衆議院

メインへスキップ



答弁本文情報

経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成十八年十二月五日受領
答弁第一七六号

  内閣衆質一六五第一七六号
  平成十八年十二月五日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員山井和則君提出民間で行うことが可能な業務に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員山井和則君提出民間で行うことが可能な業務に関する質問に対する答弁書



一について

 お尋ねの「国民の権利を直接に制限し、又は強制力をもって行使する業務」の意味するところが必ずしも明らかではないが、社会保険庁の業務の中に、政府が管掌する国民年金事業、厚生年金保険、健康保険及び船員保険(以下「政府管掌年金事業等」という。)に係る受給権者等の権利を直接に制限し、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二条第四号に規定する不利益処分に該当するもの(以下「権利制限処分」という。)、政府管掌年金事業等に係る保険料の滞納者に対して国税滞納処分の例により行われる処分(以下「滞納処分」という。)並びに政府管掌年金事業等における被保険者資格等に関する調査で、罰則又は給付制限によりその実効性が担保されているもの(以下「被保険者資格等調査」という。)があり、これら業務がお尋ねの業務に該当するのではないかと考えられる。
 権利制限処分については、例えば、厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第七十七条の規定による受給権者の調査拒否等に対する年金たる保険給付の支給停止及び健康保険法(大正十一年法律第七十号)第百十九条の規定による被保険者が療養に関する指示に従わない場合の保険給付の制限がある。また、滞納処分については、例えば、厚生年金保険法第八十六条第五項及び第八十九条の規定によりその例によるものとされる国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第百四十二条の規定による滞納した事業主の事業所等の捜索、同法第四十七条の規定による滞納した事業主の事業所の財産の差押及び同法第九十四条の規定による差押財産の公売による換価がある。さらに、被保険者資格等調査については、例えば、厚生年金保険法第百条及び健康保険法第百九十八条の規定による事業所の立入検査等並びに厚生年金保険法第九十六条の規定による受給権者に関する調査がある。

二及び三について

 お尋ねの年金保険料の滞納者に対する強制徴収のような権力的な性格を有する業務については、行政機関において実施することが通常であるが、必要性及び合理性が認められる場合には、行政機関以外の者に行わせることが許されないものではないと考えられる。しかしながら、その場合には、当該業務を処理するに当たっての公正性、客観性を担保するための措置及び行政機関の監督体制を十分に確保するための措置を講じることにより国民の信頼が得られることが必要であり、お尋ねの業務についても、政策的見地からの必要性及び合理性のほか上記監督体制等の確保について慎重に検討を行う必要があることから、現時点において行政機関以外の者に実施させることの可否及び実施させることとした場合の具体的な要件についてお示しすることは困難である。



経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.