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平成二十六年六月二十七日受領
答弁第二四九号

  内閣衆質一八六第二四九号
  平成二十六年六月二十七日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 伊吹文明 殿

衆議院議員長妻昭君提出医療費のムダ削減に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員長妻昭君提出医療費のムダ削減に関する質問に対する答弁書



一について

 診療報酬明細書の審査は、社会保険診療報酬支払基金(以下「基金」という。)又は国民健康保険団体連合会(以下「国保連」という。)によって行われており、これは、厚生省(現厚生労働省)が、平成十四年十二月まで、審査及び支払に関する事務は保険者自らが実施するのではなく基金又は国保連に委託するよう指導していたためである。平成二十四年度における診療報酬明細書の総審査件数に占める基金及び国保連の審査件数の割合は、それぞれ約四十九パーセント及び約五十一パーセントである。
 現在は、従来のような指導は行っておらず、保険者が自らの判断により、医療保険各法の規定に基づき診療報酬の審査及び支払に関する事務を基金又は国保連に委託していることから、基金又は国保連が当該事務を行っている現状について、御指摘の「医療費の審査の在り方として問題」はないと認識している。

二について

 お尋ねの「国家公務員や地方公務員経験者」については、政府として網羅的に把握しているわけではないが、平成二十六年四月一日時点における@常勤役員のうちその前職が国家公務員又は地方公務員であった者の人数、A@に該当する者の氏名(前職の所属)、B常勤職員のうちその前職が国家公務員又は地方公務員であった者の人数及びC常勤役職員のうち国又は地方自治体からの出向者の人数について、基金、国保連及び国民健康保険中央会(以下「国保中央会」という。)から報告を受けた範囲でお示しすると、次のとおりである。なお、Bに該当する者の氏名(前職の所属)を明らかにすることは、当該個人の権利利益を害するおそれがあることから差し控えたい。また、国保連について、Bに該当する者の人数及びCに該当する者の人数については、把握しておらず、お答えすることは困難である。
 基金 @一名 A足利聖治(厚生労働省) B一名 C十一名
 国保連 @四十五名 A高橋修(北海道庁)、菅原和彦(岩手県庁)、保理昭泰(宮城県庁)、鈴木哲弥(秋田県庁)、二瓶辰右エ門(福島県庁)、野口眞一(茨城県庁)、高津戸忠一(栃木県庁)、遠山荘一(群馬県庁)、荒井幸弘(埼玉県庁)、戸谷久子(千葉県庁)、加島保路(東京都庁)、長谷川均(東京都庁)、安室和行(神奈川県庁)、照田伸宏(新潟県庁)、大野英茂(富山県庁)、大垣昌保(石川県庁)、半澤政章(福井県庁)、笹本英一(山梨県庁)、荒井高樹(長野県庁)、河合正明(岐阜県庁)、石田博(静岡県庁)、倉田宗知(愛知県庁)、岩本光敏(三重県庁)、上原正男(滋賀県庁)、廣田吉昭(京都市役所)、中嶋紀子(大阪市役所)、青木俊彦(兵庫県庁)、森村佳弘(奈良県庁)、中島弘(鳥取県庁)、福田信夫(島根県庁)、須田紀一(玉野市役所)、竹内譲二(岡山県庁)、宇都宮健(広島県庁)、作間正一(山口県庁)、工藤俊郎(徳島市役所)、出口隆一(香川県庁)、篠崎泰男(愛媛県庁)、山下芳郎(福岡県庁)、福井道雄(佐賀県庁)、永川重幸(長崎県庁)、林田直志(熊本県庁)、堤隆(大分県庁)、江上仁訓(宮崎県庁)、湊修一(鹿児島県庁)、高江洲義人(那覇市役所)
 国保中央会 @一名 A柴田雅人(内閣府) B二名 C零名
 また、基金、国保連及び国保中央会の職員については、現在、公募により採用しているものであると承知しており、退職した公務員が、法令等に違反することなく、再就職先の地位や職務内容等に照らし適材適所の再就職をすることは、否定されるものではなく、その限りにおいて、特段の弊害があるとは認識していない。

