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答弁本文情報

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平成二十三年五月十日受領
答弁第一五〇号

  内閣衆質一七七第一五〇号
  平成二十三年五月十日
内閣総理大臣 菅 直人

       衆議院議長 横路孝弘 殿

衆議院議員馳浩君提出鳥インフルエンザ対策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員馳浩君提出鳥インフルエンザ対策に関する質問に対する答弁書



一について

 昨年十一月以降の養鶏場での高病原性鳥インフルエンザの発生に際しては、直ちに専門家から成る疫学調査チームを現地に派遣し、立入検査を実施した結果、発生養鶏場には、それぞれ、防鳥ネットに隙間や穴があること、ネズミ等の野生動物が鶏舎内に侵入していることといった衛生管理上の問題があることを確認しており、引き続き、感染経路の究明のための専門家による疫学調査を進めることとしている。

二について

 昨年十一月から本年三月までの養鶏場での高病原性鳥インフルエンザの発生による殺処分羽数は、肉用鶏で約七十二万羽、採卵鶏で約百十万羽であったが、肉用鶏の平成二十一年における全国の年間出荷羽数である約六億三千万羽、採卵鶏の平成二十一年二月における全国の飼養羽数である約一億四千万羽に比べると僅かであった。このため、流通面で一時的に生じた鶏肉及び鶏卵の供給量の減少は、在庫の放出等により短期間で回復し、結果として、鶏肉及び鶏卵の価格に大きな変化は見られなかったところである。

三について

 農林水産省のホームページ等において、家きんの肉や卵を食べて鳥インフルエンザウイルスが人に感染することは世界的に報告されていないことを説明している。また、食品小売業者団体等に対し、不適切な表示や発生県産であることのみを理由とした取引拒否等が行われることのないよう適切な対応を要請している。さらに、不適切な表示が確認された場合には、その是正を要請している。

四について

 養鶏場に出入りする運送業者、飼料業者等に対しても防疫措置を徹底させることが必要であると認識しており、本年四月四日に公布された家畜伝染病予防法の一部を改正する法律(平成二十三年法律第十六号)による改正後の家畜伝染病予防法(昭和二十六年法律第百六十六号。以下「新法」という。)第八条の二において、家畜の所有者は畜舎等の出入口付近に消毒設備を設置しなければならないこととされ、また、当該設備が設置されている畜舎等に入る者は、あらかじめ、当該設備を利用して、その身体、持ち込む物品及び車両を消毒しなければならないこととされたところである。

五について

 新法第六十二条の四において、農林水産大臣及び関係行政機関の長は、家畜の伝染性疾病の予防又はまん延の防止に関する事項について、相互に緊密に連絡し、及び協力しなければならないとされていることを踏まえ、関係府省の連携を一層強化し、高病原性鳥インフルエンザの発生予防等に万全を期すこととしている。

六について

 御指摘の野鳥や動物園における飼育動物が高病原性鳥インフルエンザに感染した場合については、新法第十条において、高病原性鳥インフルエンザが当該動物から家畜に伝染するおそれが高いと認めるときは、都道府県知事は、当該動物がいた場所又はその死体があった場所等の消毒、通行制限等を行うことができるとされたところである。

七について

 高病原性鳥インフルエンザの感染には渡り鳥が関与しているとの指摘があることは認識しており、渡り鳥等の研究者間のネットワークをいかして、関係国との連携を強化しつつ、情報の共有等を進める考えである。

八について

 現在開発されている高病原性鳥インフルエンザのワクチンは、当該疾病の発症は抑制できても感染は抑制できないため、ワクチン接種後に感染した鶏の発見が遅れ、その結果当該疾病がまん延するおそれがあるという問題点があると認識しており、このため、現在、より効果の高いワクチンや感染予防が可能なワクチンの開発に取り組んでいるところである。
 また、高病原性鳥インフルエンザのワクチンの使用については、原則として、同一の地域内における複数の養鶏場で発生が続発し、発生養鶏場において飼養されている鶏の迅速な殺処分が困難となり、又は困難となるおそれがあると判断される場合に限ることとしている。



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