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平成二十一年三月六日受領
答弁第一五八号

  内閣衆質一七一第一五八号
  平成二十一年三月六日
内閣総理大臣 麻生太郎

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員大串博志君提出諫早湾干拓農地における農業用水に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員大串博志君提出諫早湾干拓農地における農業用水に関する質問に対する答弁書



一について

 御指摘の代替水源のうち(ア)については、現時点で利用可能な下水処理水の水量からみて、国営諫早湾土地改良事業(以下「事業」という。)の事業計画上新たな水源として必要な年間総取水量三百三十万立方メートルを確保することが不可能であること、(イ)については、ため池を設置する広大な遊休地の確保が困難であること、(ウ)については、調整池流入河川に渇水時に利水可能な余剰水量は存在しないこと、(エ)については、多額の建設費用を要すること、などの課題が存在することから、御指摘のいずれの方策によっても、事業により造成された干拓地(以下「干拓地」という。)の農業用水として利用することは困難であると考えており、現時点で具体的な検討は行っていない。

二について

 御指摘の国営諫早湾土地改良事業変更計画書(以下「事業計画書」という。)における干拓地の消費水量等は、「土地改良事業計画設計基準 計画「農業用水(畑)」の制定について」(平成九年六月三日付け農林水産事務次官依命通知)、「土地改良事業計画設計基準 計画「農業用水(畑)」の運用について」(平成九年六月三日付け農林水産省構造改善局長通知)及び「土地改良事業計画設計基準 計画「農業用水(畑)」の解説及び技術書について」(平成九年六月三日付け農林水産省構造改善局計画部資源課長通知)に基づき算出されたものであり、具体的には、事業の実施により造成した小江干拓地における実測値を基に算定した干拓地全体の消費水量四百九十二万立方メートルから計画基準年(十年に一度程度の渇水が発生したとして基準とした年(平成八年)をいう。以下同じ。)における有効雨量(畑地に降った雨水のうち、作物の生育に直接有効なものをいう。以下同じ。)二百十三万立方メートルを差し引き、かんがいにより損失すると想定される水量四十九万立方メートル及び雑用水の量二万立方メートルを加えることにより、畑地かんがいに必要な水量三百三十万立方メートルを求めている。

三の@について

 干拓地においては、土づくりのために畑地かんがいを必要としない緑肥が作付けされたこと、畑地かんがいが一部の露地野菜や施設園芸にとどまったことなど畑地かんがいによる営農が本格化していないこと、平成二十年四月から同年十二月までの有効雨量が計画取水量の前提となっている計画基準年における四月から十二月までの期間と比較して多かったこと等によるものであると考えている。

三のAについて

 計画取水量と現在の取水量とのかい離が生じた理由は三の@についてでお答えしたとおりであり、干拓地の営農は、入植者及び増反者の営農計画によれば、今後、畑地かんがいによる営農の定着は着実に進むことが見込まれることから、調整池からの取水量も増加するものと考えている。

四の@について

 長崎県からの聞き取りによれば、施設園芸については、平成二十一年一月十三日時点において約五ヘクタール栽培されており、平成二十年度末には約十ヘクタールの栽培となる予定である。また、入植者及び増反者の営農計画によれば、今後、施設園芸の栽培の規模拡大が行われることが見込まれることから、施設園芸の栽培面積は増加していくものと考えている。

四のAについて

 施設園芸のみに使用されている水量をほ場ごとには把握していないが、施設園芸の栽培においては、施設により降雨が遮断されることから、露地野菜に比べ多量にかん水しなければならないため、施設園芸の栽培増加面積に応じて取水量が増加することとなると考えている。

四のBについて

 御指摘の二か所の地下水ポンプについては、事業実施中の試験栽培又は農産物流通加工施設で用いる農産物の洗浄目的で設置されたものであり、干拓地のかんがい目的に設置されたものではない。このため、施設園芸の作付けが増加すれば、調整池からの取水量も増加するものと考えている。

五の@について

 平成二十年四月から同年十二月までの有効雨量については、三の@についてでお答えしたとおり、計画取水量の前提となる計画基準年の四月から十二月までの期間と比較して多い状況となっている。

五のAについて

 事業計画書における十年に一度程度発生する渇水の検討に当たっては、昭和三十六年から平成十二年までの四十年間のうち有効雨量が四番目に少ない平成八年を計画基準年としている。

五のBについて

 御指摘の「二重に評価するもの」が何を示すかが必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難である。

六の@について

 御指摘の二か所のポンプのうち、小江干拓地のポンプについては、平成八年三月に国が平成八年度から平成十八年度までの試験栽培に使用するために設置したものであり、現在使用されていない。
 また、中央干拓地のポンプについては、平成二十年六月に諫早湾中央干拓用水施設利用組合が農産物流通加工施設で用いる農産物の洗浄用水として利用するために設置したものであり、財団法人長崎県農業振興公社からの聞き取りによれば、現在二経営体が利用しており、平成二十年八月から平成二十一年一月までの使用水量は約二千九百立方メートルと聞いている。

六のAについて

 現在使用されている地下水ポンプは、一部の営農者を含む諫早湾中央干拓用水施設利用組合が農産物の洗浄目的で設置したものであり、干拓地のかんがい用水については、調整池から取水した水を利用していることから、御指摘の懸念が営農者にあるとは考えていない。

七について

 諫早中央浄化センターの処理水を利用することについては、一についてでお答えしたとおり、干拓地において必要な年間総取水量三百三十万立方メートルを確保することが不可能であることなどの課題が存在し、農業用水として利用することは困難と考えている。

八について

 お尋ねの「下水処理水を農業用水として再利用することについての水質基準」が何を示すかが必ずしも明らかではないが、下水処理水を農業用水に利用した際の人体や畑作物に対する影響については、一般的に、畑作物の種類、下水処理水の水質等によって異なるため、お答えすることは困難である。

九について

 諫早中央浄化センターの処理水を利用することについては、一についてでお答えしたとおり、干拓地において必要な年間総取水量三百三十万立方メートルを確保することが不可能であることなどの課題が存在し、干拓地の農業用水として利用することは困難と考えており、現時点で具体的な検討は行っていないことから、お答えすることは困難である。

十の@について

 下水処理水の農業用水への再利用については、一般論として、水資源の有効利用に資するものであるものの、農業用水として利用するために必要な処理に係る費用が生じること、農作物への風評被害のおそれがあること等の課題があるものと考えている。このことから、下水処理水の農業用水への利用については、水の不足する地域であり、かつ、他に水源の選択肢がないなどの条件が満たされる地域において、当該地域の要請に応じて、農業用水に利用した際の畑作物に対する影響がないこと及び採算が取れることを確認した上で、推進することもあるものと考えている。

十のAについて

 干拓地において、下水処理水を農業用水として利用することについては、一についてでお答えしたとおり、これに必要な年間総取水量三百三十万立方メートルを確保することが不可能であることなどの課題が存在することから、困難と考えている。



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