答弁本文情報
平成二十三年五月十三日受領答弁第一六一号
内閣衆質一七七第一六一号
平成二十三年五月十三日
内閣総理大臣 菅 直人
衆議院議長 横路孝弘 殿
衆議院議員馳浩君提出海賊対処法の適用に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員馳浩君提出海賊対処法の適用に関する質問に対する答弁書
一について
お尋ねの被害船舶は日本関係船舶(日本籍船及び我が国の船舶運航事業者が運航する外国籍船をいう。)であり、同船舶の運航会社からの要請を受け、我が国がソマリア沖に展開する有志連合軍に救助要請を行い、これに応じた有志連合軍の一員である米国艦艇が当該海賊を拘束し、同米国艦艇から我が国に対し引取りの要請が行われた。また、我が国から船籍国であるバハマに対し、管轄権を行使する意思について照会したところ、バハマから管轄権を放棄する旨の通知があった。その上で、当該海賊の処分をソマリア周辺国に委ねることは困難であると見込まれること等も総合的に勘案し、海賊に対する毅然とした我が国の態度を内外に示すためにも、我が国が同海賊を引き受けた上で国内法に基づく刑事手続をとることとしたものである。
個別具体的な事件における捜査機関の活動内容に関わる事柄については、答弁を差し控えたい。
政府としては、各国が海賊行為に対して国際法及び国内法に基づき適切に対応することが海賊行為の抑止につながるものと考えており、お尋ねの海賊行為に対して我が国が刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)及び国際的な刑事共助の枠組みにおいて適切に対応することは、国際的に果たすべき責任であると認識している。
政府としては、国外で行われる海賊行為に対しては、今後とも、他の国外犯処罰規定に係る刑事手続と同様、現行の刑事訴訟法及び国際的な刑事共助の枠組みにおいて適切に対応することとしている。