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答弁本文情報

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平成二十八年一月十二日受領
答弁第一〇号

  内閣衆質一九〇第一〇号
  平成二十八年一月十二日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員長妻昭君提出子どもの道徳心や愛国心に成績をつける政策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員長妻昭君提出子どもの道徳心や愛国心に成績をつける政策に関する質問に対する答弁書



 お尋ねの特別の教科である道徳(以下「道徳科」という。)の導入の時期については、学校教育法施行規則の一部を改正する省令(平成二十七年文部科学省令第十一号)附則第一項の規定により、小学校については平成三十年四月一日、中学校については平成三十一年四月一日とされている。「従来と何が変わるのか」というお尋ねについては、道徳を教育課程上「特別の教科」として位置付けた上で、文部科学大臣の検定を経た教科用図書を導入するものであり、また、いじめの問題への対応の充実や発達の段階をより一層踏まえた体系的なものとする観点からの内容の改善、問題解決的な学習を取り入れるなどの指導方法の工夫を図ることなどにより、発達の段階に応じ、答えが一つではない道徳的な課題を一人一人の児童生徒が自分自身の問題と捉え、向き合う「考える道徳」、「議論する道徳」へと転換を図るものである。
 お尋ねの「成績をつける」の意味するところが必ずしも明らかではないが、道徳科における児童生徒の学習の評価については、平成二十七年文部科学省告示第六十号による改正後の小学校学習指導要領(平成二十年文部科学省告示第二十七号。以下「新小学校学習指導要領」という。)及び平成二十七年文部科学省告示第六十一号による改正後の中学校学習指導要領(平成二十年文部科学省告示第二十八号。以下「新中学校学習指導要領」という。)において、児童生徒の「学習状況や道徳性に係る成長の様子を継続的に把握し、指導に生かすよう努める必要がある。ただし、数値などによる評価は行わないものとする」としている。また、道徳科における児童生徒の学習の評価については、中央教育審議会で平成二十六年十月二十一日に取りまとめられた「道徳教育に係る教育課程の改善等について(答申)」において「児童生徒が自らの成長を実感し、学習意欲を高め、道徳性の向上につなげていくとともに、評価を踏まえ、教員が道徳教育に関する目標や計画、指導方法の改善・充実に取り組むことが期待される」と指摘されていること等を踏まえ、文部科学省としては、「道徳教育に係る評価等の在り方に関する専門家会議」(以下「専門家会議」という。)において、数値による評価ではなく記述式の評価とすること、他の児童生徒との比較による相対評価ではなく児童生徒がいかに成長したかを積極的に受け止め励ます評価とすること、「善悪の判断、自律、自由と責任」といった個々の内容項目ごとではなく大ぐくりなまとまりを踏まえた評価とすること等の点について検討しているところである。
 お尋ねの「中学・高校受験の内申書に使用される可能性」の意味するところが必ずしも明らかではないが、そもそも入学者選抜の方法等は都道府県教育委員会等入学者選抜の実施者が決定することとされている。なお、専門家会議においては、入学者選抜との関係をも踏まえて、先に述べた評価の在り方を検討しているところである。
 お尋ねの「「道徳」には、「国を愛する態度」という、いわゆる愛国心教育も含まれるのか」の趣旨が必ずしも明らかではないが、教育基本法(平成十八年法律第百二十号)及び学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)の趣旨を踏まえ、新小学校学習指導要領においては「我が国や郷土の伝統と文化を大切にし、先人の努力を知り、国や郷土を愛する心をもつこと」等、新中学校学習指導要領においては「優れた伝統の継承と新しい文化の創造に貢献するとともに、日本人としての自覚をもって国を愛し、国家及び社会の形成者として、その発展に努めること」等を道徳科の指導内容として規定しているところであり、現行の小学校学習指導要領及び中学校学習指導要領においても、同様の趣旨を盛り込んでいる。ここにいう「国」については、新小学校学習指導要領及び新中学校学習指導要領の道徳科の解説において、政府や内閣などの統治機構を意味するものではなく、歴史的に形成されてきた国民、国土、伝統、文化などからなる歴史的・文化的な共同体としての国を意味するものである旨記述している。
 道徳科における児童生徒の学習の評価については、先に述べたとおり数値などによる評価は行わないこととしており、また、右に述べた学習指導要領の解説も踏まえれば、「子どもたち一人ひとりの、いわゆる愛国心や道徳心に成績をつけるとなれば、それは適切なのか、政府批判を自粛する空気が生まれないか」との御懸念は当たらないものと考えている。


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