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平成二十八年四月二十八日受領
答弁第二五二号

  内閣衆質一九〇第二五二号
  平成二十八年四月二十八日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員長妻昭君提出シベリア等強制抑留者の実態調査及び遺骨収集に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員長妻昭君提出シベリア等強制抑留者の実態調査及び遺骨収集に関する質問に対する答弁書



 お尋ねの「いわゆるシベリア等強制抑留者の定義」の意味するところが必ずしも明らかではないが、戦後強制抑留者に係る問題に関する特別措置法(平成二十二年法律第四十五号)第二条の規定によれば、同条に規定する「戦後強制抑留者」とは、昭和二十年八月九日以来の戦争の結果、同年九月二日以後ソヴィエト社会主義共和国連邦又はモンゴル人民共和国の地域において強制抑留された者をいうことから、お尋ねの「興南、大連、元山、樺太等の地域で死亡した」か否か及び「収容所への移送前に亡くなった」か否かにかかわらず、右に述べたように強制抑留された者であれば、「戦後強制抑留者」に当たると解している。また、政府としては、戦後強制抑留者のうち強制抑留下において死亡した者(以下「抑留中死亡者」という。)の総数については、約五万五千人と推計しているが、捕虜収容所への移送前に死亡した者と捕虜収容所への移送後に死亡した者を区分した数は把握していない。
 また、政府としては、お尋ねの「シベリア等強制抑留者は、いつ、どこで、どのような労働を強いられたのか」、「鉄道建設、森林伐採、炭鉱、建設現場、その他の現場でそれぞれ、何人程度の日本人が従事させられたのか」、「それぞれの現場で何人が犠牲になったのか」、「これらの労働が戦後のソ連の国家建設にどのように役に立ったのか」及び「なぜ、強制抑留がなされたのか」については、具体的に把握していないため、お答えすることは困難であるが、政府においては、同法第十三条第一項の規定に基づき、「強制抑留の実態調査等に関する基本的な方針」(平成二十三年八月五日閣議決定)を定めた上で、当該方針において抑留中死亡者についての調査や、抑留中死亡者の遺骨及び遺留品についてのその収容及び本邦への送還、強制抑留の実態の解明に資するための調査等を実施することとしており、これまでも、平成二十四年度より毎年度公表している「強制抑留の実態調査等に関する取組状況」にあるとおり、例えば平成二十八年三月三十一日までに総計三万九千四百七十四人の抑留中死亡者の身元を特定するなどして実態調査等に関する取組を進めてきているところである。
 お尋ねの抑留中死亡者に係る未収容の遺骨の概数は、平成二十八年三月三十一日時点において、約三万三千百柱と推計している。また、お尋ねの「遺骨収集」の「計画」がどのような計画を指しているのか必ずしも明らかではないため、「遺骨収集は計画通りに進展しているのか」とのお尋ねについては、お答えすることは困難であるが、政府としては、捕虜収容所に収容されていた者に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定(平成三年外務省告示第三百十一号。以下「協定」という。)等に基づき、日本人の抑留中死亡者の遺骨収集を行ってきており、平成二十八年三月三十一日までに、推計で約二万千三百柱の遺骨を収容している。今後は、平成二十八年三月に成立した戦没者の遺骨収集の推進に関する法律(平成二十八年法律第十二号)にも基づき、計画的かつ効果的に遺骨収集を実施することとしている。
 お尋ねの「「日ソ捕虜・収容所協定」を深掘りした新協定」の意味するところが必ずしも明らかではないが、日露間においては、協定に基づく協力を着実に進めることが重要であるとの認識で一致しており、協定に基づきロシア連邦等に対して日本人の抑留中死亡者(ソヴィエト社会主義共和国連邦の地域における強制抑留下において死亡した者に限る。)の名簿及び埋葬地に関する資料の提出、遺骨の引渡し等に係る協力を引き続き求めるなど着実な取組を進めてまいりたい。
 お尋ねの「どのように保管されているか」との趣旨が必ずしも明らかではないが、政府としては、遺骨収集時に氏名等の手掛かりがある遺留品を発見した場合は、当該遺留品を持ち帰り、厚生労働省において丁重に保管した上で、当該遺留品と政府において保管している資料との照合調査等を行い、所有者が特定できたものについては遺族へ伝達し、所有者を特定できる見込みがないと判断したものについては、次の世代に継承する観点から、戦中・戦後の労苦に関する資料の収集・展示を行う施設である昭和館やしょうけい館等の引取先があるものは寄贈し展示することとしており、引取先がないものは処分することとしている。また、政府としては、所有者を特定できる見込みがないと判断した遺留品について、リスト化したものを公表することは考えていない。
 小学校及び中学校における戦争や平和に関する教育については、学習指導要領に基づき、児童生徒の発達段階に応じて行われており、例えば、中学校の社会科においては、中学校学習指導要領(平成二十年文部科学省告示第二十八号)に基づき、「大戦が人類全体に惨禍を及ぼしたことを理解させる」こと、「日本国憲法の平和主義について理解を深め、我が国の安全と防衛及び国際貢献について考えさせる」こと、「戦争を防止し、世界平和を確立するための熱意と協力の態度を育てる」こと等について指導することとしている。その際、学習指導要領に基づき、どのような歴史的事象を取り扱うかについては、各学校又はその設置者等の判断によるところであるが、例えば、いわゆるシベリア抑留者から体験談を聞く機会を設けることは、児童生徒の学習意欲を高めたり、理解を深めたりする上で有意義な取組の一つと考える。


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