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平成二十八年十二月九日受領
答弁第一八二号

  内閣衆質一九二第一八二号
  平成二十八年十二月九日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員大西健介君提出タミフルの一歳未満の乳児への投与に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員大西健介君提出タミフルの一歳未満の乳児への投与に関する質問に対する答弁書



一について

 御指摘の「タミフル」とはタミフルドライシロップ三パーセント(以下「タミフルドライシロップ」という。)を、また、「乳児」とは一歳未満の小児をそれぞれ指すものと考えるが、タミフルドライシロップの一歳未満の小児を対象とする国内の臨床試験の試験成績は承知していない。
 御指摘の「処方を認めること」の意味するところが必ずしも明らかではないが、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号。以下「法」という。)第十四条第一項に規定する製造販売の承認を受けた事項とはなっていない一歳未満の小児に対するタミフルドライシロップの用法及び用量(以下「本用法・用量」という。)については、一般社団法人日本感染症学会等からの要望を踏まえ、平成二十八年十一月十六日に開催された第二十九回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議及び同月二十四日に開催された平成二十八年度第六回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品第二部会(以下「医薬品第二部会等」という。)において、本用法・用量についての公知申請(同項又は同条第九項の規定による製造販売の承認の申請であって、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則(昭和三十六年厚生省令第一号)第四十条第二項本文の規定に基づき、当該申請に係る事項が医学薬学上公知であると認められることから、法第十四条第三項(同条第九項において準用する場合を含む。)の規定により製造販売承認申請書に添付しなければならないとされている資料の添付を要しないとされるものをいう。以下同じ。)に関する事前の評価が行われた結果、本用法・用量の有効性及び安全性は医学薬学上公知であると判断され、公知申請が行われても差し支えないとされたところである。このことを受けて、同日付けで本用法・用量を我が国の医療保険制度において保険適用の対象としたものである。
 なお、医薬品第二部会等においては、既に米国、欧州及び豪州では本用法・用量が承認されていること、米国疾病管理センターのガイドラインにおいて二歳未満の小児へのタミフルドライシロップの使用が推奨されていること、一歳以上の小児がタミフルドライシロップを服用する場合におけるタミフルドライシロップの有効成分であるオセルタミビルリン酸塩及びその活性代謝物(以下「オセルタミビルリン酸塩等」という。)の薬物動態について日本人と外国人との間で明らかな民族差は認められないこと並びに日本小児感染症学会が一歳未満の小児を対象に行ったタミフルドライシロップの使用実態調査において特段の安全性上の懸念は認められなかったことから、一歳未満の小児に対するタミフルドライシロップの使用に特有の安全性上の問題が生ずる可能性は低いと評価されたものである。

二について

 一歳未満の小児に対するタミフルドライシロップの使用に係るオセルタミビルリン酸塩等の中枢神経系への移行に関する科学的知見は得られていないと承知しており、当該移行の可能性は不明であるが、一についてで述べたとおり、一歳未満の小児に対するタミフルドライシロップの使用に特有の安全性上の問題が生ずる可能性は低いと評価されている。

三について

 御指摘の「十代へのタミフル投与が禁忌となっていること」の意味するところが必ずしも明らかではないが、タミフルカプセル七十五及びタミフルドライシロップ(以下「タミフル」という。)については、平成十九年三月より十歳以上の未成年の患者への使用を原則として差し控えることとしているが、これは、タミフルの服用との因果関係は不明であるものの、タミフルの服用後に異常行動が発現し、転落等の事故に至った例が報告されたことを踏まえ、予防的な安全対策として行っているものである。
 一方、タミフルドライシロップが発売された平成十四年七月三十一日以降の添付文書において一歳未満の患児に対する使用に関する安全性及び有効性は確立していない旨の記載があるが、一についてで述べたとおり、一歳未満の小児に対するタミフルドライシロップの使用については、医薬品第二部会等において公知申請に関する事前の評価が行われた結果、その用法及び用量について、有効性及び安全性は医学薬学上公知であると判断され、公知申請が行われても差し支えないとされたところである。このことを受けて、我が国の医療保険制度において保険適用の対象としたものである。

四について

 御指摘の「一歳未満の乳児へのタミフル投与に当たっては、両親に相談の上、慎重に行うことになっている」の意味するところが必ずしも明らかではないが、患者等に対する医薬品に関する情報提供は重要であることから、法第一条の五の規定に基づき、医師、薬剤師等の医薬関係者は、患者等に対し、医薬品の適正な使用に関する事項に関する正確かつ適切な情報の提供に努めなければならないとされている。
 公知申請に関する事前の評価を受けた医薬品の適応外使用(製造販売の承認を受けた医薬品の製造販売の承認外の効能、効果等を目的とする使用をいう。)については、「薬事・食品衛生審議会において公知申請に関する事前評価を受けた医薬品の適応外使用について」(平成二十二年八月三十日付け薬食審査発〇八三〇第九号・薬食安発〇八三〇第一号厚生労働省医薬食品局審査管理課長及び安全対策課長連名通知。以下「連名通知」という。)において、都道府県から医療機関及び製造販売業者(以下「医療機関等」という。)に対して、薬事・食品衛生審議会において事前の評価を受け公知申請が行われても差し支えないとされた医薬品の使用上の注意等を熟知し、治療内容や発生し得る副作用等に関する患者等への事前説明と同意の取得に努めるべきであること等を周知徹底し、指導するよう各都道府県に求めている。また、一歳未満の小児に対するタミフルドライシロップの使用については、「新たに薬事・食品衛生審議会において公知申請に関する事前評価を受けた医薬品の適応外使用について」(平成二十八年十一月二十四日付け薬生薬審発一一二四第三号・薬生安発一一二四第一号厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長及び安全対策課長連名通知)において、医療機関等において連名通知における取扱いと同様の取扱いが行われるよう、都道府県等による周知徹底及び指導を求めている。
 今後、一歳未満の小児に対するタミフルドライシロップの使用について、医薬関係者から患者等に対して適切な説明が行われるよう、製造販売業者に対する必要な指導を実施してまいりたい。



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