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平成三十一年四月二十三日受領
答弁第一三六号

  内閣衆質一九八第一三六号
  平成三十一年四月二十三日
内閣総理大臣臨時代理
国務大臣 麻生太郎

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員井出庸生君提出刑法の性犯罪規定の見直し等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員井出庸生君提出刑法の性犯罪規定の見直し等に関する質問に対する答弁書



一について

 御指摘の答弁については、刑法の一部を改正する法律(平成二十九年法律第七十二号。以下「刑法改正法」という。)による改正前の刑法(明治四十年法律第四十五号。以下「改正前刑法」という。)第百七十七条の強姦罪は、暴行又は脅迫を用いて女子を姦淫した場合に成立する罪であり、同罪における「暴行又は脅迫」は、最高裁判所の判例において、「相手方の抗拒を著しく困難ならしめる程度のものであることを以て足りる。」(最高裁判所昭和二十四年五月十日第三小法廷判決、刑集三巻六号七百十一ページ)とされているとおり、反抗を抑圧する程度に達する必要はないと解されるのに対し、改正前刑法第百七十八条第二項の準強姦罪は、暴行又は脅迫を用いなくても、女子の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて姦淫した場合についても強姦罪と同様の処罰対象とする必要があることから、同罪を補足する犯罪類型として規定されたものである(この意味で「準強姦罪」と呼ばれていた。)ことを踏まえ、両罪の区別は適切に機能している旨答弁したところである。
 刑法第百七十七条の強制性交等罪と同法第百七十八条第二項の準強制性交等罪との関係も、これと同様であり、両罪の法定刑は同一であって、これらの罪の間に軽重はない。

二及び六について

 刑法改正法附則第九条において、「政府は、この法律の施行後三年を目途として、性犯罪における被害の実情、この法律による改正後の規定の施行の状況等を勘案し、性犯罪に係る事案の実態に即した対処を行うための施策の在り方について検討を加え」るものとされているところ、法務省においては、まずは、その検討に資するよう、「性犯罪に関する施策検討に向けた実態調査ワーキンググループ」を設け、性犯罪の実態把握等を着実に進めているため、現時点でいかなる事項を検討の対象とするかについて、確たることをお答えすることはできない。

三について

 改正刑法草案の第三百一条についての「改正刑法草案説明書」における説明が、そのまま刑法第百七十九条第二項の監護者性交等罪の解釈となるものではなく、また、犯罪の成否については、捜査機関が収集した証拠に基づいて個々に判断されるべき事柄であるため、一概にお答えすることは困難であるが、一般論として、ある者が同罪にいう「現に監護する者」に該当するか否かは、個別具体的な事実関係の下で、その者と十八歳未満の者との間に、民法(明治二十九年法律第八十九号)第八百二十条に規定する「監護」の概念に照らし、現に十八歳未満の者の生活全般にわたって、衣食住などの経済的な観点や生活上の指導・監督などの精神的な観点から、依存・被依存ないし保護・被保護の関係が認められ、かつ、その関係に継続性が認められるか否かにより決せられることとなるものと考えている。

四について

 改正刑法草案は、昭和四十九年、法制審議会から法務大臣に対して答申されたものであるところ、同草案において、精神障害の状態にある女子を保護し又は監督する者が、その地位を利用して、その女子を姦淫することの処罰規定を設けるべきとした理由については、社会的関係の上から特に弱い立場にある女子に対する保護の強化を図ることにあるものと認識している。
 また、同草案全体に対して、処罰の範囲を不当に拡大するとともに、全面的に刑罰を著しく重くしているなどの意見があり、それらを踏まえた検討・調整を終えることができなかったことなどから、同草案を踏まえた内容の法律案の提出に至らなかったものである。

五について

 第百九十三回国会に提出した刑法の一部を改正する法律案については、お尋ねの点を含め、指摘されていた様々な事項について検討した上で立案したものである。



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