答弁本文情報
平成二十二年三月五日受領答弁第一六〇号
内閣衆質一七四第一六〇号
平成二十二年三月五日
衆議院議長 横路孝弘 殿
衆議院議員木村太郎君提出橋の長寿命化の修繕計画に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員木村太郎君提出橋の長寿命化の修繕計画に関する質問に対する答弁書
一について
御指摘の勧告は、橋梁の効率的な維持管理の推進並びに橋梁の安全性及び信頼性の確保の観点から、橋梁の長寿命化対策の推進、道路台帳等の整備の徹底、地方公共団体における定期点検等の実施促進のための技術支援等を求めたものである。
御指摘の試算については、総務省において、橋梁の長寿命化対策に取り組んでいる代表的な地方公共団体が、対策を講じなかった場合及び講じた場合について試算した今後五十年間の橋梁の維持管理等に係る経費の額に基づき、一橋梁当たりの当該経費がそれぞれ六千二百五十四万円及び三千五百七十四万円であると算定し、これらの数値を用いて、全国の地方公共団体が管理する約六十五万の道路橋(道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第三条に掲げる道路の一部を構成する橋梁をいう。ただし、横断歩道橋を除く。以下同じ。)について、長寿命化対策を講じず、いわゆる「事後保全型」の維持管理をした場合には、今後五十年間で、維持管理等に係る経費は約四十兆七千億円となるのに対し、対策を講じて計画的に維持管理した場合には、当該経費は約二十三兆三千億円となると試算したものである。
国土交通省においては、建設から五十年を経過している橋長十五メートル以上の道路橋の数は、平成二十一年四月現在、全国で一万千六百六十八であると把握している。
なお、国においては、建設から五十年経過したことをもって、道路橋の架け替えを行う判断の目安としているという事実はない。
社会資本整備重点計画(平成二十一年三月三十一日閣議決定)においては、地方公共団体が管理するものを含む、橋長十五メートル以上の道路橋に関して、「全国道路橋の長寿命化修繕計画策定率」を平成二十四年度におおむね百パーセントとするという目標を定めている。
国は、地方公共団体における道路橋の長寿命化修繕計画の策定を促すため、地方公共団体による同計画の策定等に要する費用の二分の一を補助している。
今後、地方公共団体が管理する道路橋の修繕等に関しては、平成二十二年度に創設することとしている社会資本整備総合交付金(仮称)により支援を行う予定であり、制度の詳細について、現在検討しているところである。
また、地方公共団体の職員も参加できる道路橋の点検に関する講習会の開催、道路橋の健全度の概略を簡易に把握するための「道路橋に関する基礎データ収集要領(案)」の地方公共団体への提供並びに道路橋の点検及び補修に関する技術的な助言も行ってきているところであり、引き続き、これらの取組により、地方公共団体における道路橋の長寿命化対策の推進を支援してまいりたい。