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答弁本文情報

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平成十六年七月十六日受領
答弁第一九七号

  内閣衆質一五九第一九七号
  平成十六年七月十六日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員佐藤謙一郎君提出瀬戸市紺屋田町・東印所町の珪砂採掘計画に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員佐藤謙一郎君提出瀬戸市紺屋田町・東印所町の珪砂採掘計画に関する質問に対する答弁書



一の1について

 砂防法(明治三十年法律第二十九号)第二条の規定に基づき国土交通大臣が指定した土地(以下「砂防指定地」という。)においては、同法第四条第一項及び砂防法施行規程(明治三十年勅令第三百八十二号)第三条の規定に基づき、都道府県知事が条例をもって治水上砂防のため一定の行為を禁止又は制限できることとされている。愛知県においては砂防指定地内における行為の規制に関する条例(平成十五年愛知県条例第四号)第四条の規定により、砂防指定地において鉱物の採掘等を行う者は知事の許可を受けなければならないこととされているが、砂防指定地内行為許可申請について、お尋ねのような動植物の保護を内容とする保全をすべき自然環境の有無は同条による許可を行う際に確認すべき事項ではなく、同申請に係る鉱物の採掘については治水上砂防に悪影響を及ぼすものではないものと判断し、許可をしたところであるとのことである。
 なお、一般に、事業者は、その事業活動を行うに当たって、環境基本法(平成五年法律第九十一号)第八条の規定に基づき、事業活動に伴って生ずる公害を防止し、又は自然環境を適正に保全するために必要な措置を講ずる責務を有しており、事業者が、その事業活動に係る環境の保全について適正に配慮することが望ましいと考えている。

一の2について

 お尋ねの砂防工事跡は、愛知県珪砂鉱業協同組合(以下「本件事業者」という。)が租鉱権を有する愛知県瀬戸市東印所町及び同市紺屋田町の租鉱区(以下「本件租鉱区」という。)の外側に位置しており、当該砂防工事跡への住民の立入りを禁止する措置は特に予定されていないものと承知している。また、「禿山が出現」するとの御指摘については、鉱業法(昭和二十五年法律第二百八十九号)第八十七条において準用する同法第六十三条第二項の規定に基づき中部経済産業局長が認可した本件租鉱区に係る施業案(以下「本件施業案」という。)において、本件事業者が採掘後に採掘跡の植栽及び緑化を行うこととされているところである。
 なお、同市は「愛・地球博」の開催地であるが、本件租鉱区は「愛・地球博」の会場から相当程度離れた場所に位置しており、本件施業案の認可に当たって、そのような事情を考慮すべきであったとは考えていない。

一の3について

 本件事業者は、本件施業案において、鉱山道路に散水車によって常時散水すること、市道への出入口付近において路面及び側溝の清掃整備に努めることなどによって、輸送用のダンプトラックの走行による粉じんの発生を防止することとしており、中部経済産業局においては、本件租鉱区においては選鉱が予定されていないことや粉じんが飛散しにくい採掘方法が選択されていることなどから、輸送用のダンプトラックに係る粉じんの発生を適切に防止すれば、周辺地域において粉じんに起因する健康被害が生じることはないものと判断し、本件施業案を認可したところである。
 また、採掘後の埋戻しについては、本件施業案において、「当該鉱山及び近隣自社鉱山の表廃土等を充当し、産業廃棄物は使用しない」とされているところであるが、中部経済産業局においては、「表廃土等」とは、「表廃土」のほか、産業廃棄物を含まない公共工事の残土であって、埋戻しに使用することについて本件租鉱区に係る土地の所有者である愛知県の知事の了解を受けたものを指す旨を確認した上で、かかる「表廃土等」の使用によって地下水の汚染が生じる可能性はないものと判断し、本件施業案を認可したところである。

一の4について

 お尋ねの本件事業者による地元自治会に対する金銭の支払については、その詳細を承知しているわけではないが、森林法(昭和二十六年法律第二百四十九号)第二十七条第一項の規定に基づき本件事業者が行った保安林の指定の解除の申請については、解除の可否について判断するため、関係する法令等の規定に基づき厳正に審査を行っていく所存である。

二について

 愛知県及び本件事業者からは、御指摘の「窯業地下資源の埋蔵量と今後の開発の方向 窯業地下資源開発計画」において、珪砂の割合が低いことから「採掘価値はない」とされた礫等と珪砂からなる「砂礫」等については、近年の選鉱技術の進歩により、礫等と珪砂の選別が可能となったことなどから、採掘に値する経済的な価値を有するものと評価されるようになったと聞いている。
 また、本件施業案においては、粗鉱を「粗鉱のまま出荷」することとされている、すなわち、出荷する粗鉱については、その後選鉱等が行われることが前提とされているところであり、中部経済産業局においては、本件事業者に、粗鉱を珪砂精製業者以外の者に販売することはない旨確認しているところである。

三について

 お尋ねの鉱業法第一条の「公共の福祉」の内容は、経済的な利益のみに限られるものではないと解されるところであり、同法第六十三条第二項の規定に基づく施業案の認可に当たっては、経済的な利益以外の一般公益についても考慮しているところである。



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