者が倒産した場合労働者保護を欠くこととなること等の弊害が考えられるため、これを認めることは困難である。

二について

 昨年六月に成立した「職業安定法及び労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律の一部を改正する法律」(平成十五年法律第八十二号。以下「改正法」という。)による改正前の職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第三十三条の四においては、飲食店業、貸金業等と職業紹介事業との兼業を禁止していたところであるが、改正法により同規定は削除され、本年三月一日に施行された。
 一方、改正法の国会審議において、貸金業等との兼業禁止に係る規定の撤廃により、強制労働や中間搾取等が発生することのないよう、職業紹介事業の許可基準において必要な対応を図ることを求める附帯決議がなされた。これを踏まえ、平成十六年二月二十四日付け厚生労働省職業安定局長通達「職業紹介事業関係業務運営要領の改正等について」別添一「職業紹介事業の業務運営要領」において、職業安定法第三十一条第一項第三号に規定する許可の基準の解釈として、貸金業を営む者については貸金業の規制等に関する法律(昭和五十八年法律第三十二号)に基づく登録を受けていること等を示すとともに、許可を行う際に当該要件を満たす者であることを確認するため、職業安定法施行規則(昭和二十二年労働省令第十二号)に規定する職業紹介事業の許可の申請書に、兼業する事業の種類を記載させることとしたところである。

三について

 お尋ねの「多様な給与体系に応じた社会保険料の徴収方法」の意味するところが必ずしも明らかではないが、週払い又は日払いの場合でも、原則として、健康保険及び厚生年金保険の保険料については、一月間に支払われる報酬や賞与の総額を基礎として、労働保険の保険料については、一年間に支払われる賃金の総額を基礎として、その額が算定されることとなっている。また、算定された保険料については、原則として、健康保険及び厚生年金保険については月一回、労働保険については年一回、事業主より、被保険者負担分も併せて納付されることとなっており、多様な給与体系にも適切に対応できていると考えている。

四について

 労働基準法は、労働者の保護の観点から労働条件の最低基準を定めるものであり、また、就業規則の作成又は変更に当たって労働者の意見を聴かなければならないとされていることにかんがみれば、使用者が、副業を禁止することについては、一律に法律で制限を設けるのではなく、事業場の実態に即して使用者と労働者が十分話し合った上で判断することが望ましいものと考えている。



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