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答弁本文情報

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平成二十六年六月二十七日受領
答弁第二四四号

  内閣衆質一八六第二四四号
  平成二十六年六月二十七日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 伊吹文明 殿

衆議院議員長妻昭君提出福島第一原発事故とその影響等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員長妻昭君提出福島第一原発事故とその影響等に関する質問に対する答弁書



一について

 お尋ねについては、他国における事故に関する事実関係であり、政府としてお答えする立場にないが、国際原子力機関(IAEA)(以下「IAEA」という。)のホームページによれば、チェルノブイリ原子力発電所事故から三か月以内に、同事故の処理に当たった関係者二十八名が死亡したとされている。
 また、お尋ねの「福島第一原発事故で、これまでに作業に従事された方」の意味するところが必ずしも明らかでないが、東京電力株式会社の公表によれば、平成二十三年三月十一日から平成二十六年三月三十一日までの東京電力株式会社福島第一原子力発電所における作業での災害の総数は百三十一件であり、そのうち、死亡者が三名、負傷者が八十五名であると承知している。さらに、その原因については、死亡者のうち二名が津波、一名が崩壊・倒壊であり、負傷者のうち主要なものは二十一名が切れ・こすれ、十九名が転倒・つまずきであると承知している。

二について

 お尋ねの「福島第一原発事故で作業に当たった方々に関して被ばく量の検査」の意味するところが必ずしも明らかでないため、お答えすることは困難であるが、労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)第二十七条第一項の規定に基づき、電離放射線障害防止規則(昭和四十七年労働省令第四十一号。以下「電離則」という。)第八条の規定により、電離則第二条第三項に規定する放射線業務(以下単に「放射線業務」という。)を行う事業者に対し、放射線業務に従事する労働者等が電離則第三条第一項に規定する管理区域(以下単に「管理区域」という。)内において受ける放射線量を測定することを義務付けている。
 また、お尋ねの「福島第一原発事故で作業に当たった方々」、「体調管理・健康診断」、「福島第一原発事故で作業に従事された方々」及び「健康管理」の意味するところが必ずしも明らかでないため、お答えすることは困難であるが、放射線業務に従事する労働者であって管理区域に立ち入るものについては、事業者に対し、同法第六十六条第一項の規定に基づき、労働安全衛生規則(昭和四十七年労働省令第三十二号)第四十三条及び第四十五条の規定による健康診断を義務付けていることに加え、同法第六十六条第二項の規定に基づき、電離則第五十六条の規定により、当該労働者の雇入れ時又は当該業務への配置替えの際及びその後六月以内ごとに一回、定期に、白血球数や赤血球数の検査等について健康診断を実施することを義務付けている。さらに、電離則第七条に規定する緊急作業に従事した労働者(以下「緊急作業従事者」という。)については、同法第七十条の二第一項の規定に基づく東京電力福島第一原子力発電所における緊急作業従事者等の健康の保持増進のための指針を踏まえ、厚生労働省において、緊急作業従事者の電離則第五十六条の規定による健康診断の結果等を保存するためのデータベースを運用するとともに、事業者に対し、緊急作業従事期間中の被ばく線量に応じたがん検診等の実施を求め、緊急作業従事者が離職した後は、同省が当該措置を実施している。

三について

 福島県における甲状腺超音波検査においては、判定結果とともに同検査により発見されている結節又はのう胞の数及び大きさ等をお示しし、さらに、受検者の求めに応じ必要な手続を経た上で、画像等を提供していると承知している。

四について

 お尋ねの「過去五年間の全国の甲状腺がんの発症者数」については把握しておらず、お答えすることは困難である。

五について

 平成二十三年三月に発生した東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故により原子炉から大気中へ放出された放射性物質については、その全てを正確に把握することが困難であるため、原子炉の状態等の解析結果から代表的な三十一核種の放出量等を推定し、その結果を「原子力安全に関するIAEA閣僚会議に対する日本国政府の報告書−東京電力福島原子力発電所の事故について−」(平成二十三年六月原子力災害対策本部決定)において記載したところである。また、現時点で把握している限りにおいて、建屋等から海洋へ放出された水に含まれる放射性セシウム以外の放射性物質の放射能量については、ヨウ素百三十一が約二千八百テラベクレル、ストロンチウム八十九が約〇・〇〇七四テラベクレル、ストロンチウム九十が約〇・〇一七テラベクレルと推定されている。これらの放射性物質から放出された放射線に人体が被ばくした場合、一般的には、その被ばく線量によっては放射線による健康影響が生ずる可能性がある。

六について

 東京電力株式会社福島第一原子力発電所から半径二十キロメートル以遠の周辺地域における同発電所の事故に係る避難指示区域の設定については、国際放射線防護委員会(ICRP)とIAEAが示している緊急時被ばく状況における放射線防護の参考レベルである年間二十ミリシーベルトから百ミリシーベルトのうち、安全性の観点から最も厳しい値を採用し、空間線量率から推定された年間積算線量で二十ミリシーベルトに達するおそれがある地域を対象に行っている。東京都を含む全国四十七都道府県の空間線量率については、環境放射能水準調査において各都道府県に設置したモニタリングポストによる測定を行い、原子力規制委員会のホームページ等で測定結果を公表しているが、平成二十六年六月十八日時点の測定結果では、現在避難指示区域が設定されている地域以外においては、空間線量率から推定された年間積算線量で二十ミリシーベルトに相当する値に達する空間線量率が検出された地点は確認されていない。



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