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答弁本文情報

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平成三十年四月十日受領
答弁第一九八号

  内閣衆質一九六第一九八号
  平成三十年四月十日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員長妻昭君提出チョコレートと脳の若返りの研究発表に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員長妻昭君提出チョコレートと脳の若返りの研究発表に関する質問に対する答弁書



 革新的研究開発推進プログラムにおける研究開発プログラムのプログラム・マネージャー(以下「PM」という。)である山川義徳氏と株式会社明治(以下「明治」という。)とによる平成二十九年一月十八日の共同記者発表は、脳の健康状態を簡易に表す新たな指標の開発に向け、カカオ成分を多く含むチョコレートが脳に与える影響に関する本格的な共同研究に移行し、科学的な立証を進めていく旨を発表するために行われたものである。発表の前提となる実験は、有望な商品等を見つけるための必要最小限の条件を設定して行われたものであり、山川義徳PMをはじめとしてその点に問題はないと考えていたが、その発表内容が、カカオ成分を多く含むチョコレートを継続的に摂取することによる脳の「若返り効果」を示唆するものとの批判を招いたこと等から、革新的研究開発推進プログラム有識者会議(以下「有識者会議」という。)において、発表の経緯等を確認するとともに、問題点等の検証を行うこととしたものである。
 「内閣府の事業においてプレスリリース資料の原案作成を企業側に委ねてしまうことは通常なされているのか。他の事例がある場合はご教示願いたい」とのお尋ねについては、詳細な事実関係の調査に時間を要するため、お答えすることは困難である。同PMが明治に発表資料の原案の作成を委ねた理由については、発表が明治の案件に関する内容であったためと聞いている。
 「革新的研究開発推進プログラム運用基本方針」(平成二十六年二月十四日総合科学技術会議決定)において、PMは、研究開発プログラム全体のマネージメントを行うとともに、研究開発の成果を革新的なイノベーション創出に結び付けるプロデューサーとしての役割を担うこととされている。他方で、有識者会議は、革新的研究開発推進プログラムの着実な推進を図るため、PMから進捗状況について、おおむね半年ごとに報告を受けるとともに、必要に応じてPMに対して改善を求めることができることとされている。御指摘の「いち早く世間に伝えたいという思い」は、同PMの自己分析によるものであり、結果として同PMによる発表資料の確認が十分でなかったことは問題であったと考えており、また、発表資料の内容の照会を受けていた内閣府革新的研究開発推進プログラム担当室(以下「内閣府担当室」という。)及び国立研究開発法人科学技術振興機構(以下「機構」という。)が適切な指摘を行わなかったことにも問題があったと考えている。当該照会への回答に当たっては、決裁は行っておらず、御指摘の「政務三役」に報告は行っていない。
 既に、各研究開発プログラムにおいて記者発表を行う場合の内閣府担当室、機構、PM及び受託研究機関等のそれぞれの責任を明確化したことに加え、特に社会的に注目を集める可能性が高い案件の発表資料の内容については、内閣府担当室と機構とのそれぞれにおいて、必要に応じ、研究開発プログラムに直接関与していない専門家に点検を依頼することとした。
 御指摘の「今回の研究と研究検証」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、同PMの研究開発プログラムでは、明治のチョコレートを含む十二の商品等が脳に与える影響を比較するため、それらのうちの一つを継続的に摂取等した被験者の脳の磁気共鳴画像を撮像し、解析等をしたところであり、それらの作業を行った大学等における平成二十七年度及び平成二十八年度の当該研究開発プログラムの研究費としての支出金額の合計額は、自己負担額を除き、約八千七万円であり、この一部が明治との共同研究に充てられたと承知している。また、有識者会議において検証等を行うに当たり、有識者会議の開催とは別に当該研究開発プログラムに直接関与していない専門家による関係者のヒアリングを実施しており、当該専門家に支払った謝金及び旅費の合計額は約四十四万円である。
 御指摘の広告については、同PMから内閣府担当室及び機構に内容の照会があったところ、当該広告は明治が企画したものであり、その主な内容は本格的な共同研究の開始に関するものであったことから、当時、特段の問題意識を有してはいなかったが、カカオ成分を多く含むチョコレートを継続的に摂取することによる脳の「若返り効果」を示唆するものとの批判を招いた広告にPMが関与すべきではなかったと考えており、今後は適切に対応してまいりたい。また、同PMからは、御指摘の広告に関して明治から報酬を受けていないと聞いている。


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