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平成三十年四月二十日受領
答弁第二二一号

  内閣衆質一九六第二二一号
  平成三十年四月二十日
内閣総理大臣臨時代理
国務大臣 菅 義偉

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員尾辻かな子君提出同一労働同一賃金に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員尾辻かな子君提出同一労働同一賃金に関する質問に対する答弁書



一の1、2、4及び6並びに二の1について

 同一労働同一賃金については、「働き方改革実行計画」(平成二十九年三月二十八日働き方改革実現会議決定)において、「仕事ぶりや能力が適正に評価され、意欲をもって働けるよう、同一企業・団体におけるいわゆる正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者)と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指すもの」としているところである。
 このため、政府としては、短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律(平成五年法律第七十六号)第八条及び第九条の規定並びに労働契約法(平成十九年法律第百二十八号)第二十条の規定並びに現在国会に提出している働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案(以下「法律案」という。)による改正後の短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律(以下「短時間・有期雇用労働法」という。)第八条及び第九条の規定は、同一労働同一賃金に関する規定であると考えている。

一の3について

 御指摘の東京地方裁判所平成二十九年九月十四日の判決は、「労契法二十条の判断において、職務内容は判断要素の一つにすぎないことからすると、同条は、同一労働同一賃金の考え方を採用したものではな」いと判示しているものと承知している。なお、労働契約法第二十条についての政府の考え方は、一の1、2、4及び6並びに二の1についてでお答えしたとおりである。

一の5について

 御指摘の「ILO(国際労働機関)の原則」の意味するところが必ずしも明らかではなく、お答えすることは困難である。また、「一九四六年の労働基準法草案段階で一度は取り上げられた「同一価値労働同一報酬〔賃金〕の原則」」は、男女同一賃金の原則を指すものと思われ、他方、同一労働同一賃金は、一の1、2、4及び6並びに二の1についてでお答えしたとおり、「いわゆる正規雇用労働者・・・と非正規雇用労働者・・・の間の不合理な待遇差の解消を目指すもの」である。

二の2について

 短時間・有期雇用労働法第九条の規定は、業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(以下「職務の内容」という。)が通常の労働者と同一の短時間・有期雇用労働者(短時間・有期雇用労働法第二条第三項に規定する短時間・有期雇用労働者をいう。以下同じ。)であって、当該事業所における慣行その他の事情からみて、事業主との雇用関係が終了するまでの全期間において、その職務の内容及び配置が当該通常の労働者の職務の内容及び配置の変更の範囲と同一の範囲で変更されることが見込まれるものについて、短時間・有期雇用労働者であることを理由として、待遇のそれぞれについて、差別的取扱いを禁止するものである。

二の3について

 お尋ねの「職務分析・職務評価実施マニュアル」については、短時間労働者及び通常の労働者の職務の内容を明確にし、当該職務の内容が異なるか否か及び異なる場合にどのように異なるかを明確にするためのものであるが、短時間・有期雇用労働法の内容を踏まえ、必要な見直しを行うこととしている。

二の4について

 お尋ねの「ILOの基準」の意味するところが必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難である。

二の5について

 お尋ねの「職務の価値を評価することによって、同一価値労働同一賃金の考え方を貫く」の意味するところが明らかではないが、短時間・有期雇用労働法第八条の規定においては、短時間・有期雇用労働者の待遇のそれぞれについて、当該待遇に対応する通常の労働者の待遇との間において、当該短時間・有期雇用労働者及び通常の労働者の職務の内容、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情のうち、当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的に照らして適切と認められるものを考慮して、不合理と認められる相違を設けることを禁止している。

二の6について

 同一労働同一賃金は、一の1、2、4及び6並びに二の1についてでお答えしたとおり、「いわゆる正規雇用労働者・・・と非正規雇用労働者・・・の間の不合理な待遇差の解消を目指すもの」であり、短時間・有期雇用労働法は、いわゆる正規雇用労働者間の待遇差を対象とするものではない。
 また、御指摘の「同一価値労働同一賃金の原則」の意味するところが明らかではなく、「政府はどのように取り組んでいくのか」とのお尋ねについてお答えすることは困難である。

