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平成十九年五月十五日受領
答弁第二一五号

  内閣衆質一六六第二一五号
  平成十九年五月十五日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員平岡秀夫君提出「米空母艦載機の厚木基地から岩国基地への移駐」に伴う騒音問題に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員平岡秀夫君提出「米空母艦載機の厚木基地から岩国基地への移駐」に伴う騒音問題に関する質問に対する答弁書



1の(1)について

 御指摘の住民説明会については、広島防衛施設局が、岩国市からの要請を受け、空母艦載機の移駐等について地元住民の理解を得るため、防衛省設置法(昭和二十九年法律第百六十四号)第四条第十九号に定める所掌事務の一環として実施したものであり、防衛施設庁としては、当該移駐等について地元住民に対し鋭意説明を行い、地元住民の理解に資することができたものと考えている。

1の(2)について

 「航空機騒音に係る環境基準について」(昭和四十八年環境庁告示第百五十四号)において、航空機騒音に係る環境基準の評価単位は、WECPNL(加重等価継続感覚騒音レベル)と定められているところである。WECPNLは、音響の強度(デシベル)のほかに、その音響の発生回数、時刻等を考慮して、人に与える影響を評価する航空機騒音の評価単位であることから、防衛施設庁においても航空機騒音の評価単位として用いているところであり、御指摘の住民説明会においても、当該評価単位を使用し、説明したところである。
 防衛施設庁としては、当該評価単位、WECPNLと音響の強度の違い等について地元住民に対し鋭意説明を行い、地元住民の理解に資することができたものと考えている。

1の(3)について

 防衛施設庁においては、岩国飛行場について、防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律(昭和四十九年法律第百一号)第四条の規定に基づき第一種区域を指定するに当たり、飛行経路、ピーク騒音レベル、継続時間、飛行回数等の調査(以下「騒音度調査」という。)を実施するなどし、航空機騒音の実態の把握に努めている。具体的には、昭和四十九年度及び平成元年度から平成二年度にかけて騒音度調査を実施し、また、平成五年度においては、岩国飛行場の滑走路を沖合へ千メートル程度移設する事業(以下「岩国沖合移設事業」という。)に係る環境影響評価準備書作成のため、岩国沖合移設事業完了後の航空機騒音の予測調査を実施した。
 お尋ねの「その調査が岩国における実態を代表しているという保障は、何を根拠として、どこにあるのか。」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「住民説明会資料」における飛行回数の算出に当たっては、右に述べた騒音度調査のうち、直近のものである平成四年三月二十七日の第一種区域の指定に際し平成元年度から平成二年度にかけて実施した調査により得られた飛行回数のデータを基に、平成十七年度における飛行回数を推定した上で、再編後の標準飛行回数を算出したものである。

1の(4)について

 防衛施設庁においては、厚木飛行場について、昭和五十四年九月五日、昭和五十六年十月三十一日、昭和五十九年五月三十一日、昭和六十一年九月十日及び平成十八年一月十七日に、普天間飛行場について、昭和五十六年七月十八日及び昭和五十八年九月十日に、それぞれ第一種区域の指定を行っており、これらの指定に当たり、騒音度調査を実施するなどしたところである。
 また、御指摘の「普天間の平成十五から十七年度騒音度調査データ」については、普天間飛行場周辺の騒音状況を確認するため実施した調査において得られた平成十五年度から平成十七年度までの三か年の平均騒音発生回数を基に、岩国飛行場へ移駐する航空機の飛行割合等を勘案し、飛行回数を算出したものである。
 御指摘の「代表性の根拠」の意味するところが必ずしも明らかではないが、「住民説明会資料」における再編後の一日の標準飛行回数の算出に当たっては、右に述べた調査のうち、厚木飛行場については、直近の平成十八年一月十七日の第一種区域の指定に際し平成十五年度から平成十六年度にかけて実施した騒音度調査により得られた飛行回数のデータを、普天間飛行場については、直近の平成十五年度から平成十七年度までの三か年の平均騒音発生回数を基に算出した飛行回数のデータをそれぞれ採用したものである。

1の(5)について

 御指摘の標準飛行回数については、現状の三百二十六回に、岩国飛行場へ移駐する空母艦載機の厚木飛行場における飛行回数と、KC−一三〇空中給油機の普天間飛行場における三か年の平均騒音発生回数を基に算出した飛行回数を加え、厚木飛行場に移駐する海上自衛隊航空機及びグアムへ移駐する海兵隊CH−五三Dヘリコプターの岩国飛行場における飛行回数を差し引いた結果、三百八十九回となっており、現状の標準飛行回数に比べ、六十三回増えているものである。

1の(6)について

 防衛施設庁として、時間帯別の飛行回数を記した資料は有していないことから、お答えすることは困難である。
 なお、「住民説明会資料」は、日別及び機種別の飛行回数を記した資料等を使用して作成したものである。

1の(7)及び(8)について

 空母艦載機及びKC−一三〇空中給油機(以下「空母艦載機等」という。)が岩国飛行場に移駐した場合の運用の詳細については、現段階において承知していないことから、「住民説明会資料」の作成に当たっては、標準飛行回数について、現在の厚木飛行場及び普天間飛行場における運用実態を考慮して算定したものである。
 いずれにせよ、防衛施設庁としては、実際に空母艦載機等が岩国飛行場に移駐した後、現地において騒音度調査を行い、適切に対応する考えである。

1の(9)について

 「住民説明会資料」に示している空母艦載機等の移駐後の岩国飛行場の飛行経路については、岩国沖合移設事業に係る環境影響評価準備書作成の際に想定した標準的な飛行経路と同様のものとなる見込みであり、このことは、日米間で確認している。
 また、当該飛行経路は、あくまで標準的なものを示したものであり、すべての米軍航空機が同様に飛行することを確認したものではない。

1の(10)について

 お尋ねの「厚木、岩国などで調査した結果得られた騒音データ」については、飛行経路のほぼ直下に位置する場所で、機種ごとの航空機騒音を複数回録音するとともに、当該場所から航空機までの距離を測定し、録音した航空機騒音の周波数成分を分析するなどして音源から一メートル離れた仮想的な球面上での周波数別の平均的な音圧レベルを求め、これを基に、音源から任意の距離にある球面上の騒音レベルを算出したものであり、過去に得られた機種ごとの平均的なデータと比較検討して使用しているものである。

2の(1)及び(2)について

 厚木飛行場、横田飛行場、普天間飛行場及び嘉手納飛行場以外の飛行場については、日米合同委員会において航空機騒音規制に関する合意がなされていないが、岩国飛行場については、岩国市、国、山口県及び現地米軍の代表者をもって構成される「岩国日米協議会」における協議の結果を踏まえ、米軍は、厚木飛行場等の四飛行場と同様に、岩国飛行場に係る運用上の所要を勘案した上で、航空機騒音の軽減についてできる限りの措置を講じているものと承知している。
 このことについては、御指摘の「騒音訴訟」の有無とは関係のないものと考えており、また、日米合同委員会における合意を要するとは必ずしも考えていない。

2の(3)について

 御指摘の「合意事項」については、地元の要望を踏まえ、日本側から発議し、日米合同委員会において合意されたものである。



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