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平成二十年六月二十日受領
答弁第五二一号

  内閣衆質一六九第五二一号
  平成二十年六月二十日
内閣総理大臣 福田康夫

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員佐々木憲昭君提出財団法人日本美術刀剣保存協会に対する文化庁の実地検査ならびに「平成十三年問題」についての協会の「釈明」に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員佐々木憲昭君提出財団法人日本美術刀剣保存協会に対する文化庁の実地検査ならびに「平成十三年問題」についての協会の「釈明」に関する質問に対する答弁書



一について

 文化庁では、財団法人日本美術刀剣保存協会(以下「協会」という。)が行う刀剣及び刀装具の審査(以下「刀剣等審査」という。)の実態を把握するため、平成二十年二月二十七日から四月二十三日までの期間にわたる合計十二日間、協会に対する実地検査を行った。実地検査においては、刀剣等審査の実施状況、刀剣等審査の申請状況その他個別の刀剣等審査に係る事項等に関し、協会が保有する書類等を調査するとともに協会役員及び職員から説明を聴取した。

二の(一)の@について

 御指摘の件については、実地検査において、@平成十九年六月及び七月の刀剣等審査において、受付期間外の申請を受け付けていたこと、A同年六月の刀剣等審査における申請番号六百三十番の申請及び同年七月の刀剣等審査における申請番号千百八十二番から千百八十九番までの申請については、いずれも受付期間外の申請であるにもかかわらず、申請が受け付けられており、それぞれ、申請書に御指摘の内容のメモが付されていたこと、B同年六月の刀剣等審査における申請番号六百三十二番の申請についても、受付期間外の申請であり、当該申請の申請者及び扱者が御指摘のとおりの者とされていたことがそれぞれ確認された。
 また、御指摘の事項以外に平成十九年十月、平成二十年二月及び同年三月の刀剣等審査においても、受付期間外の申請を受け付けていたことが確認された。
 さらに、刀剣等審査の審査結果について協会の規程上必要とされている決裁を得ていない事例があること、刀剣等審査において申請の受付後から指定書の交付までの間に申請者名が変更されている事例があること、役職員が個人として預かった刀剣等を寄託手続によらずに収蔵庫に保管している事例があることが確認された。また、刀剣等審査の申請書等を点検すると、同一住所であるにもかかわらず異なる姓名が記載されている申請書等が複数組あること等も確認された。

二の(一)のAについて

 御指摘の件については、平成十七年九月二十六日付けの「小泉忠雄」名の刀剣等審査の申請書に記載された会員番号は存在しないことが確認された。協会によると、御指摘の「小泉忠雄」氏については、当該申請書が提出された平成十七年九月当時、非会員であったにもかかわらず、刀剣等審査の申請を受け付けたものであるが、平成二十年一月までに入会手続を完了したものであるとのことである。
 なお、当該申請書に記載された住所で示された地域が広範囲に及ぶことから、「小泉忠雄」氏が当該住所に居住しているか否かについては、確認できなかった。

二の(一)のBについて

 非会員からの申請については、協会から文化庁に提出された平成二十年一月三十一日付けの報告書によれば、平成十六年度及び平成十七年度の刀剣等審査における合格者であって、申請の際に非会員であったもの(以下「非会員合格者」という。)は合計四十三名であり、全員が協会に入会したとされていたが、実地検査においては、非会員合格者の数が四十三名より多いことが確認されており、非会員合格者の全員が会員となっていない可能性がある。

二の(二)について

 文化庁としては、平成二十年五月三十日付け文書により、受付期間外の申請を受け付けるなど協会で定めた規程等が遵守されていない実態について速やかに改善するとともに改善のため講じた措置を報告すること、これまでに協会から文化庁に提出された報告書の内容と異なる事実が見受けられたこと等について確認し、報告すること等を指導したところである。

二の(三)について

 御指摘の太刀については、実地検査において、協会役員から、平成十九年十月二十三日から二十四日に開催された第五十三回重要刀剣等審査の第二段階審査の結果、当該太刀の名称に「伝古吉井」を用いることとされ、当該結果について会長までの決裁を得た後、同年十一月六日に田野辺理事が当該太刀に関連する有力な文献の記述を新たに発見したため、協会内部の審査員とともに当該文献の記述を踏まえて当該太刀の審査結果を見直し、その結果、当該太刀の名称には「伝新田庄」を用いることとしたものである旨の説明を聴取した。
 文化庁としては、審査結果について会長の決裁を得た後に改めて会長の決裁を得ずに審査結果を変更したこと等については、協会が定める規程に反することから、今後は規程に則った手続をとるよう指導したところである。
 なお、協会の美術刀剣等審査規程は、平成十九年十月十五日付けで改正され、審査会に審査委員長を置くこととされている。

三について

 文化庁としては、協会から文化庁に提出された平成十三年十一月七日付けの文書は、協会の職印が押印されていること等から、協会としての意思に基づくものであると理解しているが、当該文書の内容を協会内で周知させるべきところ、周知がなされていなかったことについては、協会から文化庁に提出された平成十九年三月三十日付けの文書により報告を受けているところである。
 いずれにしても、文化庁としては、協会においては、刀剣等審査の公正性及び透明性が確保されるために必要な対応をすべきであると考えている。



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