答弁本文情報
平成十七年六月十四日受領答弁第七六号
内閣衆質一六二第七六号
平成十七年六月十四日
衆議院議長 河野洋平 殿
衆議院議員岩國哲人君提出靖国神社参拝に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員岩國哲人君提出靖国神社参拝に関する質問に対する答弁書
一及び三について
昭和天皇は、昭和五十年十一月二十一日などに、靖国神社に御参拝になったことがあり、御参拝に際してのお供えは、御手元金から支弁されたと承知している。
昭和天皇の靖国神社への御参拝は、いずれも、私人としてのお立場でなされたものである。国事に関する行為は、憲法に掲げられたものに限られており、神社への御参拝は、これに当たらない。
一般に、天皇と内閣総理大臣との会話について、その内容を逐一明らかにすることは差し控えるべきであると考える。また、小泉内閣総理大臣は、平成十四年十一月二十一日の衆議院内閣委員会において、「人に奨励するとか、私の参拝を見習ってほしいとかいう気持ちは全くない」「人に参拝しなさいとか言う気持ちはありません」と述べているとおり、他のいかなる人に対しても、参拝を勧奨又は進言することはないと承知している。
内閣総理大臣その他の国務大臣の靖国神社参拝に係る公私の区別の基準については、昭和五十三年十月十七日の政府統一見解のとおりである。小泉内閣総理大臣の同神社への参拝については、いずれも、政府の行事として参拝の実施が決定されるとか、その経費を公費で支出するなどの事情がないことから、公式参拝ではなく、私人としての立場でなされたものであり、御指摘の小泉内閣総理大臣の国会答弁も、これと同様の趣旨を述べたものであると理解している。
御指摘の中曽根内閣総理大臣(当時)の衆議院本会議における答弁は、いわゆる靖国問題についての同内閣総理大臣の考え方を述べたものであると承知しており、過去の戦争への反省や、近隣諸国との関係等にも配慮して対応していくという姿勢は、尊重すべきものであると考えている。