答弁本文情報
平成二十二年八月二十日受領答弁第三五号
内閣衆質一七五第三五号
平成二十二年八月二十日
衆議院議長 横路孝弘 殿
衆議院議員鈴木宗男君提出ロシアによる対日戦勝記念日の制定に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員鈴木宗男君提出ロシアによる対日戦勝記念日の制定に関する質問に対する答弁書
一について
お尋ねの件については、在ロシア連邦日本国大使館から外務本省に対し、九月二日を「第二次世界大戦終了の日」としてロシア連邦の記念日に新たに追加する内容の「ロシアの軍事的栄光の日及び記念日に関する連邦法」(以下「連邦法」という。)の改正法にメドヴェージェフ・ロシア連邦大統領が署名したことに関する報告が行われたが、当該報告の詳細を明らかにすることは、同大使館による今後の情報収集活動に支障を及ぼすおそれがあることから、差し控えたい。
連邦法の改正(以下「連邦法改正」という。)は、九月二日を「第二次世界大戦終了の日」としてロシア連邦の記念日に新たに追加するものであり、九月二日を祝日とするものではなく、新たに追加された記念日の名称が「対日戦勝」等の我が国への言及を含むものでもないことから、政府としては、連邦法改正が今後の日露関係に対して直ちに否定的な影響を与えるとは考えていないが、現在の日露関係にふさわしいものとは言えず、我が国の国民感情にかんがみ残念であったと考えている。
御指摘の「発言応答要領」の意味するところが必ずしも明らかではないが、岡田外務大臣及び武正外務副大臣が御指摘の記者会見を行うに当たっては、外務省欧州局ロシア課において参考資料を作成した。当該参考資料は、岡田外務大臣及び武正外務副大臣が記者会見において自ら発言を行うに際して参考として使用した部内用資料であり、その性質にかんがみ、作成を担当した外務省職員の官職及び氏名を始め当該参考資料の作成過程等の詳細を明らかにすることは差し控えたい。
岡田外務大臣及び武正外務副大臣は、連邦法改正の経緯及び背景について、事務当局から説明を受けていた。
申入れという言葉は様々な文脈で用いられており、お尋ねについて一概にお答えすることは困難であるが、一般に、一方の当事者が他方の当事者に対して自らの意思を伝達することを意味すると承知している。
抗議という言葉は様々な文脈で用いられており、お尋ねについて一概にお答えすることは困難であるが、一般に、相手の発言、決定、行為等に対して反対の意見を申し立てることを意味すると承知している。
お尋ねについては、兼原外務省欧州局参事官からオヴェチコ在日本国ロシア連邦臨時代理大使に対し、電話にて「今回の改正法は、現在の日露関係にふさわしいとは思えず、また、日本国民、特に、元島民の方々の感情にかんがみれば、このような法改正は残念である。今後、本件が日露関係に否定的な影響を及ぼさないよう、適切に対応してほしい。日本側として今後のロシア側の対応を注視していく。」との内容の申入れを行ったところであり、こうした対応は、諸般の事情にかんがみ、適切なものであったと考える。
政府としては、連邦法改正に関する法案がロシア連邦国家院に提出される前から、また、当該法案がロシア連邦国家院に提出された後の期間においても、ロシア側に対してしかるべく働きかけを行っており、御指摘は当たらないものと考える。