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平成二十四年四月十日受領
答弁第一六四号

  内閣衆質一八〇第一六四号
  平成二十四年四月十日
内閣総理大臣 野田佳彦

       衆議院議長 横路孝弘 殿

衆議院議員橘慶一郎君提出ナノテクノロジーに係る共用インフラの今後の展開に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員橘慶一郎君提出ナノテクノロジーに係る共用インフラの今後の展開に関する質問に対する答弁書



一について

 文部科学省においては、特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律(平成六年法律第七十八号。以下「共用促進法」という。)に基づき共用を促進するための措置を講じている特定先端大型研究施設(共用促進法第二条第二項に規定する特定先端大型研究施設をいう。以下同じ。)以外に、大学、独立行政法人等が有し、他の機関では整備が困難なナノテクノロジーに関する最先端の研究設備の産学官の研究者等による共用の促進を図ることを目的として、平成十四年度から平成十八年度まで「ナノテクノロジー総合支援プロジェクト」を、平成十九年度から平成二十三年度まで「ナノテクノロジーネットワーク」をそれぞれ実施してきたところである。
 これらの成果を踏まえ、平成二十四年度から開始することとしている「ナノテクノロジープラットフォーム」においては、ナノテクノロジーに関する研究ニーズの高度化に対応し、最先端の研究設備による強固な研究基盤を形成することを目的として、微細構造解析、微細加工及び分子・物質合成の各技術領域ごとに、大学、独立行政法人等が有する最先端の研究設備を共用するための体制(以下「領域別プラットフォーム」という。)を構築し、各領域別プラットフォームの運営方針の策定等を担う代表機関を置くなどにより、各領域別プラットフォームにおける研究者等の利便の向上を図るとともに、各領域別プラットフォームにおける研究者等のニーズの集約及び分析、各領域別プラットフォームの運営に係る総合調整等を担うセンター機関を置くなどにより、領域別プラットフォーム相互の連携の促進を図るなどすることとしている。

二及び四について

 大型放射光施設SPring−8(以下単に「SPring−8」という。)及びX線自由電子レーザー施設SACLA(以下単に「SACLA」という。)は、加速された電子から放射される強い指向性と高い輝度を有する電磁波(以下「放射光」という。)を使用して研究等を行うための特定先端大型研究施設である。SPring−8は、幅広い波長の放射光を利用して、多様な物質の構造や性質の計測・分析を行うことが可能であり、この特徴をいかして、物質科学、環境科学、医学・生命科学等の様々な分野における研究開発や産業等への利用が期待されている。
 SACLAは、レーザーと放射光の特徴を併せ持ち、極めて波長が短く、短パルスである光を利用して、物質の原子レベルの超微細構造、化学反応の超高速の動態・変化等について、SPring−8を含む従来の施設では困難とされていた計測・分析を行うことが可能であり、この特徴をいかして、膜タンパク質等の構造等について原子レベルで解明することによる新たな創薬技術の開発、物質・材料中の反応過程等の超高速変化について原子レベルで可視化することによる革新的な蓄電池や太陽電池の開発等への利用が期待されている。
 大強度陽子加速器施設J−PARCは、ナノテクノロジーに関する研究等を行う物質・生命科学実験施設のほか、その他の分野に関する研究等を行う実験施設等からなる複合研究施設であり、物質・生命科学実験施設は、加速された陽子を原子核に衝突させることにより発生する中性子線を利用した研究等を行うための特定先端大型研究施設である。
 中性子線は、SPring−8及びSACLAが発生させる光と比較すると、金属に対する透過性が高く、また、水素等の軽元素を観測することに適しており、この特徴をいかして、金属の内部構造の可視化による鉄鋼材料の性能向上や安全性の高い製品の開発、物質中の水素原子の位置を特定することによる水素燃料電池の開発等への利用が期待されている。

三について

 SACLAによる計測・分析では、膨大な量のデータが得られるため、その解析を効率的かつ迅速に実施するためには、高性能な大規模計算機によるデータ処理が必要となる。そこで、SACLAで得られた膨大な量のデータを世界最高水準の演算性能を有するスーパーコンピュータ「京」等に効率的に転送して高度な解析を実現し、研究開発を加速するため、高速通信及びデータ保存の環境等の情報通信基盤を整備することとしている。

五について

 共用促進法及び「ナノテクノロジープラットフォーム」による研究設備等の共用を通じて、最先端の研究基盤を最大限に活用することにより、材料科学の分野においては、物質中の元素の役割を解明し、革新的な材料を開発し、生化学の分野においては、タンパク質の構造を解明し、画期的な治療薬を開発するなど、産業の国際競争力の強化及び豊かな生活の実現に貢献する成果が期待されている。



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