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答弁本文情報

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平成二十九年四月七日受領
答弁第一七三号

  内閣衆質一九三第一七三号
  平成二十九年四月七日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員中根康浩君提出精神保健福祉法の改正案の立法事実に関する第三回質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員中根康浩君提出精神保健福祉法の改正案の立法事実に関する第三回質問に対する答弁書



一について

 先の答弁書(平成二十九年三月二十八日内閣衆質一九三第一四〇号。以下「一四〇号答弁書」という。)一及び二についてでは、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和二十五年法律第百二十三号。以下「法」という。)を改正し、法第二十九条第一項の規定による入院(以下「措置入院」という。)又は法第二十九条の二第一項の規定による入院(以下「緊急措置入院」という。)をした者(以下「措置入院者等」という。)の退院後の医療その他の援助の強化等を行うことが、今回のような事件を再び生まないことにもつながる点で極めて重要と考えている旨をお答えしたものであり、現在、国会に提出している精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案(以下「改正法案」という。)は、御指摘のような「いわゆる「優生思想」の根絶にとっても今回の精神保健福祉法改正が有効である」という考えで提出したものではない。なお、先の答弁書(平成二十九年三月二十八日内閣衆質一九三第一三一号。以下「一三一号答弁書」という。)四についてでお答えしているとおり、政府としては、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会(以下「共生社会」という。)の実現を目指していく考えである。

二について

 改正法案においては、措置都道府県(改正法案による改正後の法(以下「新法」という。)第四十七条の二第一項に規定する措置都道府県をいう。以下同じ。)は、必要に応じて関係都道府県等(同項に規定する関係都道府県等をいう。以下同じ。)と共同して、原則として新法第五十一条の十一の二第一項の精神障害者支援地域協議会(以下「協議会」という。)における協議をした上で退院後支援計画(新法第四十七条の二第一項に規定する退院後支援計画をいう。以下同じ。)を作成することとしている。改正法案においては、退院後支援計画に、措置入院者等の退院後の医療その他の援助の内容等を記載することを義務付けており、その病状等に応じて、必要な援助の内容が記載されることとなる。お尋ねの「いわゆる優生思想を当事者から排除するプログラム等」の意味するところが必ずしも明らかではないが、退院後支援計画は、措置入院者等が、その社会復帰の促進等のために必要な保健医療サービス、福祉サービス等を円滑に受けることができるようにするものであるため、保健医療サービス、福祉サービス等に係るもの以外は盛り込むべき内容ではないと考えている。なお、政府としては、共生社会の実現を目指し、一三一号答弁書四についてでお答えした取組を着実に進めていくこととしている。

三について

 改正法案においては、協議会は、関係行政機関、診療に関する学識経験者の団体、障害者の自立及び社会参加の支援等に関する活動を行う民間の団体その他の関係団体並びに精神障害者の医療又は福祉に関連する職務に従事する者その他の関係者(以下「関係行政機関等」という。)により構成することとしている。また、その事務として、精神障害者の適切な医療その他の援助を行うために必要な体制に関して協議するとともに、退院後支援計画の作成に関する協議及び実施に係る連絡調整を行うこととしている。御指摘の「代表者会議」の意味するところが必ずしも明らかではないが、仮に、協議会を意味するのであれば、警察も、法第二十三条の規定による通報を行う等精神障害者の適切な医療その他の援助を行うために必要な体制に関係を有し、関係行政機関等に含まれるものと考えている。一方、退院後支援計画の作成に関する協議及び実施に係る連絡調整の事務については、関係行政機関等のうち措置入院者等の退院後の医療その他の援助の関係者をもって構成する合議体で行うこととしており、原則として、警察は当該援助の関係者には含まれないものと考えている。

四について

 改正法案においては、医療その他の援助を行う期間については、一四〇号答弁書四についてでお答えしたとおり患者の病状等に応じた期間が設定されることを想定し、上限を設定していないが、改正法案の成立後、当該期間が適切に設定されるよう、一定の目安を措置都道府県又は関係都道府県等となることとなる保健所を設置する地方公共団体(以下「保健所設置団体」という。)に示す予定である。

五について

 退院後支援計画については、新法第四十七条の二第四項の規定において、その作成時にこれを措置入院者等に交付することを義務付けている。同条第六項の規定による通知については、措置入院者等にあらかじめ説明した上で行うよう保健所設置団体に周知する予定である。なお、当該通知を受けた保健所設置団体が、同条第七項の規定により退院後支援計画を作成したときは、同条第八項で準用する同条第四項の規定により、退院後支援計画を措置入院者等に交付することとなる。

六について

 措置入院又は緊急措置入院の対象となるのは、都道府県知事又は地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市の長が指定する精神保健指定医(新法第十八条第一項に規定する精神保健指定医をいう。)の診察の結果、その者が精神障害者であり、入院させなければその精神障害のために自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがあると認められる等の要件が満たされた場合とされている。このため、この要件を満たさない者が措置入院又は緊急措置入院の対象となることはない。なお、措置入院又は緊急措置入院を行う権限を有するのは都道府県知事又は指定都市の長のみであり、協議会は措置入院又は緊急措置入院を行う権限を有していない。

七について

 一四〇号答弁書一及び二についてでお答えしたとおり、改正法案は、措置入院者等の社会復帰の促進等を図るため提出したものである。こうした改正法案の趣旨や内容の周知に当たっては、御指摘の誤解や偏見、差別が生じないよう配慮していきたい。



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