三について

 お尋ねの「総経費」の意味するところが必ずしも明らかではないが、平成二十四事業年度決算において、基金の一般会計事務費勘定の支出額は約八百四十七億円、診療報酬明細書、調剤報酬明細書及び訪問看護療養費明細書(以下「診療報酬明細書等」という。)の審査及び支払に係る手数料は総額約七百八十五億円、一般会計事務費勘定の支出額を診療報酬明細書等の審査件数で除した額は約九〇・四〇円である。
 また、国保連については、診療報酬明細書等の審査及び支払に関する業務のほか、保険者に共通する事務の共同処理に関する業務等も行っており、国保中央会によれば、平成二十四年度決算における国民健康保険及び後期高齢者医療制度に係る審査支払業務勘定の支出額の合計額は約千二百九十七億円、診療報酬明細書等の審査及び支払に係る手数料は総額約七百二十三億円、審査支払業務勘定の支出額の合計額を診療報酬明細書等の審査件数で除した額は約百三十一・四四円であるが、審査支払業務勘定の支出額の合計額には、保険者に共通する事務の共同処理に関する業務に係る支出額が含まれており、当該除した額は、診療報酬明細書等一件当たりの審査に要する費用を意味するものではない。
 さらに、お尋ねの「経費」の意味するところが必ずしも明らかではないが、診療報酬明細書等の審査及び支払に係る手数料については、診療報酬明細書等の審査及び支払に関する業務の効率化の取組により年々引き下げているところであり、適正なものと考えている。

四について

 政府としては、先進国におけるお尋ねの「レセプト審査一枚当たり経費」及び「医療費改善額」については、把握していない。
 また、お尋ねの「いくらの医療費を改善しているのか」について意味するところが必ずしも明らかではないが、平成二十四年度において、基金及び国保連が審査により査定した額は、それぞれ約三百九十三億円及び約三百九億円である。

五について

 御指摘の審査支払機関の在り方に関する検討会は、審査支払機関の在り方について、審査の質の向上、効率化の推進並びに統合及び競争の両面から総合的に検討するため、平成二十二年四月に厚生労働省に設置したものであるが、同様の趣旨の検討を社会保障審議会医療保険部会において行っていることから、同年十二月以降は開催していない。また、今後についても、審査支払機関の在り方については、同部会において検討してまいりたい。

六について

 政府としては、基金及び国保連において、コンピューターによる点検を拡充することや、審査の判断基準の統一化による審査の質の向上及び研修等による職員の審査事務能力の向上を図ること等が重要であると考えている。

七の1について

 保険医療機関及び保険薬局(以下「保険医療機関等」という。)に対する個別指導(「保険医療機関等及び保険医等の指導及び監査について」(平成七年十二月二十二日付け保発第百十七号厚生省保険局長通知)の別添1「指導大綱」第3の3に掲げる個別指導をいう。以下同じ。)については、平成二十四年度において、全国で八千四十七の保険医療機関等を選定し、そのうち四千三百二件の個別指導を実施したところであり、選定した保険医療機関等に対して個別指導を実施した割合は約五十三パーセントである。この理由としては、厚生労働省地方厚生局における指導体制、業務状況、保険医療機関等の数等の様々な問題があると考えており、各地方厚生局における指導体制の充実強化を図るため、平成二十六年度から新たに特定機能病院等の医師を任期付職員として指導監査を行う指導医療官に採用する仕組みを導入する等の取組を進めているところである。
 また、平成二十四年度において、選定した保険医療機関等に対して個別指導を実施した割合が五割以下の都道府県は、北海道(約四十四パーセント)、宮城県(約四十八パーセント)、千葉県(約四十三パーセント)、東京都(約二十九パーセント)、岐阜県(約四十九パーセント)、静岡県(約四十一パーセント)、愛知県(約三十五パーセント)、京都府(約三十四パーセント)、大阪府(約十四パーセント)、兵庫県(約十三パーセント)、岡山県(約十六パーセント)、広島県(約三十パーセント)及び福岡県(約四十八パーセント)である。

七の2について

 平成二十四年度において、監査が実施されていない都道府県は、山形県、茨城県、新潟県、島根県、広島県、山口県、高知県、佐賀県、長崎県、熊本県及び大分県である。この理由としては、個別指導の結果、「保険医療機関等及び保険医等の指導及び監査について」の別添2「監査要綱」で定める監査対象となる保険医療機関等の選定基準である診療内容又は診療報酬の請求に関して不正又は著しい不当があることを疑うに足りる理由等に該当する保険医療機関等が存在しなかったことによるものであるが、一方でこれらの県の中には、七の1についてでお答えしたとおり、個別指導の実施割合が低い状況もあり、指導に係る取組の推進も重要と考えている。

七の3について

 保険医療機関等に対する個別指導の際の立会いは、健康保険法(大正十一年法律第七十号)第七十三条第二項の規定に基づくものであり、立会いを行う者は、指導を円滑に進める観点から、指導の透明性や適正性の確保を図るとともに、診療等の専門的知識を持つ立場から立ち会っているものであり、御指摘の「医療機関側の言い分が過度に認められる、という弊害」があるとは認識していない。

七の4及び5について

 お尋ねについては、個別指導が必要な保険医療機関等に対して、確実に指導を実施することが課題であると考えており、七の1についてでお答えしたとおり、厚生労働省地方厚生局の指導体制の強化に努めてまいりたい。



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