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答弁本文情報

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平成二十九年四月十八日受領
答弁第二一五号

  内閣衆質一九三第二一五号
  平成二十九年四月十八日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員階猛君提出共謀罪の「準備行為」に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員階猛君提出共謀罪の「準備行為」に関する質問に対する答弁書



一及び三について

 今国会に提出している組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案による改正後の組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成十一年法律第百三十六号。以下「改正後組織的犯罪処罰法」という。)第六条の二の罪が成立するためには、同条第一項各号に掲げる罪に当たる行為で、「組織的犯罪集団」の「団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われるもの」又は「組織的犯罪集団に不正権益を得させ、又は・・・組織的犯罪集団の不正権益を維持し、若しくは拡大する目的で行われるもの」の遂行をすることについて「二人以上で計画」することに加えて、その計画をした者のいずれかによりその計画に基づき「資金又は物品の手配、関係場所の下見その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為」(以下「実行準備行為」という。)が行われることが必要であり、実行準備行為は、同条の罪の構成要件の一部をなし、計画をした者のいずれかにより実行準備行為が行われることを含め、刑法(明治四十年法律第四十五号)第三十八条第一項に規定する「罪を犯す意思」が必要であると考えている。

二について

 実行準備行為が行われた場合に当たるか否かは、収集された証拠に基づき、「その計画をした者のいずれかによりその計画に基づき資金又は物品の手配、関係場所の下見その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為が行われた」と認められるか否かにより判断されるものと考えている。

四について

 犯罪の成否については、収集された証拠に基づき個別に判断されるものであるため、お尋ねについて一概にお答えすることは困難であるが、一般論としては、改正後組織的犯罪処罰法第六条の二第一項の罪は、同項に規定する「二人以上で計画」する行為(以下「計画行為」という。)が行われるごとに別罪として成立するものではなく、計画された犯罪が実行されるまでの間の一連の計画行為を通じて一個の罪となるものであることから、当初、二人以上の者が計画行為を行い、それらの者のいずれかにより当該計画に基づき実行準備行為が行われた後に、他の者がこれと一連となる計画行為を行い、新たに「二人以上で計画した者」に当たることとなったと認められる場合は、当該他の者についても同項の罪が成立すると考えられる。

五について

 改正後組織的犯罪処罰法第六条の二の罪については、同条に規定する計画行為に加えて実行準備行為が行われた嫌疑が存する場合でなければ、刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)に定める逮捕の要件が満たされることはないから、同条の罪の嫌疑による逮捕をすることはできない。

六について

 最高裁判所の判例によれば、「自白を補強すべき証拠は必ずしも自白にかかる犯罪構成事実の全部にわたってもれなくこれを裏付けするものでなくても自白にかかる事実の真実性を保障し得るものであれば足りる」ものとされており、改正後組織的犯罪処罰法第六条の二の罪に係る自白についても、「自白にかかる事実の真実性を保障し得るもの」が「自白を補強すべき証拠」として必要とされることとなるものと考えられる。



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