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平成二十七年八月十八日受領
答弁第三七七号

  内閣衆質一八九第三七七号
  平成二十七年八月十八日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員山井和則君提出自衛隊による核兵器の輸送と広島平和記念式典における非核三原則への言及に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員山井和則君提出自衛隊による核兵器の輸送と広島平和記念式典における非核三原則への言及に関する質問に対する答弁書



一から十一までについて

 本年八月六日の広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式(以下「広島平和記念式典」という。)における内閣総理大臣挨拶においては、非核三原則を堅持することを当然の前提として、我が国は世界で唯一の戦争被爆国として核兵器のない世界の実現に向け、国際社会の取組を主導していく決意を表明したものであるが、その後、非核三原則に関する方針を変えたのではないか等の様々な指摘があったことから、同月九日の長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典(以下「長崎平和祈念式典」という。)における内閣総理大臣挨拶では誤解を招くことがないよう、非核三原則の堅持に言及することとしたものである。
 広島平和記念式典及び長崎平和祈念式典における内閣総理大臣挨拶案については、政府として決定したものであり、決定に至る過程の詳細については答弁を差し控えるが、これらは、厚生労働省、外務省及び内閣総理大臣官邸において協議をしながら作成し、内閣総理大臣が確認の上、それぞれの式典の直前まで検討し、その内容を決定したものである。

十二及び十三について

 政府としては非核三原則を堅持する方針であり、また、核兵器については、その高度な秘匿性や安全確保の必要性から、現在国会で審議中の我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案及び国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律案(以下これらを合わせて「法律案」という。)に基づき、支援対象国からの要請を受けてその核兵器を自衛隊が輸送することはあり得ない。

十四から十六までについて

 法律案において、いわゆる後方支援と言われる支援活動を実施する場合に特定の物品の輸送を禁じる規定はない。
 実際の弾薬の輸送の実施に際しては、支援対象国からの具体的な要請に基づき、個々の輸送の都度、自衛隊として主体的に実施の可否を判断することとなるため、お尋ねの「どのような弾薬は輸送可能で、どのような弾薬は輸送不可能なのか」について、一概にお答えすることは困難である。
 その上で、我が国は、非核三原則を堅持するとともに、核兵器の不拡散に関する条約(昭和五十一年条約第六号)、細菌兵器(生物兵器)及び毒素兵器の開発、生産及び貯蔵の禁止並びに廃棄に関する条約(昭和五十七年条約第六号)及び化学兵器の開発、生産、貯蔵及び使用の禁止並びに廃棄に関する条約(平成九年条約第三号)を批准し、大量破壊兵器の拡散の防止にも積極的に取り組んできており、支援対象国からの要請を受けてその核兵器を始めとする大量破壊兵器を自衛隊が輸送することはあり得ない。
 また、我が国は、劣化ウラン弾を保有しておらず、これを安全に輸送するために必要な知見等を有していないため、支援対象国からの要請を受けてその劣化ウラン弾を自衛隊が輸送することはあり得ない。

十七について

 法律案に基づき、自衛隊が弾薬を含む物品の輸送を実施するに際しては、いつ、どこへ、どのような物品を輸送するかといった支援対象国からの具体的な要請を受ける際に、すなわち、実際に物品の輸送を実施する前に、当該物品の内容についても支援対象国から申告を受けるなどして確認することとなる。

十八について

 法律案に基づき、自衛隊が弾薬を含む物品の輸送を円滑かつ安全に実施するためには、当該物品の内容について情報を把握することは当然に必要であり、必要な情報が提供されない中で当該物品の輸送を実施することはあり得ない。
 また、政府としては、物品の輸送を含め自衛隊の活動状況について適切に国会へ報告することは重要と考えており、個別の状況に応じて、適時に、かつ、適切な方法により対応する考えである。



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