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平成二十八年十月二十八日受領
答弁第七八号

  内閣衆質一九二第七八号
  平成二十八年十月二十八日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員長妻昭君提出年金制度抜本改革に対する安倍総理の国会答弁に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員長妻昭君提出年金制度抜本改革に対する安倍総理の国会答弁に関する質問に対する答弁書



 御指摘の「年金制度の抜本改革」の意味するところが必ずしも明らかではないが、平成二十八年十月十二日衆議院予算委員会における御指摘の安倍内閣総理大臣の答弁は、社会保障制度改革国民会議の報告書における「年金制度については、どのような制度体系を目指そうとも必要となる課題の解決を進め、将来の制度体系については引き続き議論するという二段階のアプローチを採ることが必要である」との趣旨を述べたものである。年金制度については、まずは、持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律(平成二十五年法律第百十二号)第六条第二項各号に掲げる事項その他必要な事項について取り組むこととしており、その上で、社会保障と税の一体改革以降の将来の年金制度体系の在り方については、国会において議論されるべきものと考えている。
 御指摘の「現在予定されている改革」及び御指摘の「老後の安心」の意味するところが必ずしも明らかではないが、満額の老齢基礎年金の額と家計調査における高齢無職世帯の支出を見ると、夫婦世帯では、当該額が基礎的消費支出(当該調査における消費支出のうち、食料、住居、光熱・水道、家具・家事用品、被服及び履物に係るものの合計をいう。)を賄っており、単身世帯では、当該額が当該基礎的消費支出をおおむね賄っている。その上で、低所得や低年金の高齢者への対策としては、年金の受給資格期間の短縮、年金生活者支援給付金の創設、医療や介護の保険料負担の軽減等社会保障制度全体で総合的に講ずることとしている。
 公的年金制度は、世代間で支え合うことによって、高齢期等における稼得能力の喪失・減退を補填するものであり、現役時代における保険料の納付実績に応じた年金額を、原則として、個人の所得や資産の状況にかかわらず高齢期に給付する社会保険方式を採用している。一方で、我が国の生活保護制度は、年金を含め利用し得る収入、資産等を活用してもなお最低限度の生活を維持することができない者に対して、当該者の状況に応じた最低生活費を保障するものである。御指摘の「生活保護が年金の代わりになりつつある」の意味するところが必ずしも明らかでないが、このように公的年金制度と生活保護制度とはそれらの趣旨や給付の内容などが異なるものであるため両制度は単純に代替し合うものではなく、お尋ねの「それに歯止めをかけるためにどのような対応を考えているのか」についてお答えすることは困難である。
 御指摘の「年金受給者」の意味するところが必ずしも明らかではないが、平成二十四年の老齢年金受給者実態調査によると、国民年金又は厚生年金保険の老齢年金(以下「老齢年金」という。)を受給する夫婦世帯に占める公的年金の年金額が百万円未満の世帯の割合は十・六パーセント、老齢年金を受給する男性の単身世帯に占める当該割合は三十・四パーセント、老齢年金を受給する女性の単身世帯に占める当該割合は四十二・八パーセントとなっている。
 お尋ねの家計調査における「毎月の赤字額」については、二人以上の世帯のうち世帯主が六十五歳以上の無職世帯の平成二十七年の赤字額は、一か月当たり六万千二百六円である。また、「毎月の赤字額」の推移を見ると、平成二十六年に六万三千百四十八円となり、比較可能な平成元年以降初めて六万円を超えたところであるが、民主党政権時に成立した国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律(平成二十四年法律第九十九号)により、平成二十五年度から平成二十七年度にかけて年金の特例水準(国民年金法等の一部を改正する法律(平成十六年法律第百四号)附則第七条等の規定により読み替えて適用することとされた同法による改正前の国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)等の規定により計算した額をいう。)が解消されたこと等により社会保障給付が減少したことや、平成二十六年四月の消費税率引上げに伴う駆け込み需要などの影響により、平成二十五年の消費支出が増加したこと等がお尋ねの「その理由」と考えられる。
 また、お尋ねの「そのような高齢世帯の実態を安倍内閣は問題として捉えているのか」については、「毎月の赤字額」等への対応はそれぞれの世帯ごとに様々であることから、一概にはお答えできない。
 御指摘の「最低保障機能」の意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としても、低所得や低年金の高齢者への対策として、年金の受給資格期間の短縮、年金生活者支援給付金の創設等に取り組んでいるところである。
 お尋ねの「約三十年間でモデル世帯で所得代替率が約三割も低下する見込み」の意味するところが必ずしも明らかではないが、平成二十六年六月三日に公表した国民年金及び厚生年金に係る財政の現況及び見通し(以下「財政検証」という。)では、平成二十六年度における基礎年金部分の所得代替率(国民年金法等の一部を改正する法律附則第二条第一項第一号に掲げる額の同項第三号に掲げる額に対する比率をいう。以下同じ。)と、マクロ経済スライドの調整期間(国民年金法第十六条の二第一項に規定する調整期間をいう。)の終了時の基礎年金部分の所得代替率を比較すると、三十六・八パーセントから、経済前提によって異なるものの、財政検証における経済前提のケースE及び国立社会保障・人口問題研究所が平成二十四年一月に公表した「日本の将来推計人口」において仮定している合計特殊出生率等の中位推計に基づくと、平成五十五年度には二十六・〇パーセントとなる。
 お尋ねの基礎年金制度の役割については、国民年金法第一条において、「国民年金制度は、日本国憲法第二十五条第二項に規定する理念に基き、老齢、障害又は死亡によつて国民生活の安定がそこなわれることを国民の共同連帯によつて防止し、もつて健全な国民生活の維持及び向上に寄与する」と規定されている。
 お尋ねの「基礎年金にもマクロ経済スライドをかける」ことについては、マクロ経済スライドは、将来世代の負担を過重にしないため、将来の保険料水準を固定し、その範囲内で給付水準を調整する仕組みとして導入されたものであり、このような仕組みは、基礎年金を含めた公的年金制度全体に共通する考え方であるため、適切なものと考えている。
 御指摘の「高齢者用の生活扶助制度(高齢者用の審査が簡易な生活保護)」の意味するところが必ずしも明らかではないが、厚生労働省の「二〇一五年海外情勢報告」によれば、保険料の拠出を支給要件としないものであって主に高齢者を対象とする現金給付として、米国の「補足的所得保障」、フランスの「高齢者連帯手当」、ドイツの「高齢期及び稼得能力減少・喪失時の基礎保障」等がある。また、御指摘の「高齢者の生活を下支えする新たな制度」については、その必要性も含め、諸外国の例も参考にしながら研究してまいりたい。


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