答弁本文情報
平成二十三年五月三十一日受領答弁第一九一号
内閣衆質一七七第一九一号
平成二十三年五月三十一日
衆議院議長 横路孝弘 殿
衆議院議員橘慶一郎君提出人工内耳を装用している聴覚障害児に対する支援及び教育に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員橘慶一郎君提出人工内耳を装用している聴覚障害児に対する支援及び教育に関する質問に対する答弁書
一及び二について
厚生労働省が行った調査によれば、本年四月一日現在、全国に二十四か所設けられている難聴幼児通園施設には、児童福祉施設最低基準(昭和二十三年厚生省令第六十三号)第六十一条第三項に規定する聴能訓練担当職員及び言語機能訓練担当職員が、合計で百六十二名配置されている。これらの職員のうち、言語聴覚士の資格を有する者は、百二十五名であり、全ての難聴幼児通園施設に少なくとも一名が配置されている。また、同日現在、このうち十九か所の難聴幼児通園施設に、人工内耳を装用している障害児が百二十七名通園している。
厚生労働省としては、難聴幼児通園施設において、人工内耳を装用している障害児に対する聴能訓練、言語機能訓練等の支援が行われた場合には、当該施設に対して支払う報酬の加算を行っているところであり、今後とも、このような措置により、人工内耳を装用している障害児に対し、適切な支援が行われるよう努めてまいりたい。
文部科学省としては、特別支援学校の学習指導要領及び教育要領において、聴覚障害者である幼児児童生徒に対する教育を行う特別支援学校に対し、人工内耳等の感覚の補助手段の利用により、幼児児童生徒の保有する聴覚を最大限に活用し、効果的な学習活動が展開できるようにするとともに、自立活動の指導を行う際には、幼児児童生徒の障害の状態により、必要に応じて、専門の医師及びその他の専門家の指導・助言を求めるなどにより、適切な指導ができるようにすることを求めているところである。
また、平成二十年度及び平成二十一年度に同省が実施した「PT、OT、ST等の外部専門家を活用した指導方法等の改善に関する実践研究事業」並びに現在、独立行政法人国立特別支援教育総合研究所が実施している「軽度・中等度難聴児に対する指導と支援の在り方に関する研究」の成果も生かしつつ、今後とも、各学校において、言語聴覚士を活用するなどにより、聴覚障害のある幼児児童生徒に対する適切な指導等が行われるよう努めてまいりたい。