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平成十六年五月二十五日受領
答弁第九七号

  内閣衆質一五九第九七号
  平成十六年五月二十五日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員川内博史君外一名提出今国会提出の著作権法の一部を改正する法律案に於ける暫定措置廃止に係る検討経緯等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員川内博史君外一名提出今国会提出の著作権法の一部を改正する法律案に於ける暫定措置廃止に係る検討経緯等に関する質問に対する答弁書



一について

 今国会に提出している著作権法の一部を改正する法律案は、文化審議会著作権分科会報告書(以下「報告書」という。)を踏まえて、文部科学省内の各部局の了承を得た上で提出したものである。また、報告書には、従前より、文部科学省内の協議の内容について記載されていないところである。

二について

 著作権に関する世界知的所有権機関条約(平成十四年条約第一号。以下「条約」という。)においては、書籍又は雑誌の貸与権についての規定は存在しないが、条約は、加盟国が国内法において、書籍又は雑誌の貸与権を著作者に与えることを排除するものではない。条約の他の加盟国の国内法制について網羅的には把握していないが、例えば、欧州連合加盟国については、「貸与権及び公共貸与権並びに知的財産分野における著作権に関連する特定の権利に関する一九九二年十一月十九日の理事会指令」により、建築物及び応用美術の著作物を除き、書籍及び雑誌を含む全ての著作物に関し貸与権又は公共図書館等の貸与に対して報酬の支払いを義務付ける公共貸与権を定めることが義務付けられていると承知している。

三について

 著作権法(昭和四十五年法律第四十八号。以下「法」という。)附則第四条の二は、昭和五十九年に、映画の著作物を除いた著作物の著作者に対して、法第二十六条の三に規定する貸与権が創設された際に、我が国における貸本業の実態や権利者の許諾を容易に得ることができる集中管理体制が未整備であったことなどを踏まえ、書籍又は雑誌の貸与による場合には、貸与権の規定は適用しないこととされたものである。しかし、近年、事業を大規模に展開する貸本業者の出現により、著作者の経済的利益に大きな影響を与える事態が生じていたため、文化審議会著作権分科会において、法附則第四条の二の削除の適否について、御審議いただいたものである。
 なお、法附則第四条の二が削除された後の書籍又は雑誌の貸与については、他の著作物と同様に、法第二十六条の三及び第三十八条第四項の規定が適用されることが制度の原則と考えられ、これらの規定の個別具体的な事例に関する適用関係について、逐一御審議いただかなかったものである。

四について

 報告書の八頁及び九頁において、作家等の著作権者と協議を行った旧来の貸本業者の団体として、全国貸本組合連合会(以下「連合会」という。)が明記されている。
 また、報告書案について行われた意見募集に対して、連合会が平成十五年十二月二十四日付けで提出した意見書については、作家等で構成される貸与権連絡協議会(以下「協議会」という。)と連合会が法附則第四条の二の削除について合意した内容と矛盾するということが考えられたため、協議会を通じて、連合会に当該意見書の趣旨を照会したところ、協議会との合意を撤回するものではないことを確認したところである。



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