三の1について

 御指摘の「「職務の内容」の同一性については前記のとおり「職務の評価」を通じて「職務の価値」を比較すべきである」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。

三の2について

 短時間・有期雇用労働法第九条の「職務の内容及び配置の変更の範囲」の解釈については、今後、通達等により示してまいりたい。

三の3について

 短時間・有期雇用労働法第八条の「その他の事情」の解釈については、同一労働同一賃金に関する法整備について(建議)(平成二十九年六月十六日労働政策審議会建議。以下「建議」という。)において「「その他の事情」の中から、新たに「職務の成果」「能力」「経験」を例示として明記することが適当である。また、労使交渉の経緯等が個別事案の事情に応じて含まれうることを明確化するなど、「その他の事情」の範囲が逆に狭く解されることのないよう留意が必要である」とされていること等を踏まえ、今後、通達等により示してまいりたい。

四について

 短時間・有期雇用労働法第八条及び第九条の規定に違反した場合の当該短時間・有期雇用労働者の待遇については、裁判所において個別具体的な事案に即して判断されること等により決まることとなる。当該判断においては、当該短時間・有期雇用労働者の職務の成果、能力又は経験その他の事情を勘案すべき場合もあり得ることから、一律に、同一の事業主に雇用される通常の労働者と同一の待遇が認められるものと規定することは困難であると考えている。

五の1について

 派遣労働者に関しては、労働政策審議会が昨年九月十五日に答申した働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱(以下「要綱」という。)第五の二の2において、「派遣元事業主は、職務の内容が派遣先に雇用される通常の労働者と同一の派遣労働者であって、当該労働者派遣契約及び当該派遣先における慣行その他の事情からみて、当該派遣先における派遣就業が終了するまでの全期間において、その職務の内容及び配置が当該派遣先との雇用関係が終了するまでの全期間における当該通常の労働者の職務の内容及び配置の変更の範囲と同一の範囲で変更されると見込まれるものについては、正当な理由がなく、基本給、賞与その他の待遇のそれぞれについて、当該通常の労働者の待遇に比して不利なものとしてはならないものとすること」とされているところである。これは、派遣元事業主(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号。以下「労働者派遣法」という。)第二条第四号に規定する派遣元事業主をいう。)は、派遣先(労働者派遣法第二条第四号に規定する派遣先をいう。)に雇用される通常の労働者の待遇を決定する立場にないため、「差別的取扱い」という文言を用いなかったことによるものであるが、要綱第五の二の2の内容は、要綱第七の五と同様の趣旨であると考えている。

五の2について

 建議において、「一般に賃金水準は大企業であるほど高く、小規模の企業になるほど低い傾向にあるが、必ずしも派遣労働者が担う職務の難易度は、同種の業務であっても、大企業ほど高度で小規模の企業ほど容易とは必ずしも言えない。このため、派遣労働者の希望が大企業へ集中し、派遣元事業主において派遣労働者のキャリア形成を考慮した派遣先への配置を行っていくことが困難となる(中略)など、結果として、派遣労働者の段階的・体系的なキャリアアップ支援と不整合な事態を招くこともあり得る」とされ、また、「こうした状況を踏まえ、・・・派遣先の労働者との均等・均衡による待遇改善か、・・・労使協定による一定水準を満たす待遇決定による待遇改善かの選択制とすることが適当である」とされており、要綱第五の二の3はこれを踏まえたものである。

五の3について

 現在国会に提出している法律案による改正後の労働者派遣法第三十条の三第一項の規定に違反した場合の当該派遣労働者の待遇については、裁判所において個別具体的な事案に即して判断されること等により決まることとなる。



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