答弁本文情報
平成二十五年十月二十五日受領答弁第五号
内閣衆質一八五第五号
平成二十五年十月二十五日
衆議院議長 伊吹文明 殿
衆議院議員鈴木貴子君提出アイヌ民族政策の今後のあり方等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員鈴木貴子君提出アイヌ民族政策の今後のあり方等に関する質問に対する答弁書
一について
政府のアイヌ政策関係省庁連絡会議において、「「民族共生の象徴となる空間」基本構想」(平成二十四年七月三十一日)を決定したところであるが、当該基本構想に基づく「民族共生の象徴となる空間」(以下「象徴空間」という。)は、アイヌ文化復興等に関するナショナルセンターとして、アイヌの歴史、文化等に関する国民各層の幅広い理解の促進の拠点及び将来へ向けてアイヌ文化の継承、新たなアイヌ文化の創造・発展につなげるための拠点として位置付けられるものである。
象徴空間については、内閣官房長官を座長とする「アイヌ政策推進会議」において本年九月に了承された「象徴空間の整備に向けたロードマップ」において、平成二十五年度及び平成二十六年度の二年程度で、博物館、公園的土地利用等各分野の方針を固め、詳細な設計を行った上で、平成三十二年度までの一般公開を目指して整備を進めることとしている。
政府としては、象徴空間の管理運営については、アイヌの人々の意見を聴きながら、アイヌの人々の参画の在り方に留意しつつ検討を進めているところである。
政府としては、「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」の報告書(平成二十一年七月。以下「有識者懇談会報告書」という。)において「今後のアイヌ政策は、国の政策として近代化を進めた結果、アイヌの文化に深刻な打撃を与えたという歴史的経緯を踏まえ、国には先住民族であるアイヌの文化の復興に配慮すべき強い責任がある」と指摘されていることも踏まえ、象徴空間の整備、生活向上関連施策、国民理解の促進等に取り組んでまいりたい。
大学に保管されているアイヌの人々の人骨については、有識者懇談会報告書において「発掘・収集時にアイヌの人々の意に関わらず収集されたものも含まれていると見られている。」と指摘されていることも踏まえ、アイヌの精神文化を尊重する観点から、象徴空間において、これらの人骨について尊厳ある慰霊が可能となるような慰霊施設を設置することなどとしており、政府として早急に検討を進めてまいりたい。