衆議院

メインへスキップ



答弁本文情報

経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成十七年二月十日受領
答弁第一三号

  内閣衆質一六二第一三号
  平成十七年二月十日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員内山晃君提出柔道整復師の業務に関わる健康保険請求の取り扱いに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員内山晃君提出柔道整復師の業務に関わる健康保険請求の取り扱いに関する質問に対する答弁書



一について

 柔道整復師は、柔道整復師法(昭和四十五年法律第十九号)の規定に基づき柔道整復を業とする者であるが、その業務範囲については、昭和四十五年の柔道整復師法に係る提案理由説明において、「その施術の対象も専ら骨折、脱臼の非観血的徒手整復を含めた打撲、捻挫など新鮮なる負傷に限られている」とされていることを踏まえ、一般的に、骨折、脱臼、打撲、捻挫及び挫傷(以下「骨折等」という。)の施術と解しており、御指摘の腱鞘炎等の施術がその業務範囲に含まれるか否かについては、慎重に判断すべきものであると考えている。
 また、健康保険法(大正十一年法律第七十号)第八十七条第一項等に基づく療養費又は医療費(以下単に「療養費」という。)の支給は、療養費の支給を受ける者の疾病又は負傷に即して行われるべきものであり、御指摘の「療養費請求の段階で「捻挫」にふり替えさせている」という事実はない。

二について

 医師法(昭和二十三年法律第二百一号)は医師でない者が医業をなすことを禁止しているが、ここにいう「医業」とは、医師の医学的判断及び技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼし、又は危害を及ぼすおそれのある「医行為」を反復継続する意思をもって行うことであると解しており、医師が「医行為」として患者を診察、診断及び治療することを「診療」と呼んでいる。一方、柔道整復師法等は、「医行為」ではないが、一定の資格を有する者が行わなければ人体に危害を及ぼすおそれのある「医業類似行為」について、当該資格を有しない者が業として行うことを禁止しており、このうち柔道整復師が業として行う柔道整復を、医師が行う「診療」とは区別して「施術」と呼んでいる。
 医療保険制度における柔道整復師の施術の取扱いについては、このような考え方の下で、「柔道整復師の施術に係る療養費の算定基準」(昭和六十年五月二十日付け保発第五十六号厚生省保険局長通知)において、医師の行う診療についての「初診料・再診料」と区別し、「初検料・再検料」を算定することとしているところであり、これを変更する考えはない。

三について

 お尋ねの「判断書」とは、柔道整復師が患者に危害を及ぼすおそれのない範囲で疾病又は負傷の状態を把握し自らが施術できる疾病又は負傷であるか否か等を判断した結果を記載する書面を指すものと考えるが、その書面と医師が患者を診察し疾病又は負傷の状態を診断した結果を記載する診断書とは異なるものであるため、同一の用語を用いることは適当ではないと考えている。

四について

 御指摘の「レントゲン撮影」については、エックス線を含む放射線が人体に危害を及ぼす性質を有することから、これを人体に照射する行為は「医行為」である。このため、当該行為については医師、歯科医師又はこれらの者の具体的な指示を受けた診療放射線技師が行うべきものであり、柔道整復師に「レントゲン撮影」を認めることは適当ではないと考えている。

五について

 御指摘の「以前は千円以上で適用されていた」が何を指すのか必ずしも明らかではないが、独立行政法人日本スポーツ振興センター(旧日本学校安全会、旧日本学校健康会及び旧日本体育・学校健康センターを含む。)が行う災害共済給付(医療費、障害見舞金又は死亡見舞金の支給をいう。以下同じ。)については、災害共済給付全体の重点化・効率化を図るため、保護者等の自己負担を十分に考慮しつつ、医療費の支給対象について適宜見直しを行っており、平成十一年度にその支給対象を「療養に要する費用が四千円以上のもの」から、「療養に要する費用が五千円以上のもの」に見直したところである。

六について

 一般の保険会社が取り扱っている傷害保険金は、各々の普通保険約款に定められた基準に従って支払われるものであるが、傷害保険の標準的な普通保険約款においては、通院保険金は、傷害が平常の業務又は平常の生活に支障のない程度に治ったときまでの期間における通院した日数に対し、一日につき保険証券記載の通院保険金日額を支払うものとなっており、病院であるか御指摘の「接骨院」であるかにより、支払基準を異にしているものではないと承知している。

七について

 御指摘の「協定」は受領委任払い(保険者と柔道整復師により構成される団体又は柔道整復師との間で契約を締結するとともに、被保険者が療養費の受領を当該契約に係る柔道整復師に委任することにより、保険者が療養費を被保険者ではなく柔道整復師に支払うことをいう。)の契約を指すと考えられるが、一についてで述べたとおり、柔道整復師の業務範囲については、一般的に骨折等と解しており、腱鞘炎等がその業務範囲に含まれるか否かについては、慎重に判断すべきものであり、当該「協定」を含め、療養費の支給対象となる柔道整復師の施術を、骨折等の施術に限っていることは適当なことであると考えている。

八について

 健康保険法第九十九条第一項等の規定による傷病手当金の支給の申請に当たっては、健康保険法施行規則(大正十五年内務省令第三十六号)第八十四条第二項等の規定に基づき、被保険者の疾病又は負傷の原因、主症状等に関する医師又は歯科医師の意見書を添付しなければならないこととされている。ただし、「健康保険傷病手当金請求書の疑義について」(昭和二十五年一月十七日保文発第七十二号徳島県民生部保険課長あて厚生省保険局健康保険課長回答)により、打撲、捻挫の施術等についての傷病手当金の請求書には、施術を担当した柔道整復師の意見書を添付すれば足りることとされている。このような取扱いは、柔道整復師が患者に危害を及ぼすおそれのない範囲で自らが施術できる疾病又は負傷である旨の判断を行った場合の取扱いであるが、このような柔道整復師が行う判断は、医師が患者を診察し疾病又は負傷の状態を診断することとは異なるものであることから、柔道整復師が意見書を作成した場合に医師が意見書を作成した場合と同様に療養費を支給することは考えていない。

九について

 生活保護制度においては、被保護者に対して柔道整復師による施術の給付を行うに当たり、柔道整復師法第十七条において「柔道整復師は、医師の同意を得た場合のほか、脱臼又は骨折の患部に施術をしてはならない」と規定されていることから、医療保険制度において柔道整復師による施術に対し療養費を支給する際と同様に、柔道整復師が脱臼又は骨折の患部に施術をする場合には医師の同意を必要としているが、それ以外の場合には医師の同意を必要としていない。
 しかしながら、一部の福祉事務所においては、医師の同意が不要である場合においても、被保護者に対して一律に医師への事前の受診を求める取扱いが見られたことから、施術の給付の適正な取扱いについて「生活保護法による医療扶助における施術の給付について」(平成十三年十二月十三日付け社援保発第五十八号厚生労働省社会・援護局保護課長通知)を発出し、平成十六年三月四日の生活保護関係全国係長会議などにおいても周知徹底を図っているところである。



経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © 2014 Shugiin All Rights Reserved.