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答弁本文情報

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平成十六年六月二十九日受領
答弁第一四六号

  内閣衆質一五九第一四六号
  平成十六年六月二十九日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員山本喜代宏君提出イラクにおいて拘束された邦人三名に対する政府の対応に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員山本喜代宏君提出イラクにおいて拘束された邦人三名に対する政府の対応に関する質問に対する答弁書



一について

 平成十六年四月八日に放送された犯人グループによるとされる声明においては、三日以内に自衛隊がイラクから撤退することを要求し、これに従わない場合は、三名を殺害することが示唆されていた。「テロリズム」について一般国際法上確立した定義があるわけではないが、一般的には、「テロリズム」とは、特定の主義主張に基づき、国家等にその受入れ等を強要し、又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等をいい、「テロリスト」とは、「テロリズム」を行う者を指すとされていると承知している。

二について

 イラクにおいて人質として拘束された邦人三名の解放のため、政府は、当初から正確な事実関係の確認のための情報収集に努め、また、イラクの関係当局、関係国政府等とあらゆる経路を通じた緊密な連携に努めるなど、一刻も早く人質の方々が無事に解放されるよう、全力を挙げて取り組んだ。政府の対応経過は、次のとおりである。なお、時刻はいずれも日本時間である。
 平成十六年四月八日夕刻、イラクにおいて三名の邦人が人質となったことを示す映像が存在するとの情報を外務省が受け、確認を急いだ結果、中東の衛星テレビ局アル・ジャジーラが同日午後九時にこの映像を放送する予定であり、その映像に映る邦人が高遠菜穂子さん、郡山総一郎さん及び今井紀明さんの三名である模様であった。事件の一報を受け、すぐに、外務省緊急対策本部、警察庁対策室及び官邸対策室を設置した。映像放送後、福田内閣官房長官が、緊急記者会見において、事件の概要及び政府の対応などを説明した。
 同月九日午前、小泉内閣総理大臣の判断により、内閣官房長官を本部長とする在イラク邦人人質事件対策本部(以下「対策本部」という。)を設置し、事件の迅速な解決等に向け、関係省庁が一致協力して必要な施策を強力に推進するため政府が一体となって取り組むこととした。その直後に第一回対策本部会議を開催し、また、同日午後、関係省庁の局長等を構成員とする対策本部幹事会の第一回会議を開催し、人質解放までに対策本部幹事会の会議を計十回開催した。
 また、逢沢外務副大臣一行が同日、ヨルダンに向け出発し、同月十日ヨルダンに到着後、在ヨルダン日本国大使館に外務省現地緊急対策本部を設置した。逢沢外務副大臣一行には警察庁国際テロ緊急展開チームが同行した。逢沢外務副大臣は、ヨルダン公安関係者やファーイズ・ヨルダン首相と会談するなど、現地機関と緊密に連携して情報収集に当たった。
 さらに、同月十一日、川口外務大臣が人質の安全かつ速やかな解放を求める内容のビデオを、衛星テレビ放送局を通じて、全世界に向けて発信した。同月十二日、小泉内閣総理大臣は、来訪したチェイニー米国副大統領及びエルドアン・トルコ首相と会談し、人質解放の協力を要請した。
 同月十五日、三名の人質がバクダッド市内アミリーア地区のクベイシー・モスクで解放されたとの情報を受け、同日午後八時三十分、在イラク日本国大使館館員がモスクに赴き、三名の無事を確認し、その身柄を保護した。同月十六日、三名は政府チャーター機でアラブ首長国連邦のドバイに向かい、健康状態の診断等を受けた後、同月十八日夕刻逢沢外務副大臣が同行して日本へ帰国した。
 次に、お尋ねの経費について述べると、職員の給与にかかわる経費など、性格上各業務に区分し難いものがあるとともに、イラクに係る邦人保護業務については、邦人三名の拘束事件発生前から様々な作業を継続しており、当該事件発生後も新たに別の邦人二名の拘束情報の確認作業や邦人記者の国外退避支援作業など同時に多くの案件を処理していたため、邦人三名解放のための活動経費の全容を見積もることは困難である。
 邦人三名解放のための経費として区別し得るものとしては、逢沢外務副大臣一行の出張関連費約八百八十七万二千円、川口外務大臣が人質の解放を求める内容のビデオの作成費十五万五千円等が挙げられる。また、邦人三名の輸送のためにヨルダンのアンマンからバグダッド経由でドバイまで借り上げた航空機の運航費は約六十五万六千円であり、そのうちバグダッドからドバイまでの一人当たり正規エコノミークラス料金に当たる約四万一千円の負担を三名にお願いしている。



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