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答弁本文情報

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平成二十三年九月二十七日受領
答弁第二五号

  内閣衆質一七八第二五号
  平成二十三年九月二十七日
内閣総理大臣 野田佳彦

       衆議院議長 横路孝弘 殿

衆議院議員高市早苗君提出台風十二号被災地の復旧対策及び今後の防災対策等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員高市早苗君提出台風十二号被災地の復旧対策及び今後の防災対策等に関する質問に対する答弁書



一の@及びBについて

 政府としては、社会資本整備については、国民にとって本当に必要なものかどうかを見極め、真に必要なものを戦略的かつ重点的に進めることが重要であると考えており、国民の生命・財産を守るために必要な道路の整備、橋梁の改築及び修繕、水害・土砂災害対策等を推進してまいりたい。

一のAについて

 お尋ねの「利用人数をベースとした「B/C」」とは、費用便益比を指していると思われるが、道路整備の効果は、費用便益比で算定している走行時間の短縮等にとどまらず、災害時の救助及び救援活動の支援、緊急物資の輸送等多岐にわたると考えている。
 このため、現在、国土交通省においては、道路の果たす防災面の機能を適切に評価する手法について検討しているところであり、その検討結果等を踏まえ、道路事業の多様な目的及び効果に見合った評価手法の充実を図ってまいりたい。

二の@について

 お尋ねについては、平成二十三年八月二十九日から九月七日までの間の暴風雨及び豪雨による災害についての激甚災害並びにこれに対し適用すべき措置の指定に関する政令(平成二十三年政令第二百九十九号)により、激甚災害及びこれに対し適用すべき措置の指定(以下「激甚災害等の指定」という。)を行ったところである。

二のAについて

 激甚災害等の指定に当たっては、関係省庁及び地方公共団体による被害状況の調査の結果等に基づき、指定基準(「激甚災害指定基準」(昭和三十七年十二月七日中央防災会議決定)及び「局地激甚災害指定基準」(昭和四十三年十一月二十二日中央防災会議決定)をいう。)を満たすものを指定しているところである。
 政府としては、被害状況の把握において簡素な方法を用いること等により、今後とも、速やかに、激甚災害等の指定を行ってまいりたい。

三の@について

 お尋ねの「土砂ダム」については、平成二十三年九月十六日午後二時現在、十七か所で確認しており、これらのうち五か所については、土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律(平成十二年法律第五十七号。以下「土砂災害防止法」という。)に基づき、国土交通大臣による緊急調査を実施し、水位計や監視カメラ等の設置により土砂災害の監視や警戒を行い、避難体制の確保に努めているところである。また、緊急調査を実施した五か所のうち、満水となり越流のおそれがあり、緊急に対応する必要性の高い奈良県五條市大塔町赤谷及び和歌山県田辺市熊野の二か所については、国土交通省による排水等の緊急的な対策工事に着手したところである。

三のAについて

 平成二十三年九月十六日午後二時現在、お尋ねの道路及び橋梁については、三重県、奈良県及び和歌山県(以下「三県」という。)で八百を超える箇所の被害が報告されており、今後も調査の進捗に応じ増える見込みであるが、通行規制については、国土交通省が管理する国道では、最大で十九区間あった通行止め区間の全てで通行規制が解除されており、三県が管理する国道では、最大で六十四区間あった通行止め区間が二十四区間に減少しているところである。また、お尋ねの土砂災害については、三県で八十七か所の被害が報告されている。
 このため、同省においては、再度災害の防止の観点からの技術指導等を目的として、同省国土技術政策総合研究所、独立行政法人土木研究所の職員等からなる専門家を現地に派遣し、今後の対策等の検討を行っているところである。
 また、同年九月八日に同省及び三重県で「熊野地域公共土木施設復旧プロジェクトチーム」を、同月九日に同省及び奈良県並びに同省及び和歌山県で「道路復旧支援チーム」をそれぞれ発足させたところであり、現在、同省において、三県における被災施設等の復旧工法の検討を行う等の支援を行っているところである。
 政府としては、今後とも、三県の被災施設等の早期復旧に向けて全力で支援してまいりたい。

三のBについて

 お尋ねについては、各教育委員会及び各学校において、学習面での配慮等を含め、適切に対応されるものと考えているが、被害の状況や各教育委員会からの要望等を踏まえ、政府としても必要な支援について検討してまいりたい。

三のC及びDについて

 今後、被害状況が明らかになる中で、財政措置が必要と判断される場合には、平成二十三年度予算の予備費の活用や平成二十三年度第三次補正予算への必要な経費の計上も視野に入れてまいりたい。

三のEについて

 平成二十四年度予算概算要求の提出期限は、平成二十三年九月末としているところであり、現時点では、各府省庁から財務省へ提出されていない。

四の@について

 お尋ねの被災地の林業再建に当たっては、林道の復旧が急務であると考えており、今後とも、関係地方公共団体と連携しながら、被害の実態把握に努めるとともに、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律(昭和二十五年法律第百六十九号)に基づく災害復旧事業等により、早急に林道の復旧が行われるよう支援してまいりたい。

四のAについて

 お尋ねの被災地の観光関連産業への支援については、観光庁において、観光事業者に対し、公的金融機関による融資等の支援策に関する情報提供を行ったところである。

五の@について

 お尋ねについては、国土交通省において、関連する調査研究を進めており、そのうち特に深層崩壊については、平成二十二年八月に、これまでの研究を基に、全国の深層崩壊推定頻度マップを公表したところである。今後は、深層崩壊の頻度が特に高いと推定される地域を中心に更に調査を実施するなど、学術的に未解明な部分が多い大規模土砂災害のメカニズムについて、科学的知見の蓄積を図るべく、引き続き、調査研究を進めてまいりたい。

五のA及びBについて

 お尋ねについては、現時点においては、大規模土砂災害の「監視」及び「警戒」に関するシステムの確立のための具体的な予算措置を行う予定はないが、土砂災害防止法に基づく緊急調査の実施や土砂災害緊急情報の通知等を通じて土砂災害の監視や警戒を行っているところであり、今後とも正確かつ迅速な情報の把握及び提供に努めてまいりたい。

五のCについて

 政府としては、「防災基本計画」(昭和三十八年六月十四日中央防災会議決定)に基づき、地形、災害に対する安全性等に配慮した避難場所の確保等が図られるよう、これまでも、地方公共団体に対して適切に対応するよう促してきたところである。
 引き続き、今般の災害に係る避難の実態を把握し、適切に対応してまいりたい。

五のDについて

 御指摘の「間伐後に放置された木」による被害の状況は明らかではないが、いずれにしても、林野庁においては、森林管理・環境保全直接支払制度等により、可能な限り伐採木を林外に搬出する間伐を推進しているところであり、また、必要に応じ、残存木や枝条等が斜面下部へ流出することを防ぐための木柵等や、渓流に流出した流木を捕捉するための施設を設置する等の流木災害の防止対策を推進しているところである。



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